令和3年7月21日、三重県産業廃棄物の適正な処理の推進に関する条例第39条第1項の規定に基づき、ポリ塩化ビフェニル(以下、「PCB」という)廃棄物の紛失届が提出されました。
1 届出者
住所 神奈川県横浜市栄区小菅ヶ谷2-29-35
名称 株式会社松本鶏園 代表取締役 松本弘文
2 届出内容
(1)PCB廃棄物の種類等
種類 変圧器
数量 1台
濃度 3.0mg/kg
製造番号 Q6878019
製造年 1979年
製造者 大阪変圧器株式会社
(2)紛失の経緯等
令和2年9月、県から県内の変圧器・コンデンサーを保有する事業者に対しPCBの有無の確認と期限
内の処理を依頼する文書を送付したところ、令和2年11月、県に対し株式会社松本鶏園から元事業所
(志摩市磯部町山田815-1)で保管していた電気設備のうち、変圧器1台に微量のPCB(濃度
3.0mg/kg)が含有されていたとの連絡がありました。
それを受け、南勢志摩地域活性化局環境室から同社に対してPCB廃棄物の適正処分及び保管状況等の
届出を行うよう指導していましたが、令和3年5月27日に低濃度PCBを含む変圧器1台を紛失した可
能性があると連絡があったため、当室が同年6月7日に立入を行い、その状況を確認しました。
同社は、平成31年3月に同事業所を売却していることから、同社及び売却先の事業者に聴取したとこ
ろ、低濃度PCBを含む変圧器は屋根付きの倉庫に持ち出し禁止の張り紙をしたうえで保管していたもの
の、同事業所で過去に金属類が盗難にあったこと、変圧器を保管していた倉庫が外部から閉鎖できる場所
でなかったことから、盗難された可能性が高いとのことです。
同社は、売却先の事業者と協力し、周辺の鉄くず回収業者にも確認しましたが、当該変圧器の所在が判
明しないとのことから、令和3年7月21日、三重県産業廃棄物の適正な処理の推進に関する条例に基づ
くPCB廃棄物に係る紛失の届出がありました。
3 今後の対応
同社に対して、産業廃棄物が適正に管理されていなかったことについて、厳正な指導を行うとともに、引き続き当該PCB廃棄物の所在について調査等の必要な措置を講じるよう指導していきます。
【参考】
〔三重県産業廃棄物の適正な処理の推進に関する条例の根拠条文〕
(ポリ塩化ビフェニル廃棄物の紛失時の措置等)
第三十七条 事業活動に伴ってポリ塩化ビフェニル廃棄物を県内で保管する事業者(以下「保管事業者」という。)は、保管中のポリ塩化ビフェニル廃棄物を紛失したときは、直ちに紛失の状況について調査するとともに、紛失したポリ塩化ビフェニル廃棄物を回収する措置を講じなければならない。
(ポリ塩化ビフェニル廃棄物の事故時の措置等)
第三十八条 保管事業者は、ポリ塩化ビフェニル廃棄物を保管する施設の故障、破損その他の事故が発生し、ポリ塩化ビフェニル廃棄物が飛散し、流出し、地下に浸透し、又は発散したことにより生活環境保全上の支障が生じ、又は生じるおそれがあるときは、直ちにその事故について応急の措置を講じ、かつ、速やかに復旧するよう努めなければならない。
2 前項の場合において、保管事業者は、直ちにその事故の状況を知事に通報しなければならない。
(ポリ塩化ビフェニル廃棄物の紛失時等の届出等)
第三十九条 保管事業者は、前二条の規定に該当するときは、保管中のポリ塩化ビフェニル廃棄物の紛失又は事故の再発防止のために必要な措置を講ずるとともに、規則で定めるところにより次に掲げる事項を知事に届け出なければならない。
一 ポリ塩化ビフェニル廃棄物の紛失の状況又は事故時の応急の措置の状況
二 ポリ塩化ビフェニル廃棄物の紛失又は事故の再発防止のための必要な措置
三 その他規則で定める事項
2 知事は、前項の規定による届出があったときは、当該届出の内容を公表することができる。
3 知事は、第一項の規定による届出があったときは、遅滞なく紛失又は事故の発生した場所の所在する市町長に通知しなければならない。
〔PCBの特性等〕
PCBは、水に溶けにくく、沸点が高いなどの性質を有する油状の物質であり、電気機器用の絶縁油、熱媒体、潤滑油などの用途に利用されてきましたが、現在は製造・輸入ともに禁止されています。脂肪に溶けやすいという性質から、慢性的な摂取により体内に徐々に蓄積し、中毒症状として目やに、爪や口腔粘膜の色素沈着などが報告されています。