5月25日、伊賀市環境政策課から伊賀市猪田地内の長野池(農業用ため池)に油膜が浮いているとの連絡があり、現地調査を行ったところ、上流に位置する事業所の廃トランス(変圧器)からPCBの含有が疑われる油が流出したことが判明しました。
県は関係機関と連携し、油の汚染拡大防止措置を実施するとともに、PCB含有の有無を確認しています。
1 流出原因
伊賀市からの連絡を受け、現地を確認し聞き取りを行ったところ、上流に位置するエリナトレーディング(中古自動車販売、伊賀市山出1775-14 代表者モハマド・ナシル氏)の事業敷地内で廃トランス(内容油量28L)から油が流出したことが判明しました。
2 対応
市消防及び県でオイルマット等による油の拡散防止措置を行うとともに、原因者に対し、場内の汚染土の除去、汚染区域の養生等を実施させました。
なお、現時点で、長野池の下流にあたる木津川では油膜は認められていません。
木津川の伊賀市水道水源は、合流地点より上流域のため、伊賀市の水道水源には影響がありません。
3 PCB含有の疑いについて
廃トランスについて確認したところ、微量のPCB含有の可能性があることから、長野池及び合流後の木津川の水等を採取し、PCBの汚染の有無について、県保健環境研究所で分析を行っています。
4 今後の対応方針
分析結果が判明次第、改めて原因者に適正保管等の指導を行います。
(参考)
ポリ塩化ビフェニル(PCB)について
絶縁性、不燃性、化学的安定性などの特性により、トランス、コンデンサといった電気製品や熱媒体等幅広い分野で使用されてきましたが、慢性的な摂取により体内に徐々に蓄積し、肝障害、浮腫などさまざまな症状を引き起こすことから、昭和47年以降は製造が中止されています。しかしながら、それ以降も非意図的にPCBが混入された電気機器が存在します。なお、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法で平成39年3月末までに処分することが規定されており、処分までの間は適切に保管するよう定められています。