平成23年度 病害虫発生予察注意報第2号
次のとおり注意報を発表します。
1. 対象作物:トマト(施設・冬春作型)、イチゴ(施設)
2. 対象病害虫名:灰色かび病
3. 発生地域:県内全域
4. 発生時期:3月~5月
5. 発生量:多い
6. 注意報発令の根拠
1) 3月第2週の巡回調査では、トマトにおける発病株率は5.8%(平年3.2%)、発生圃場率は62.5%(7年平均27.0%)と、平年より多い状況です。イチゴにおける発病株率は11.2%(平年1.0%)、発生圃場率は75.0%(7年平均21.1%)と、平年より多い状況です。また、トマト、イチゴ共に、果実においても発生が確認されています。
2)一般圃場での発生量は、平年より多い状況です。
3)1か月予報(3月9日・名古屋地方気象台発表)によると、3月17日から23日にかけて、平年に比べて晴れの日が少なく気温が高くなる見込みのため、灰色かび病の発生に好適な条件になることが予想されます。
7. 防除上の注意事項
1)本病は20℃前後の温度と多湿条件で発生しやすいため、ハウス内の温度および湿度管理に注意してください。特に、曇雨天時が続く場合は、循環扇や暖房機を稼動して、ハウス内の湿度を下げるようにしてください。
2)発病した茎葉や果実、枯死葉等は伝染源となるため、こまめに取り除いて圃場外に持ち出し、適切に処分してください。
3)トマト果実では、胞子が発生しなくても果実表面に黄白色の小斑点(ゴーストスポット)が生じることがあります。商品価値を著しく落とすので、注意が必要です。
4)病勢が進行すると防除が困難となります。圃場をよく観察し、早期発見、早期防除に努めてください。
5)発病前の予防的薬剤防除が基本です。また、曇雨天時は液剤の使用を控え、くん煙剤を利用すると過湿防止になります。
6)薬剤防除では、薬剤耐性菌を生じる恐れがあります。そのため、同一系統薬剤の連用は避け、作用機構の異なる薬剤でローテーション散布を行なってください。
7)農薬は散布する前にラベルの表示事項を再度確認し、適切に使用しましょう。
農薬は散布する前にラベルの表示事項を再度確認して適切に使用しましょう。
(注)
発生予察情報には、「発生予報」、「警報」、「注意報」、「特殊報」があります。「注意報」は、下記のような場合に発表するものです。
警報を発表する程ではないが、重要な病害虫が多発生することが予想され、早めに防除したほうがよい場合に発表します
連絡先:三重県病害虫防除所 担当者:北上 TEL:0598-42-6365 FAX:0598-42-7568