三重県及び三重県警察は、山岳遭難時の迅速な捜索活動や、遭難防止の効果的な啓発活動を行うことを目的として、(公社)日本山岳ガイド協会が運営するWEB登山届「コンパス」のデータベース(以下、「コンパスDB」)に登録された登山者の情報(日程・ルート・緊急連絡先など)を閲覧できる協定を、同協会と締結します。
これまでの登山届は、記載項目が多く面倒なために提出率が低いことや、提出が紙ベースで、様式も統一されていないために、県や県警によるデータ検索・分析が煩雑であることなどが課題となっています。
今後は、コンパスDBを有効活用することにより、県警による捜索活動の迅速・効率化や、県・関係市町・山岳関係団体など(*1)が実施する遭難防止啓発活動の充実を図るとともに、スマホから簡単に提出できるWEB登山届「コンパス」の利用を多くの登山者に周知し、重大な遭難事故の未然防止に取り組んでいきます。
1.WEB登山届「コンパス」の特長と効果
①県警は、コンパスDBを閲覧することにより、登山者の情報把握が可能となり、遭難時に迅速な捜索活
動を行うことができます。
②県や県警は、コンパスDBを閲覧することにより、登山者の行動傾向や遭難多発箇所、事故原因などの
分析が可能となり、効果的な遭難防止対策を講じることができます。
③登山者は、スマホ等から「コンパス」へアクセスし、全国どの山であっても同一フォームで簡単に登山
届を作成・登録できるため、提出促進につながるほか、提出時や下山通知入力時に家族等へメールが届
くため、迅速・確実に情報共有できます。
2.協定締結日
令和2年12月16日付 協定締結
・三重県地域連携部国体・全国障害者スポーツ大会局長、県警本部地域部長、日本山岳ガイド協会理事
長による3者協定です。
・締結式は行わず、押印・郵送による手続きのみ行います。
・締結日から閲覧が可能になります。
3.その他
(1)閲覧利用料
無料
(2)「コンパス」利用人口
約12万人(日本山岳ガイド協会調べ)
(3)県内の山岳遭難事故件数と登山届提出率
令和元年1月~12月74件(96人)(詳細は別紙1のとおり)
74件のうち登山届未提出は53件(72%)
(4)他県の閲覧協定締結状況
24都道府県で締結済み(詳細は別紙2のとおり)
*1 本県では、三重県山岳遭難防止対策連絡協議会(県スポーツ推進課、県警地域課、関係市町及び
県山岳・スポーツクライミング連盟で構成)が遭難防止対策(啓発活動や県民向け講演会など)
の取組を行っています。