平成30年4月12日、株式会社久居LIXIL製作所(津市戸木町字赤部5081-4)の敷地において、砒素及びその化合物、ふっ素及びその化合物並びにほう素及びその化合物による土壌及び地下水汚染が発見され、この旨、土地所有者である株式会社LIXIL(東京都江東区大島2丁目1番1号 代表取締役 瀬戸 欣哉)から、三重県生活環境の保全に関する条例第72条の4第1項の規定に基づき届出がありました。
1 内容
株式会社LIXIL(リクシル)が、当該土地において自主的に土壌及び地下水の調査を実施したところ、次のとおり同条例で規定する基準を超過していました。
【砒素及びその化合物】
土壌:全調査地点(47区画、約23,000m2)のうち、2区画で土壌溶出量基準超過。
土壌溶出量:最大0.020mg/L(基準値0.01mg/Lの2倍)
【ふっ素及びその化合物】
土壌:全調査地点(45区画、約23,000m2)のうち、3区画で土壌溶出量基準超過。
土壌溶出量:最大5.0mg/L(基準値0.8mg/Lの6.25倍)
【ほう素及びその化合物】
土壌:全調査地点(96区画、約23,000m2)のうち、12区画で土壌溶出量基準超過。
土壌溶出量:最大2.0mg/L(基準値1mg/Lの2倍)
地下水:全調査地点(敷地境界付近4地点、汚染区画付近2地点)のうち、汚染区画付近2地点で
基準超過。
最大4.1mg/L(基準値1mg/Lの4.1倍)
これまで株式会社久居LIXIL製作所では、アルミ表面処理における着色工程にてほう酸の使用履歴があります。ただし、当該土地における砒素及びその化合物並びにふっ素及びその化合物の使用履歴はなく、これらの汚染原因は特定されていません。
本日の届出を受け、津地域防災総合事務所が現場確認を行ったところ、汚染区画はコンクリート及びアスファルトで覆われており、土壌の飛散流出防止措置及び雨水浸透防止措置が講じられていることを確認しました。
また、土地所有者が今回実施した敷地境界付近での地下水調査の結果も基準値未満であることから、直ちに周辺の生活環境への影響はないものと考えられます。土地所有者は今後も地下水モニタリングを継続するとともに、当該土地の形質変更は行わず、コンクリート及びアスファルトで覆われている状態を維持していくこととしています。
県は津市と連携しながら土地所有者に対して、土壌及び地下水汚染対策が適切に行われるよう指導していきます。
2 届出内容の問い合わせ
株式会社LIXIL
LIXIL Housing Technology Japan 業務改革部 環境監査室
担当 横手、栗原
電話 03-3638-8886
(報道関係者 問合せ先)
株式会社LIXIL
コミュニケーションズ&CR部
担当 布施木
電話 03-6273-3607
【参考】
〇三重県生活環境の保全に関する条例(関係条文)
第七十二条の四 土地の所有者等は、人の健康又は生活環境に係る被害が生じ、又は生じるおそれがあるものとして規則で定める基準を超える土壌又は地下水の特定有害物質による汚染を発見したときは、速やかに当該汚染の拡散を防止するための応急の措置を講ずるとともに、当該汚染の状況及び講じた措置について、規則で定めるところにより、知事に届け出なければならない。ただし、水質汚濁防止法第十四条の二第一項の規定による届出があった場合は、この限りでない。
以下(略)
〇砒素及びその化合物
砒素は、地殻の表層部には重量比で0.0005%存在し、水中や土壌中、岩石、大気中に広く存在しています。砒素化合物は、花火の着色剤、塗料用の顔料、半導体の原料等として利用されており、多くの砒素化合物は、土壌に吸着しやすい性質があります。
高濃度の砒素摂取による急性の中毒症状としては、めまい、頭痛、四肢の脱力、下痢を伴う胃腸障害、腎障害等が報告されています。
〇ふっ素及びその化合物
ふっ素及びその化合物は、ホタル石などの形態で自然界に広く分布しています。環境中においては、河川や地下水、土壌中に含まれており、海水中のふっ素は比較的高濃度となっています。
また、ふっ素化合物は、ガラス加工や電子工業等において使用されるほか、ふっ素樹脂等として広く用いられます。適量のふっ素は虫歯予防に有効であり、歯磨剤にも添加されています。
ふっ素による健康影響としては、飲料水として過剰な摂取による斑状歯の発生等が知られています。
〇ほう素及びその化合物
ほう素は、自然界で多くはほう砂等として存在し、温泉水や海水中には比較的高濃度で存在します。多くの場合、ほう酸化合物の用途で、ガラス繊維や硬質ガラスであるホウケイ酸ガラスに使用されています。
ほう酸及びほう砂を経口摂取した成人及び幼児で、嘔吐、発疹、皮膚の紅斑等が認められた事例が報告されています。