令和5年1月31日、三重県生活環境の保全に関する条例第72条の4第1項に基づき、三重県知事から、県立松阪工業高等学校(三重県松阪市殿町1417番地)において、砒素及びその化合物による地下水汚染が発見された旨の届出がありました。
1 内容
県立松阪工業高等学校は、工業化学実習棟の洗浄施設が有害物質使用特定施設であることから、三重県生活環境の保全に関する条例第72条の3第1項の規定に基づき、平成17年度から年1回地下水の調査を行い、平成25年度以降は基準超過がなかったことから、3年に1回、調査を行ってきました。
これまでの調査ではすべて基準値以下でしたが、今年度(令和4年8月及び12月)の調査において、砒素及びその化合物の基準超過が確認されたため、本日、同条例第72条の4第1項の規定に基づく地下水汚染発見に係る届出がありました。
【砒素及びその化合物】
観測井戸で地下水基準超過(最大)
0.021mg/L(基準値:0.01mg/Lの2.1倍)
同校では、20年程前から砒素を所有・使用していないことから、地下水汚染の原因は不明です。
また、同校では、地下水を使用しておらず、同校周辺の井戸について確認したところ、砒素による地下水汚染の到達範囲(概ね250m)において、飲用井戸はないことから、生徒等及び周辺住民の健康への影響はないと考えられます。
引き続き、地下水の監視を行い、経過を見ながら必要な対策が行われるよう指導していきます。
2 届出内容の問い合わせ先
【環境に関すること】
松阪地域防災総合事務所 環境室
電話番号:0598-50-0530
【学校に関すること】
県立松阪工業高等学校 事務室
電話番号:0598-21-5313
【参考】
○三重県生活環境の保全に関する条例(関係条文)
第七十二条の三
土壌汚染対策法第三条第一項に規定する有害物質使用特定施設(以下この項において「有害物質使用特定施設」という。)を設置する工場等の土地の所有者等(以下「特定工場等所有者等」という。)は、知事が別に定める方法により、当該土地の土壌又は地下水の特定有害物質による汚染の状況について規則で定める回数調査し、その結果を記録しなければならない。ただし、規則で定める有害物質使用特定施設については、この限りでない。
以下(略)
第七十二条の四
土地の所有者等は、人の健康又は生活環境に係る被害が生じ、又は生じるおそれがあるものとして規則で定める基準を超える土壌又は地下水の特定有害物質による汚染を発見したときは、速やかに当該汚染の拡散を防止するための応急の措置を講ずるとともに、当該汚染の状況及び講じた措置について、規則で定めるところにより、知事に届け出なければならない。ただし、水質汚濁防止法第十四条の二第一項の規定による届出があった場合は、この限りでない。
以下(略)
〇砒素及びその化合物
砒素は、地殻の表層部には重量比で0.0005%存在し、水中や土壌中、岩石、大気中に広く存在しています。砒素化合物は、花火の着色剤、塗料用の顔料、半導体の原料等として利用されており、多くの砒素化合物は、土壌に吸着しやすい性質があります。
高濃度の砒素摂取による急性の中毒症状としては、めまい、頭痛、四肢の脱力、下痢を伴う胃腸障害、腎障害等が報告されています。