令和5年5月31日、三重県生活環境の保全に関する条例(以下「条例」という。)第72条の4第1項の規定に基づき、県熊野建設事務所から、県が所有する土地の一部(南牟婁郡御浜町西原18-4)において土壌汚染(カドミウム及びその化合物、鉛及びその化合物)が発見された旨の届出がありました。
1 内容
届出によると、県道御浜紀和線の改良工事にあたり、残置されていた鉱さいを撤去した跡地について自主的に土壌調査したところ、次のとおり条例で規定する基準を超過していました。
【カドミウム及びその化合物】
土壌溶出量:0.0098mg/L
(基準値0.003mg/Lの3.2倍)
【鉛及びその化合物】
土壌含有量:240mg/kg
(基準値150mg/kgの1.6倍)
汚染の原因は残置されていた鉱さいの影響が考えられます。ただし、鉱さいは県熊野建設事務所により既に撤去されています。なお、鉱さいが残置されていた理由は不明です。
届出を受け、本日(5月31日)、紀南地域活性化局において現場調査を行ったところ、土壌汚染が確認された場所は遮水性のシートで覆われており、汚染された土壌の飛散流出のおそれはないことを確認しました。
県熊野建設事務所が下流の河川で水質調査を行った結果、カドミウム及びその化合物、鉛及びその化合物は検出されなかったことから、直ちに周辺の生活環境への影響はないものと考えられます。
県熊野建設事務所は、同土地について汚染された土壌の撤去は行わず、飛散流出対策の措置を講じつつ、改良工事を行うこととしています。
今後は、道路工事により汚染が拡大しないよう、県建設事務所の工事方法を確認しながら、土壌汚染対策が適切に行われるよう指導していきます。
2 届出内容の問い合わせ
熊野建設事務所
事業推進室 道路課
電話:0597-89-6145
【参考】
〇三重県生活環境の保全に関する条例(関係条文)
第72条の4第1項 土地の所有者等は、人の健康又は生活環境に係る被害が生じ、又は生じるおそれがあるものとして規則で定める基準を超える土壌又は地下水の特定有害物質による汚染を発見したときは、速やかに当該汚染の拡散を防止するための応急の措置を講ずるとともに、当該汚染の状況及び講じた措置について、規則で定めるところにより、知事に届け出なければならない。ただし、水質汚濁防止法第14条の2第1項の規定による届出があった場合は、この限りでない。
〇カドミウム及びその化合物
常温で銀白色の柔らかい金属で、地球の地殻に広く分布しています。メッキの原料をはじめ、合金の成分、塩化ビニル樹脂の安定剤やプラスチック・ガラス製品の顔料など、さまざまな用途に使われてい ます。人体に長期間にわたって取り込まれると、イタイイタイ病のような中毒症状を生じさせることが知られています。
〇鉛及びその化合物
古くから人類に利用されていた金属であり、現在でも鉛蓄電池やはんだ等に広く用いられています。地下の表層部には、重量比で0.0015%存在し、広く分布しているため、地質等に由来するものも発見されます。 そのため、人の組織等にも存在しますが、高濃度の鉛では、貧血や筋肉の虚弱などの中毒症状が現れます。また、無機鉛化合物には発癌性があるとされています。