1 発表事項
平成14年度のダイオキシン類に関する環境調査等結果について
2 発表要旨
ダイオキシン類環境調査等結果 総括表(表-1)
ダイオキシン類対策特別措置法(以下「特措法」という。)第26条第1項及び三重県生活環境の保全に関する条例
第101条の規定により実施したダイオキシン類の環境調査等を公表します。
大気(25地点)、水質(河川54地点、海域14地点)、底質(河川31地点、海域7地点)、水生生物(河川20地
点、海域7地点)、地下水(23地点)、土壌(一般47地点、農用地16地点)および農作物(16地点)のダイオキ
シン類濃度を年間1~4回調査した結果、水質5地点(河川4地点、海域1地点)において環境基準を1.1~1.5倍
超過しました。その他については、すべて環境基準等を満足しました。
(1) 大気環境調査
県内25地点(常時監視地点13地点、補完地点12地点)において、大気中のダイオキシン類濃度を調査した結果、
各測定地点の四季の平均値は、0.012~0.083pg-TEQ/m3の範囲であり、前年度と同様、すべての地点で環境基準
(年間平均値0.6pg-TEQ/m3以下)を達成しました。(表-2)
これは、環境省がとりまとめた平成13年度全国979地点の結果(0.0090~1.7pg-TEQ/ m3)の範囲内でした。
(2) 水環境調査
ア 河川・海域の水質
県内の33河川、54地点において水質のダイオキシン類濃度を調査した結果、各地点の平均濃度は 0.041~
1.5pg-TEQ/lの範囲であり、4地点(朝明川朝明大橋、海蔵川新開橋、笹笛川八木戸橋、金剛川支川真盛橋)で
環境基準(年間平均値1.0pg-TEQ/l以下)を1.1~1.5倍超過しました。(表-3)
海域の14地点における調査では、ダイオキシン類濃度は0.038~1.3pg-TEQ/lの範囲であり、1地点(四日市港
(甲)海域st-2)で環境基準(年間平均値1.0pg-TEQ/l以下)を1.3倍超過しました。(表-4)
これらは、環境省がとりまとめた平成13年度全国2,213地点の結果(0.0028~27pg-TEQ/L)の範囲内です。夏
季調査で濃度が上位であった朝明川および海蔵川に対して上流域の追加調査を実施しましたが、異常値は認めら
れませんでした。
濃度が高かった原因としては、降雨等の後に河川に流入した土壌や河川の堆積物が水中で懸濁し、その微粒子
(SS)中のダイオキシン類によって影響が現れたものと考えられます。
イ 河川・海域の底質・水生生物
河川31地点及び海域7地点において実施した底質のダイオキシン類濃度の調査結果は、0.18~15pg-TEQ/gの
範囲で、平成14年9月1日から新たに適用された環境基準(150pg-TEQ/g)を全ての地点で達成しました。
これは、環境省がとりまとめた平成13年度全国1,813地点の結果(0.012~540pg-TEQ/g)の範囲内です。
また、河川20地点及び海域7地点において採取した水生生物のダイオキシン類濃度は0.084~3.8pg-TEQ/gの範
囲でした。水生生物に関する基準等は定められていませんが、環境省等が実施した全国調査の結果(0.032~
33pg-TEQ/g(H11年度))と比較して、現時点で問題となる数値ではないと考えられます。(表-3,4)
ウ 地下水
県内23地点における地下水のダイオキシン類濃度を調査したところ、0.039~0.88pg-TEQ/lの範囲であり、す
べての地点で環境基準(年間平均値1.0pg-TEQ/l以下)を達成しました。平成12年度の調査開始以来、地下水で
環境基準を超過した事例はありません。(表-5)
また、環境省がとりまとめた平成13年度全国1,473地点の結果(0.00020~0.92pg-TEQ/g)の範囲内でありま
す。
(3) 土壌環境及び農作物調査
ア 一般土壌
県内47地点(一般土壌)の結果は、0.019~34pg-TEQ/gの範囲であり、すべての地点で環境基準(1,000pg-
TEQ/g)を達成しました。平成10年度の調査開始以来、一般土壌で環境基準を超過した事例はありません。
(表-6)
また、環境省がとりまとめた平成13年度全国3,735地点の結果(0~4,600pg-TEQ/g)の範囲内でした。
イ 農用地土壌
県内16地点(水田15地点、畑1地点)の結果は、2.6~220pg-TEQ/gの範囲であり、すべての地点で環境基準
(1,000pg-TEQ/g)を下回りました。(表-7)
ウ 農作物
県内16地点の農作物(水稲玄米15地点、サツマイモ1地点)の結果は、0.00022~0.0035pg-TEQ/gの範囲でし
た。
農作物については、基準等は定められていませんが、13年度に農林水産省が実施した全国調査の結果(0~
1.1pg-TEQ/g)と比較しその範囲内であり、問題となる数値ではないと考えられます。(表-8)
3 今後の取り組み
今後も引き続き、環境調査(常時監視)の適正かつ効果的な運用を図り、環境中のダイオキシン類濃度の実態
およびその推移を的確に把握していきます。