学校教育における教育実践等に顕著な成果をあげた教職員について、その功績を文部科学大臣が表彰するとともに広く周知し、あわせて教職員の意欲及び資質能力の向上に資することを目的として、「平成27年度文部科学大臣優秀教職員表彰」が行われます。
三重県では、次の7名が表彰されます。
1 被表彰者(公立学校関係 6名、私立学校関係 1名)
豆野 朋雄(まめの ともお) 48歳 四日市市立常磐西小学校教諭
岡田 興昌(おかだ おきまさ) 46歳 津市立橋北中学校主幹教諭
米川 崇 (よねかわ たかし) 48歳 四日市市立南中学校教諭
村山 佳之(むらやま よしゆき)43歳 三重県立亀山高等学校主幹教諭
井上 和也(いのうえ かずや) 45歳 三重県立四日市中央工業高等学校教諭
中野 正尚(なかの まさなお) 40歳 三重県立度会特別支援学校教諭
宇河 晴美(うかわ はるみ) 54歳 私立高田中学校教諭
※年齢は、文部科学省発表資料と同様に平成27年4月1日現在となっています。
2 表彰式の概要
(1)日時 平成28年1月18日(月) 13時00分から15時30分まで
(2)場所 メルパルクホール(東京都港区芝公園2-5-20)
3 被表彰者の功績概要
(1)豆野 朋雄(四日市市立常磐西小学校教諭)
児童会活動・学級経営について研修と実践を重ね、数々の研究大会で実践発表を行った。
平成18年度からは、ニュージーランド国カンタベリー補習授業校に校長として赴任し、学校運
営、学校事務、教職員研修及び教育課程改革に尽力したほか、平成21年度には、同校の創立10
周年記念式典も成功させた。また、派遣教員のいない都市において巡回指導や自身の実践報告を行
うなど、海外子女教育の振興に積極的に貢献した。
平成22年度に教員として帰国後は、本県及び全国の海外子女教育国際理解教育研究協議会の幹
事・事務局次長を務め、現在もその運営、活動に積極的に参画している。また、在外教育施設での経
験を生かし、自身の教育実践を本県や全国海外子女教育国際理解教育研究大会で発表するなど、その
実践は現在の四日市市をはじめ本県の海外子女教育国際理解教育に多大な影響を与えている。
在籍校においても国際理解教育の研究と実践を重ね、高学年の担任、教務主任、拠点校指導員等を
歴任し、学校運営の核として、同校の教育の充実に力を注いでいる。
(2)岡田 興昌(津市立橋北中学校主幹教諭)
保健体育科教育を中心とする研修と実践を重ねるとともに、生徒指導、部活動指導など多方面でそ
の力を発揮した。
特に剣道部顧問としては、高い技術指導により、2度の全国中学校体育大会出場を果たすなど優秀
な成績を残している。また、自らも全国教職員剣道大会に三重県代表選手として出場している。
こうした経験を生かし、一志郡・久居市及び津市の中学校体育連盟において理事長等を務め、主催
する大会の企画運営、各種目の競技力の向上など、地域の中学校における学校体育の振興に大きく貢
献した。また、武道の必修化にあたって、実技講習会の講師等を務めるなど、本県や同市の教員の指
導力向上に寄与した。
現任校においても、保健体育科の教諭として、生徒が運動の楽しさや喜びを実感し、自主的に運動
に取り組む指導を行い成果をあげている。また、三重大学と連携した新しい教材・教具の開発に取り
組むほか、生徒指導主事として課題解決にリーダーシップを発揮し、平成27年度からは主幹教諭と
なり学校運営の中核として活躍する姿は、他の職員の範となっている。
(3)米川 崇(四日市市立南中学校教諭)
社会科教育について研修と実践を重ねる一方で、人権・同和教育について深く研修と実践を重
ね、四日市市立三滝中学校では人権・同和教育推進担当として、地域に密着した活動に尽力した。
平成18年度、四日市市立南中学校に赴任し、人権教育推進担当として、人権教育を基盤とする教
科指導・生徒指導を推進するとともに、平成19年度には、四日市人権・同和教育研究会の事務局長
に就き、同市の人権教育の推進に大きく貢献した。平成21年度からは、同市教委人権・同和教育課
指導主事として地域と学校をつなぎ、人権学習会を創設するなど、進路保障にむけた取組を推進し
た。
平成24年度、四日市市立南中学校に赴任し、生徒に寄り添う生徒指導及び進路指導を重ね、地域
と学校の連携体制を構築するなど、学校運営の中核を担うとともに、その温厚かつ誠実な人柄から同
校の全職員の精神的な支柱となっている。現在も、社会科の指導をはじめ、学年主任として学年集団
を牽引するなど、同校のミドルリーダーとして学校の活性化を図るとともに、四日市人権・同和教育
研究大会の企画・運営に携わるなど、人権教育の推進・発展に尽力し、広く教職員の範となってい
る。
(4)村山 佳之(三重県立亀山高等学校主幹教諭)
商業科・情報科教諭として、高い専門知識を活かし、本県の商業教育、情報教育の発展に貢献して
いる。特に情報教育の分野において、社会で活躍できる人材の育成に向けて、同人の指導力を如何な
く発揮している。
特に、前任校である三重県立四日市商業高等学校においては、情報処理技術者検定の資格取得に向
けて、生徒をきめ細かく指導し、生徒や保護者から厚い信頼を得た。また、平成21年度第17回全
国高等学校生徒商業研究発表大会三重大会の運営委員長として、各方面と連携を取りながら大会の成
功に貢献した。
さらに、三重県立亀山高等学校に転任してからは、同校システムメディア科の学科主任として、タ
ブレット端末活用事業を担当し、同校のみならず、本県全体のICT(Information and
Communication Technology)教育推進の中心的役割を担って活躍している。加えて、今年度から主
幹教諭を務め、県内で唯一の情報専門学科の運営に尽力するとともに、学校全体の発展にも寄与して
いる。
(5)井上 和也(三重県立四日市中央工業高等学校教諭)
勤務した複数の学校において進路指導を担当し、キャリア教育に係る専門性を高めてきた。
特に、三重県立四日市中央工業高等学校では、平成25年度から進路指導主事として、専門高等学
校における進路指導の舵取りを主導し、生徒の基礎学力向上に向けた取組や工業高校生向けの適性検
査の導入等、大胆な改革を断行し、多方面から賞賛を受けている。
また、本県教育委員会主催のプロジェクトである三重県版キャリア教育プログラム作成プロジェク
ト委員会委員長を務め、平成25年度には冊子「キャリア教育プログラムの策定に向けて」、平成2
6年度には冊子「キャリア教育プログラム策定のガイドブック」の完成に大きく寄与するとともに、
今年度においては、引き続き、キャリア教育実践事例集の完成を目指して取組を行っている。
これらの取組を通して、同人が培ったキャリア教育に係る知識と経験を、本県全体で組織的かつ体
系的に広めることで、本県のキャリア教育の充実・発展に大きく貢献している。
(6)中野 正尚(三重県立度会特別支援学校教諭)
理学療法士資格所有者としての専門性を発揮し、肢体不自由の児童生徒に対して自立活動の指導力
向上に尽力している。
とりわけ、三重県立度会特別支援学校においては、平成25年度、平成26年度に研修部主任を務
め、重度重複障がいのある児童生徒の自立活動の指導における目標設定、評価等に関わって、児童生
徒の実態を客観的に把握し組織的に活用するためのツールとして、映像や写真を取り入れた研修シー
トの作成を推進した。また、「子どもがよりいきいきとする学校づくり~授業の改善に向けて~」を
テーマに、3ケ年計画の校内研究を設定し、グループ形式で調査、分析、実践、検証を繰り返すこと
で、組織的に授業改善に取り組む仕組みづくりを主導した。
さらに、平成26年第60回全国肢体不自由教育研究協議会・新潟大会において、ポスター発表を
通じて同校の取組を広く発信するなど、本県における特別支援教育の充実・発展に大きく寄与してい
る。
(7)宇河 晴美(私立高田中学校教諭)
国語の学習指導や進学指導においてその手腕から高い実績を残し、生徒や保護者からの信頼も厚
い。
国語教育の一環として開始した俳句指導を契機として、生徒を「松山俳句甲子園全国大会」第6回
大会(平成15年)に出場させ、以来13年間連続出場を果たしている。現在は俳句部顧問として指
導にあたっており、卒業生には俳人として文壇で活躍している者もいる。
また、クラス運営にも優れており、中でも平成17年の文化祭クラス展示では生徒へギネスブック
への挑戦を促し、クラスの生徒全員の結束による「世界最大のオセロ」を作成し、平成18年2月、
高田高等学校6年a組としてギネス世界記録の認定を受けた。
平成23年から、地域社会への貢献を目指し、小学生のキャリア教育推進を目的とした公開講座
「学びのひろば」(小学4・5年生を対象)を発案し、その企画・運営に尽力している。本年で5年
目を迎えるが年間約400名の小学生が参加し、同校のみならず広く中学校生活への興味と意識向上
の場となっている。
平成14年より、公益財団法人三重県国際交流財団の評議員を務め、同校のみならず広く三重県の
国際理解教育の推進にも尽力している。