県は安全・安心な水環境を確保するため、国土交通省近畿地方整備局・中部地方整備局、四日市市と
協働し、河川・海域及び地下水の水質を継続的に監視しています。平成19年度に実施した水質調査結
果について取りまとめましたので公表します。
3 調査結果
(1) 公共用水域の水質調査結果
ア 生活環境の保全に関する環境基準について
【河川】
河川における有機汚濁の代表的な指標であるBODについては47河川62水域のうち57水域で
環境基準を達成し、達成率は92%(前年度100%)となりました。(表-1)
なお、環境基準点における水質ランキングについては、表-2及び3のとおりです。
【海域】
海域における有機汚濁の代表的な指標であるCODについては、4海域8水域のうち3水域で環境
基準を達成し、達成率は38%(前年度50%)となりました。(表-4)
また、富栄養化の原因物質である全窒素及び全燐については、4海域6水域のうち、全窒素が全6
水域で環境基準を達成し、達成率は100%(前年度100%)、全燐は3水域で環境基準を達成し、
達成率が50%(前年度50%)となりました。(表-5)
イ 人の健康の保護に関する環境基準について
【河川】
48河川53水域でカドミウム等の有害物質に係る水質調査を実施したところ、5地点を除き環境
基準を達成しました。志登茂川、勢田川、五十鈴川、笹笛川、岩田川でほう素が環境基準(1.0mg/L)
未達成でしたが、これら5地点は汽水域であり、海水中に含まれるほう素の影響によるものと考えら
れます。
※ほう素の監視結果(年平均値・年2回測定)
志登茂川(江戸橋)2.2mg/L
勢田川(勢田大橋)1.3mg/L
五十鈴川(堀割橋)1.5mg/L
笹笛川(八木戸橋)1.6mg/L
岩田川(観音橋) 2.0mg/L
【海域】
4海域8地点でカドミウム等の有害物質に係る水質調査を実施したところ、全地点で環境基準を
達成しました。
(2) 地下水の水質調査結果
ア 地下水質概況調査
地下水汚染の概況を把握するため井戸の水質調査を行っています。平成19年度は四日市市が5
地点で、カドミウム等の有害物質に係る水質調査を行いました。水質調査の結果、全地点で硝酸性
窒素及び亜硝酸性窒素が検出され、そのうち4地点で環境基準を超過していました。また、砒素、
ほう素及びフッ素が検出された地点がありましたが、いずれも環境基準以下であり、その他の有害
物質については全ての地点で検出されず、環境基準を満足していました。(表-6、8)
イ 定期モニタリング調査(汚染井戸の追跡調査)
過去の概況調査等で環境基準を超過した20地点において追跡調査を実施したところ、7地点に
おいて環境基準の超過があり、13地点において環境基準を満足していました。環境基準を超過し
た地点の内訳は、砒素が1地点、トリクロロエチレンが1地点、テトラクロロエチレンが4地点、
シス-1,2-ジクロロエチレンが2地点、ふっ素が1地点でした。(表-7、8)
4 今後の対応
環境基準を達成維持するため、生活排水対策を推進するとともに、工場事業場の排水規制を行いま
す。特に環境基準の達成が困難な伊勢湾については、第6次水質総量削減計画に基づき関係機関と連
携し、伊勢湾の汚濁負荷を削減するための施策に取り組み、伊勢湾の再生を図っていきます。
地下水汚染が確認された地点については、今後も定期モニタリング調査によって監視を継続します。
なお、汚染井戸については飲用指導等を実施済みです。