令和6年7月9日、三重県生活環境の保全に関する条例(以下「条例」という。)第72条の4第1項の規定に基づき、マクセルクレハ株式会社(大阪市中央区久太郎町2丁目4-27 取締役社長 西郷政裕)から、同社津工場(津市観音寺町255)の敷地の一部において、鉛及びその化合物による土壌汚染が発見された旨の届出がありました。
1 内容
敷地内の一部の建屋の解体に伴う土地の改変を予定しており、条例第72条の3第2項の規定に基づく土壌調査(15地点)を実施したところ、鉛及びその化合物の土壌溶出量基準及び土壌含有量基準を超過しました。
【鉛及びその化合物】
土壌溶出量:最大0.16mg/L(基準値0.01mg/Lの16倍)
土壌含有量:最大2700mg/kg(基準値150mg/kgの18倍)
同工場ではゴム製品の製造の過程で鉛を含む薬品を使用しています。
同社が4地点で実施した地下水調査の結果、地下水基準に適合していたことから、直ちに周辺の生活環境への影響はないと考えられます。
届出を受け、本日(7月9日)、津地域防災総合事務所が現場調査を行い、土壌汚染が確認された場所に関しては、コンクリート等による舗装、または、ゴムシートで覆われていることから、汚染された土壌の飛散流出するおそれがないことを確認しました。
同社は、建屋の解体工事の後、アスファルト舗装により土壌の飛散流出防止及び雨水浸透防止を行い、地下水調査を継続していく予定です。
県は同社に対して、土壌汚染対策が適切に行われるよう指導していきます。
2 届出内容の問い合わせ
マクセルクレハ株式会社津工場
人事総務課
電話 059-226-4161
【参考】
〇三重県生活環境の保全に関する条例(関係条文)
第72条の3第2項 特定工場等所有者等は、当該土地において規則で定める面積以上の形質変更を行おうとするときは、知事が別に定める方法により、当該土地の土壌の特定有害物質による汚染の状況について調査し、その結果を記録しなければならない。
第72条の4第1項 土地の所有者等は、人の健康又は生活環境に係る被害が生じ、又は生じるおそれがあるものとして規則で定める基準を超える土壌又は地下水の特定有害物質による汚染を発見したときは、速やかに当該汚染の拡散を防止するための応急の措置を講ずるとともに、当該汚染の状況及び講じた措置について、規則で定めるところにより、知事に届け出なければならない。ただし、水質汚濁防止法第十四条の二第一項の規定による届出があった場合は、この限りでない。
〇鉛及びその化合物
古くから人類に利用されていた金属であり、現在でも鉛蓄電池やはんだ等に広く用いられています。鉛は地殻の表層部には重量比で0.0015%程度存在し、水や大気中から検出される鉛には、人為的な排出のほかに地質に起因するものが含まれます。
なお、鉛は人の臓器や組織に通常存在する物質ですが、高濃度の鉛の暴露では貧血や筋肉の虚弱などの中毒症状があらわれます。また、無機鉛化合物では発ガン性があるとされています。