平成24年度の1年間に発生した体罰について、公立小学校、中学校、高等学校(通信制を除く)及び特
別支援学校を対象に実施した実態調査の結果については、平成25年4月25日に文部科学省へ報告しまし
た。
平成24年度中に児童生徒に体罰を行った207名の教員に対する処分状況について、文部科学省への報
告時点では、既に文書による訓告等の措置を行った者が176名、処分を検討中の者が31名でした。
その後の検討の結果、31名のうち25名については文書による訓告等の措置を行いましたが、6名につ
いては、本日(6月5日)付けで、下記のとおり2名を減給10分の1 1月、4名を戒告とする懲戒処分
を行いました。
記
1 処分年月日 平成25年6月5日
2 被処分者、根拠法令、処分内容及び処分対象事案の概要
(1)北勢地区の県立高等学校 実習助手(男性37歳)
・ 根拠法令 地方公務員法第29条第1項第1号及び第3号
・ 処分内容 減給10分の1 1月
・ 概 要
上記の者は、同校サッカー部の技術指導を行っていたところ、平成22年5月、校外での練習において、
男子生徒1名の頬を1回叩き、同生徒の鼓膜を損傷させる怪我を負わせました。
また、平成24年4月21日、他校との練習試合において、別の男子生徒1名の頬を2回叩き、4月30
日、他校との練習試合において、別の男子生徒1名の臀部を1回蹴り、9月22日、他校との練習試合にお
いて、別の男子生徒1名の頬を1回叩くなど、計4回に渡り4名の生徒に対し体罰を加えました。
(2)津・松阪地域の公立小学校 教諭(男性41歳)
・ 根拠法令 地方公務員法第29条第1項第1号及び第3号
・ 処分内容 減給10分の1 1月
・ 概 要
上記の者は、前任校に勤務していたところ、平成25年1月18日、校内で暴れ、他の児童2名に床に押
さえ込まれていた男子児童の両腕をつかんでその場に立たせ、同児童の腰を足で2回蹴り、胸ぐらを両手で
つかんで後ろにある本棚に押しつけました。
しばらくして同人は、しゃがみ込んでいた同児童のもとへ戻り、同児童を立たせ、腰を2回蹴り、両手で
胸元を突き飛ばしました。これらの行為により、同人は同児童に両胸部、左肩関節打撲傷の怪我を負わせま
した。
(3)北勢地区の県立高等学校 教諭(男性40歳)
・ 根拠法令 地方公務員法第29条第1項第1号及び第3号
・ 処分内容 戒告
・ 概 要
上記の者は、平成24年7月、同校体育教官室前において、注意に従わず騒いでいた男子生徒1名の頭部
を1回叩いたほか、担任する別の男子生徒に生活面での指導をする際、1名に対し、9月22日、同校生徒
指導室において頬を1~2回叩き、別の1名に対し、9月29日、同校職員玄関前において頬を1~2回、
11月9日、同校生徒指導室において頭部を1回、12月17日、同校生徒指導室において頬を2~3回叩
くなど、計5回に渡り3名の生徒に対し体罰を加えました。
また、12月17日の体罰により、同人は生徒に鼻からの出血と、口の中を切る怪我を負わせました。
(4)北勢地区の県立高等学校 教諭(男性39歳)
・ 根拠法令 地方公務員法第29条第1項第1号及び第3号
・ 処分内容 戒告
・ 概 要
上記の者は、同校ハンドボール部顧問として生徒の指導をしていたところ、平成24年7月29日、同校
での練習において同部員28名の頬を1回ずつ叩き、11月3日、新人大会において同部員17名の頬を1
回ずつ叩き、12月16日、他校との練習試合から帰校後に同校生徒昇降口において同部員15名の頬を1
回ずつ叩くなど、計3回に渡り28名の生徒に対し体罰を加えました。
(5)伊賀地区の県立高等学校 教諭(男性37歳)
・ 根拠法令 地方公務員法第29条第1項第1号及び第3号
・ 処分内容 戒告
・ 概 要
上記の者は、同校硬式野球部顧問として生徒の指導をしていたところ、平成24年8月7日及び8月下
旬、他校との練習試合において男子生徒1名の頬を1~2回叩き、8月11日、他校との練習試合において
別の男子生徒1名の頬を10回叩き、8月18日、秋季大会予選会において同生徒と別の男子生徒2名の頬
を1回ずつ叩き、9月上旬、同校教室前廊下において別の男子生徒1名の頭部を3回叩き、10月、学校に
隣接する敷地内において別の男子生徒の頭部を1回叩くなど、計6回に渡り6名の生徒に対し体罰を加えま
した。
(6)北勢地域の公立中学校 教諭(男性48歳)
・ 根拠法令 地方公務員法第29条第1項第1号及び第3号
・ 処分内容 戒告
・ 概 要
上記の者は、前任校に勤務していたところ、生徒を指導した際、平成24年5月2日、同校相談室で、男
子生徒1名の胸ぐらをつかんで1回揺すり、平手で頬を1回叩き、5月11日に放送室で、5月14日に相
談室で、同生徒の胸ぐらをつかんで1回揺すり、平手で頬を2回叩き、9月14日に放送室で、同生徒の頬
を1回叩きました。
また、同生徒に対し、授業中、忘れ物が頻繁な時、4~5回、両手で挟むようにして両頬を叩いたり、両
頬をつねったりしました。
さらに、平成24年9月頃、同人は別の女子生徒1名を指導した際、両手で挟むようにして両頬を1回叩
き、10月16日、平手で頬を1回叩くなど、計10回以上に渡り2名の生徒に対し体罰を加えました。
3 今後の方針
児童生徒の健全な育成を指導する責任を負う教員のこのような行為は、学校教育に対する県民の信頼を著
しく損なうものであり、かかる事案が多数発生していたうえに、実態把握が不十分であったことを重く受け
止めています。
県教育委員会としましては、今後このような事態が発生することのないよう、映像教材を活用した校内研
修会、運動部活動指導者研修会、生徒指導担当者を対象とした研修会等により、指導方法の改善を図るとと
もに、市町等教育長会議や県立学校長会議等の各種会議などのあらゆる機会を通じ、体罰禁止について、よ
り一層周知徹底してまいります。
また、今後も子ども安全対策監を中心に、各学校で教員への定期面談や児童生徒へのアンケート等によ
り、定期的に体罰の状況を確認し、体罰の実態を的確に把握していきます。