県では、「みえ県民力ビジョン」において「県民力でめざす『幸福実感日本一』の三重」を基本理念と
して掲げ、県民の「幸福実感」を把握し、県政運営に活用するため、一万人の県民の皆さんを対象に、
「幸福感」についての意識や、地域や社会の状況についての実感などを項目とする「みえ県民意識調査」
を毎年実施しています。
本年1月から2月にかけて実施した第2回調査については、4月に集計結果(報告書)を公表し、県の
年次報告書である「平成25年版成果レポート」にも主な結果を記載したところですが、調査結果が平成26
年度の「三重県経営方針」の策定や当初予算議論の際の資料等として活用されるよう、部内に「みえ県民
意識調査活用研究会」を設け、専門家の助言も得ながら、詳細な分析を進めてきました。
今回、県民の幸福実感と密接な関連があるものは何か、あるいは幸福実感向上のためにはどのような課
題があるのかなどについて考察した内容を記述した研究レポートがまとまりましたので、お知らせします。
(レポートの構成)
第1章 県民の幸福感の現状~属性別にみた姿~
10点満点で質問した幸福感の特徴や傾向等について見るため、属性別に細かく集計しています。
第2章 幸福実感指標の現状
「みえ県民力ビジョン」に掲げる16の幸福実感指標に対応する「地域や社会の状況についての実感」の
特徴や傾向、課題等について考察するため、属性別に細かく集計しています。
第3章 幸福実感と関連があるとみられる項目(前回調査のフォローアップ)
県民の幸福実感向上のための課題等について考察するため、前回調査で幸福実感との関連が示唆された
「家族」や「地域や社会への参画」、「就労」等について詳細に分析しています。
第4章 特定の属性を通してみた県民の幸福実感
県民の幸福実感の現状について理解を深めるため、「子育てをしながら働く女性」など、ある特定の
属性を軸として様々な調査データを整理しています。
第5章 まとめ(県民の幸福実感向上のために)
第4章までの分析結果を整理しながら、県民の幸福実感と密接な関連があるものは何か、あるいは県民
の幸福実感向上のためには何が課題なのか等について考察しています。
(まとめの概要) (頁数は研究レポートのもの)
第1節 県民の幸福実感と密接な関連があるもの(105~107頁)
・家族は県民の幸福実感と密接な関連があると考えられる。(105頁)
・結婚は県民の幸福実感と密接な関連があり、今後、その関連する度合いが強くなっていく可能性もある
と考えられる。(106頁)
・子どもを持つことは幸福実感と密接な関連があると考えられる。(106頁)
・就労や収入について、男性は結婚との関連が強く、就労の不安定さや収入の少なさを実感することは
結婚のハードルとなり、幸福実感を押し下げていると考えられる。
女性は男性ほど直接的ではないものの、就労と幸福実感との関連は一定あると考えられる。(107頁)
・地域や社会とのつながりと県民の幸福実感には関連があると考えられる。(107頁)
第2節 県民の幸福実感向上のための課題など(107~110頁)
・県民の幸福実感向上のためには、望む人が結婚し、望む人が子どもを持ち、安心して子育てができる
地域社会が求められていると考えられる。(108頁)
・若者が結婚に踏み切れるよう後押しするためにも、若者の就労支援に注力することは県民の幸福実感
向上には重要。また県南部地域をはじめ、地方における若者の就労支援は県民の幸福実感向上に加え、
少子化対策にも寄与する可能性があると考えられる。(108頁)
・県民の幸福実感向上のためには女性がこれまで以上に地域や社会において力を発揮する必要があり、
家庭や育児と両立可能な柔軟な働き方が選択できる環境などが求められていると考えられる。(109頁)
・男性一人で家計を支えなければならないという考え方にとらわれず、「夫婦が共に働き、一緒に子
育てをする」という意識を広めることや、子育て世帯の長時間労働を減らし、家庭の時間を確保する
取組を社会全体として広げることは少子化対策を進める上でも有効と考えられる。(109頁)
・働く意欲の高い高齢者の就労支援は幸福実感向上に有効であり、高齢者の活力や知恵を生かすことで、
「協創」の三重づくりを進めることにもつながる可能性があると考えられる。(110頁)
・県民の幸福実感向上には「協創」の三重づくりを進めることが重要と考えられる。(110頁)