<ガラス製容器にきらきら光る針状浮遊物がある>
原因
一般に「フレークス現象」として知られているものです。これは、水道水中のミネラル分であるマグネシウムとガラス容器の成分のケイ酸が反応して、生成したケイ酸マグネシウムがガラス容器の表面に付き、この反応が繰り返された後、水中に剥離したものと考えられます。
対策
ガラス容器をよく洗ってください。それでもこの現象が発生する場合は、食酢を約10倍に薄めて入れ、1時間程度放置した後に柔らかいブラシで洗ってください。なお、この現象はお湯を何回も注ぎ足して使用すると発生しやすくなります。
<水を汲み置きしておいた容器がぬるぬるする>
原因
汲み置きした水道水は、時間とともに残留塩素がなくなっていきます。残留塩素が消失すると、容器内で雑菌が繁殖して容器の内面がぬるぬるすることがあります。
対策
水道水の長時間の汲み置きは避けてください。また、容器はよく洗って乾燥してください。
<泡立ちがしばらく放置しても消えない>
原因
水道水を給水栓から勢いよく出すと、空気が巻き込まれて泡が立つことがあります。通常はしばらく放置すると泡は消えますが、泡が消えない場合は食器等に付着した洗剤が原因であると考えられます。
対策
洗剤を使用した後、すすぎを十分に行うことで泡は消えます。
<灰色の異物がある>
原因
配・給水管工事の際の、塩化ビニル管布設時に切り屑及びシールテープ等のシール剤が剥離したことが原因と考えられます。
対策
一時的な現象と考えられるので、しばらく捨て水をして異物の流出の有無を確認することで対応することができます。
<残留塩素が検出されない>
原因
水道水は、水道法により、塩素消毒が義務付けられており、衛生上の措置として給水栓水で遊離残留塩素が0.1mg/L以上検出されるように定められています。このため、各浄水場では管末で遊離残留塩素が0.1mg/L以上保持されるように塩素剤の適正注入を行っています。しかし、使用量の少ない末端の配水地域等では水が停滞しやすくなるため、残留塩素が検出されにくい場合があります。特に古い配水管では残留塩素の低下が大きくなることがあります。
また、受水槽を設置している学校やビル等で水道水の使用量が少ないと残留塩素の低下が生じることがあります。
対策
残留塩素が検出されない管末では、残留塩素が検出されるまで捨て水を行ってください。管末での残留塩素低下には、管網のループ化等の対策が有効です。また、受水槽を設置している場合は、定期的な水質検査を行い、適正な運用と管理が求められます。
<飼育している魚がへい死した>
原因
水道水で魚を飼育する際には、残留塩素を除去する必要があります。また、水槽の水の取り替え時に、急激な水温差等の環境の変化により魚がへい死することがあります。
対策
水道水中の残留塩素は、適量のチオ硫酸ナトリウム(ハイポ)で中和したり、水道水を日なたに約半日汲み置きすることで除去できます。
<濁り、砂、砂利の混入>
原因
配・給水管等の水道工事の際、清掃作業が不十分だと管内に砂や砂利が混入することがあります。その他、クロスコネクション、受水槽や高置水槽の管理不備によることも考えられます。
対策
配・給水管の洗浄、捨て水が有効です。また、受水槽や高置水槽が原因の場合は、受水槽等の保守管理を徹底することで対応できます。
参考文献:上水試験方法2011年版(日本水道協会)