● 公立学校の状況
1 第1次報告の要旨
文部科学省への第1次報告は、平成25年1月23日付けの文部科学省からの通知を受け、平成24
年4月から平成25年1月末までに発生した事案で、県教育委員会や市町等教育委員会が既に体罰とし
て把握している状況を報告するものです。
なお、現在各学校に依頼し、改めて実態調査を行っていますが、その状況については、第2次報告と
して4月30日までに文部科学省へ報告することとなっています。
2 第1次報告の概要(参考1参照)
文部科学省へは、体罰を行った教員ごとに各項目を報告することとなっており、今回の第1次報告は
35人分の事案を集計した数となっています。
また、文部科学省では、全国状況をとりまとめ、別途公表することとされていますが、教員数や被害
児童生徒数などのカウントの方法により、本県の公表と異なる場合があります。
公立学校全体で、33件・対象教員35人でした。
校種別では、小学校で13件・対象教員13人、中学校で16件・対象教員18人、高等学校で3
件・対象教員3人、特別支援学校で1件・対象教員1人でした。
発生事案数 対象教員 被害児童生徒
小学校 13件 13人 20人
中学校 16件 18人 27人
高等学校 3件 3人 5人
特別支援学校 1件 1人 1人
計 33件 35人 53人
※ 中学校で発生事案数16件に対し対象教員が18人となっているのは、2人の教員が1人の生徒に体
罰を行った事案が2件あるためです。また、被害児童生徒は実人数を計上していますが、当該事案があ
るため、中学校の延べ人数は29人となり、公立学校全体での延べ人数は55人となります。
(1)体罰が行われた場面
授業中 12 放課後 5 休み時間 2 部活動 10
学校行事 2 ホームルーム 2 その他 2
(2)体罰が行われた場所
教室 12 職員室 1 運動場・体育館 10
廊下・階段 4 その他 8
(3)体罰の態様
素手で殴る 14 棒などで殴る 2 蹴る 6
投げる・転倒させる 1 殴る及び蹴る等 1 その他 11
(4)被害の状況
打撲(顔) 1 打撲(足) 2 打撲(その他の部位)4
鼻血 1 その他 2 傷害なし 25
(5)把握のきっかけ(複数回答を可としています)
児童生徒の訴え 6 保護者の訴え 19 教員の申告 14
第三者の通報 5 その他 1
(6)把握の手法(事情を聴取した者について、複数回答を可としています)
当事者教員 35 その他教員 10 被害児童生徒 33
その他児童生徒 5 保護者 13
(7)処分の状況
文書訓告 7 厳重注意 23 検討中 5
3 今後の対応
・ 現在行っている教員、児童生徒を対象とした調査を通じて、体罰の実態を的確に把握するとともに、
体罰禁止の徹底を図っていきます。
・ 新たに体罰と判明した事案については、当該市町等教育委員会や県立学校と連携し、その内容を十分
精査し、必要な処分等について適正に対応してまいります。
● 私立学校の状況
1 第1次報告の要旨
私立学校についても、文部科学省の通知を受け、県教育委員会とほぼ同様に調査を行い、文部科学省
へ報告します。
2 第1次報告の概要(参考2参照)
私立学校で体罰として把握している件数(第1次報告分:平成24年4月から平成25年1月末まで
に発生)は全体で、16件でした。
校種別では、小学校で1件、中学校で6件、高等学校で9件、特別支援学校0件となっています。
発生事案数 対象教員 被害児童生徒
小学校 1件 1人 1人
中学校 6件 6人 16人
高等学校 9件 9人 21人
特別支援学校 0件 0人 0人
計 16件 16人 38人
(1)体罰が行われた場面
授業中 4 放課後 1 休み時間 1 部活動 6
学校行事 3 その他 1
(2)体罰が行われた場所
教室 4 職員室 1 運動場・体育館 5
廊下・階段 1 その他 5
(3)体罰の態様
素手で殴る 10 棒などで殴る 2 蹴る 2 その他 2
(4)被害の状況
鼓膜損傷 1 外傷 1 傷害なし 14
(5)把握のきっかけ(複数回答を可としています)
児童生徒の訴え 7 保護者の訴え 3 教員の申告 9 その他 3
(6)把握の手法(事情を聴取した者について、複数回答を可としています)
当事者教員 14 その他教員 1 被害児童生徒 11
保護者 2 その他(第3者) 1
3 私学課の今後の対応
今後、私学協会理事会(校長会)で各学校での体罰発生防止への対応を引き続き要請し、体罰禁止の
徹底を図っていくほか、今回調査で新たに判明した事案を含め、学校の対応状況を注視するとともに、
新たな事案発生の際はすぐに報告するよう求めてまいります。
参考1 文部科学省への第1次報告の主な事例【公立学校】
1 教室での事例
・ 平成24年5月、放課後、担任が児童に学習指導を行い、帰る際に椅子を片付けるよう声をかけたと
ころ、児童は椅子を机の中に蹴り込んで帰ろうとしたため、立腹して頬を平手で叩いた。児童は顔を打
撲。(小学校)
・ 平成24年5月、放課後、生徒を指導中、生徒の態度に感情的になり机を蹴り、蹴った机が生徒の腹
にあたった。また、襟元をつかんで手すりに押しつけ頬をつかんだ。生徒に傷害なし。(中学校)
・ 平成24年6月、授業中、指導に従わず着席をしないでふざけていた生徒を足払いし転倒させた。生
徒は、肘と腰を打撲。(中学校)
・ 平成24年11月、授業中、指導に従わない児童を突き飛ばした。児童に傷害なし。(小学校)
2 職員室での事例
・ 平成24年12月、放課後、授業中に携帯電話を取りだし使用した生徒を指導した際、生徒の額を押
し、頭を叩いた。生徒に傷害なし。(中学校)
3 運動場・体育館での事例
・ 平成24年6月、部活動の練習中、部員の動きを指導する際、バットで生徒の頭をヘルメットの上か
ら小突いた。生徒に傷害なし。(中学校)
・ 平成24年9月、部活動の練習中、練習態度が悪いことに腹を立てた顧問の1人が部員を平手で頬を
叩き腹部を小突いた。また、別の顧問が同じ部員の足を蹴った。生徒に傷害なし。(中学校)
・ 平成24年10月、スポーツ活動の指導中、生徒指導上の問題を注意していた教員が、生徒が素直に
ならず他人の気持ちを踏みにじるような発言や態度をとったことに腹を立て、感情的になって生徒の頬
を平手で叩いた。生徒は頸部を打撲。(特別支援学校)
4 廊下・階段での事例
・ 平成24年7月、教室に入らない児童を複数の教員で指導していたところ、児童が廊下で暴れ出し、
複数の教員が制止していたが、児童の前に立って落ち着かせようとしていた教員を蹴ったため、その教
員が児童のふくらはぎを蹴った。児童は足を打撲。(小学校)
5 その他の場所での事例
・ 平成24年4月、遠足で公園に児童を引率していた教員が、同じ公園を遠足で訪れていた他校の児童
に対し、立ち入り禁止とされている場所へ入ったことについて注意する際、児童の向こう脛を蹴った。
児童は足を打撲。(小学校)
・ 平成24年5月、運動部の合宿中に、生徒に生徒指導上の問題を注意していた顧問の教員が、当該生
徒に対して顔を平手で叩くなどの体罰を行った。生徒に傷害なし。(高等学校)
・ 平成24年9月の週休日に、入れ替わり立ち替わり校舎付近で生徒が騒いでいるため、注意を繰り返
していた生徒指導担当の教員が、初めて注意を受ける生徒を威嚇しようと足を踏み下ろし、それを避け
ようと生徒が出した腕を蹴った。生徒は腕を打撲。(高等学校)
参考2 文部科学省への第1次報告の主な事例【私立学校】
・ 水球部の顧問が、練習試合での指導中、プレイが不甲斐ないという理由で、複数の部員を殴った。そ
のうち2名が鼓膜を損傷し、1名は入院加療にいたった。(高等学校)
・ 剣道部の顧問が指導中に、面をつけていない状態の生徒をたるんでいたという理由から竹刀で殴っ
た。また、別の生徒が顧問との練習中に転倒し、面をつけていなかったため、竹刀が瞼に当たり出血し
た。(中学校)
・ 教科担当者が授業中にテスト返しをしていたところ騒々しく、再三静かにするよう注意したが一層騒
がしくなった。特に騒いでいた生徒に廊下にでるように言ったあと、廊下に向かっている生徒の腰を後
ろから蹴った。(高等学校)