平成29年8月22日、三重県生活環境の保全に関する条例第72条の4第1項の規定に基づき、日本板硝子株式会社(東京都港区三田三丁目5番27号 代表執行役 森 重樹)から同社津事業所(津市高茶屋小森町4902番地)において、砒素及びその化合物、並びにほう素及びその化合物による土壌及び地下水汚染が発見された旨の届出がありました。
1 内容
日本板硝子株式会社が、当該土地において自主的に土壌及び地下水の調査を実施したところ、次のとおり三重県生活環境の保全に関する条例で規定する基準を超過していました。
【砒素及びその化合物】
土壌:全調査地点(40地点、約20,900m2)のうち、9地点で土壌溶出量基準超過。
土壌溶出量:最大0.071mg/L(基準値0.01mg/Lの7.1倍)
【ほう素及びその化合物】
土壌:全調査地点(56地点、約20,900m2)のうち、27地点で土壌溶出量基準超過。
土壌溶出量:最大15mg/L(基準値1mg/Lの15倍)
地下水:全調査地点(10地点)のうち、5地点で基準超過。
最大2.1mg/L(基準値1mg/Lの2.1倍)
これまで同社津事業所では、ガラス繊維原材料としてほう素の取扱履歴があり、原材料に微量成分として砒素が含まれていることも確認されていますが、汚染の原因は特定されていません。
本日(8月22日)届出を受け、津地域防災総合事務所が現場確認を行ったところ、汚染区画はアスファルト舗装されており、土壌の飛散流出防止措置及び雨水浸透防止措置が講じられていることを確認しました。また、事業者が当該調査に加えて実施した敷地境界付近での地下水調査の結果も基準値未満であることから、直ちに周辺の生活環境への影響はないものと考えられます。
県は津市と連携しながら同社に対して、土壌及び地下水汚染対策が適切に行われるよう指導していきます。
2 届出内容の問い合わせ
日本板硝子株式会社 津事業所
総務課 担当:島澤 隆二
059-238-1111
【参考】
〇三重県生活環境の保全に関する条例(関係条文)
第七十二条の四 土地の所有者等は、人の健康又は生活環境に係る被害が生じ、又は生じるおそれがあるものとして規則で定める基準を超える土壌又は地下水の特定有害物質による汚染を発見したときは、速やかに当該汚染の拡散を防止するための応急の措置を講ずるとともに、当該汚染の状況及び講じた措置について、規則で定めるところにより、知事に届け出なければならない。ただし、水質汚濁防止法第十四条の二第一項の規定による届出があった場合は、この限りでない。
以下(略)
〇砒素及びその化合物
砒素は、地殻の表層部には重量比で0.0005%存在し、水中や土壌中、岩石、大気中に広く存在しています。砒素化合物は、花火の着色剤、塗料用の顔料、半導体の原料等として利用されており、多くの砒素化合物は、土壌に吸着しやすい性質があります。
高濃度の砒素摂取による急性の中毒症状としては、めまい、頭痛、四肢の脱力、下痢を伴う胃腸障害、腎障害等が報告されています。
〇ほう素及びその化合物
ほう素は、自然界で多くはほう砂等として存在し、温泉水や海水中には比較的高濃度で存在します。多くの場合、ほう酸化合物の用途で、ガラス繊維や硬質ガラスであるホウケイ酸ガラスに使用されています。
ほう酸及びほう砂を経口摂取した成人及び幼児で、嘔吐、発疹、皮膚の紅斑等が認められた事例が報告されています。