令和2年12月1日、産業廃棄物処理業者に対して、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「法」という。)第14条の3(事業の停止)及び第15条の2の7(処理施設の使用の停止)の規定に基づき、行政処分を行いました。
1 行政処分を受けた者及びその内容
(1)行政処分を受けた者:
三重県度会郡南伊勢町村山968番地
有限会社石川
代表取締役 石川 智恵
行政処分の内容:
産業廃棄物収集運搬業の全部の停止
(令和2年12月1日から令和3年2月28日までの90日間)
(2)行政処分を受けた者:
三重県度会郡南伊勢町村山955番地2
石川 昭一
行政処分の内容:
産業廃棄物収集運搬業及び処分業の全部の停止
産業廃棄物処理施設の全部の使用の停止
(令和2年12月1日から令和3年2月28日までの90日間)
2 行政処分の理由
令和2年5月6日、法第19条第1項の規定に基づき、有限会社石川の事業場に立入検査を実施したところ、同事業場内に設置されている廃棄物焼却施設を用いて、有限会社石川の責任者である石川昭一が、廃棄物投入口の蓋を閉じずに、温度計が故障した状態で、産業廃棄物(木くず約2立方メートル)を焼却しているところを確認しました。
その後の調査により、有限会社石川は、元請業者として請負った度会郡南伊勢町古和浦地内の解体工事で発生した木くずの一部を、自社が所有する廃棄物焼却施設を用いて、自社の行為として焼却したことが判明しました。
当該廃棄物焼却施設を用いて、廃棄物投入口の蓋を閉めずに、温度計が故障した状態で、産業廃棄物(木くず)を焼却したことは、法第12条第1項に基づく産業廃棄物処理基準に適合しておらず、法第16条の2(廃棄物の焼却禁止)に該当します。
このため、有限会社石川に対して法第14条の3の規定に基づき、産業廃棄物収集運搬業の事業の停止、実行者である石川昭一に対して法第14条の3及び法第15条の2の7の規定に基づき、産業廃棄物収集運搬業及び産業廃棄物処分業の事業の停止並びに産業廃棄物処理施設の使用の停止を命じます。
3 根拠条文(抜粋)
【廃棄物の処理及び清掃に関する法律】
(産業廃棄物処理基準)
第12条 事業者は、自らその産業廃棄物(特別管理産業廃棄物を除く。第5項から第7項までを除き、以下この条において同じ。)の運搬又は処分を行う場合には、政令で定める産業廃棄物の収集、運搬及び処分に関する基準(当該基準において海洋を投入処分の場所とすることができる産業廃棄物を定めた場合における当該産業廃棄物にあつては、その投入の場所及び方法が海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律に基づき定められた場合におけるその投入の場所及び方法に関する基準を除く。以下「産業廃棄物処理基準」という。)に従わなければならない。
(産業廃棄物処理業)
第14条第1項 産業廃棄物の収集又は運搬を業として行おうとする者は、当該業を行おうとする区域を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、事業者(自らその産業廃棄物を運搬する場合に限る。)、専ら再生利用の目的となる産業廃棄物のみの収集又は運搬を業として行う者その他環境省令で定める者については、この限りでない。
(以下略)
(事業の停止)
第14条の3 都道府県知事は、産業廃棄物収集運搬業者又は産業廃棄物処分業者が次の各号のいずれかに該当するときは、期間を定めてその事業の全部又は一部の停止を命ずることができる。
一 違反行為をしたとき、又は他人に対して違反行為をすることを要求し、依頼し、若しくは唆し、若しくは他人が違反行為をすることを助けたとき。
(以下略)
(産業廃棄物処理施設)
第15条 産業廃棄物処理施設(廃プラスチック類処理施設、産業廃棄物の最終処分場その他の産業廃棄物の処理施設で政令で定めるものをいう。以下同じ。)を設置しようとする者は、当該産業廃棄物処理施設を設置しようとする地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。
(処理施設の使用の停止)
第15条の2の7 都道府県知事は、次の各号のいずれかに該当するときは、産業廃棄物処理施設(その処理施設が第15条の2の5の規定に基づき一般廃棄物処理施設として設置されている場合における当該一般廃棄物処理施設を含む。以下この条において同じ。)の設置者に対し、期限を定めて当該産業廃棄物処理施設につき必要な改善を命じ、又は期間を定めて当該産業廃棄物処理施設の使用の停止を命ずることができる。
一 (略)
二 (略)
三 産業廃棄物処理施設の設置者が違反行為をしたとき、又は他人に対して違反行為をすることを要求し、依頼し、若しくは唆し、若しくは他人が違反行為をすることを助けたとき。
四 (略)
(焼却禁止)
第16条の2 何人も、次に掲げる方法による場合を除き、廃棄物を焼却してはならない。
(以下略)
(立入検査)
第19条 都道府県知事又は市町村長は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、事業者、一般廃棄物若しくは産業廃棄物若しくはこれらであることの疑いのある物の収集、運搬若しくは処分を業とする者その他の関係者の事務所、事業場、車両、船舶その他の場所、一般廃棄物処理施設若しくは産業廃棄物処理施設のある土地若しくは建物若しくは第15条の17第1項の政令で定める土地に立ち入り、廃棄物若しくは廃棄物であることの疑いのある物の保管、収集、運搬若しくは処分、一般廃棄物処理施設若しくは産業廃棄物処理施設の構造若しくは維持管理若しくは同項の政令で定める土地の状況若しくは指定区域内における土地の形質の変更に関し、帳簿書類その他の物件を検査させ、又は試験の用に供するのに必要な限度において廃棄物若しくは廃棄物であることの疑いのある物を無償で収去させることができる。
(以下略)