令和2年4月27日、日本特殊陶業株式会社 伊勢工場(伊勢市円座町871-6他)の敷地において、ほう素及びその化合物による地下水汚染が発見され、今後の対策が講じられたため、土地所有者である同社から、三重県生活環境の保全に関する条例第72条の4第1項の規定に基づき届出がありました。
1 内容
日本特殊陶業株式会社が、当該土地において自主的に土壌及び地下水の調査を実施したところ、次のとおり地下水について環境基準を超過していました。なお、土壌については、基準超過はありませんでした。
【ほう素及びその化合物】
地下水:全調査地点5地点のうち、1地点で基準超過。
最大6.0mg/L(基準値1mg/Lの6.0倍)
日本特殊陶業株式会社伊勢工場では、めっき工程においてほう酸の使用履歴があり、部品のシール材として酸化ほう素を使用しているとのことですが、基準超過した 1 地点を除き、土壌及び地下水の基準超過は確認されておらず、現段階において地下水汚染の原因は不明です。
本日の届出を受け、南勢志摩地域活性化局が現場確認を行ったところ、基準超過した観測井戸において揚水ポンプを設置し、汚染地下水の汲み上げによる拡散防止対策を実施していることを確認いたしました。
また、事業者が実施した敷地境界付近での地下水調査の結果結果では、環境基準に適合していることから、現時点では直ちに周辺の生活環境への影響はないものと考えられます。
なお、事業者は今後も地下水モニタリングを継続するとともに、当該観測井戸において揚水対策を実施し、汲み上げた地下水を適切に処理することとしています。
県は、事業者に対して、地下水汚染対策が適切に行われるよう指導していきます。
2 届出内容の問い合わせ先
日本特殊陶業株式会社
経営戦略本部 広報部
電話 052-872-5896
【参考】
〇三重県生活環境の保全に関する条例(関係条文)
第七十二条の四 土地の所有者等は、人の健康又は生活環境に係る被害が生じ、又は生じるおそれがあるものとして規則で定める基準を超える土壌又は地下水の特定有害物質による汚染を発見したときは、速やかに当該汚染の拡散を防止するための応急の措置を講ずるとともに、当該汚染の状況及び講じた措置について、規則で定めるところにより、知事に届け出なければならない。ただし、水質汚濁防止法第十四条の二第一項の規定による届出があった場合は、この限りでない。
以下(略)
〇ほう素及びその化合物
ほう素は、自然界で多くはほう砂等として存在し、温泉水や海水中には比較的高濃度で存在します。多くの場合、ほう酸化合物の用途で、ガラス繊維や硬質ガラスであるホウケイ酸ガラスに使用されています。
ほう酸及びほう砂を経口摂取した成人及び幼児で、嘔吐、発疹、皮膚の紅斑等が認められた事例が報告されています。