<カルキ(塩素)臭>
原因
水道水は、水道法により塩素消毒が義務付けられており、衛生上の措置として給水栓水で遊離残留塩素が0.1mg/L以上検出されるように定められています。このため、地域差や個人差によって塩素臭を感じることがありますが、このにおいは水道水が病原菌等の汚染から守られ、消毒された安全な水の証しであるといえます。
対策
浄水場では、 強い塩素臭を感じないように塩素剤の適正注入を行っています。塩素臭が気になる場合は、沸とう後に冷やすなどの対策をとると塩素臭は解消されます。その他にも塩素臭を除く方法はありますので、「知っておくと便利な水道まめ知識」をご覧ください。
<金気臭>
- 原因
- 水道水が鉄、銅、亜鉛等の金属類を多く含むと金気臭の原因となります。特に滞留時間(使用量が少なく、水が長期間水道管内にたまっている時間)の長いところでの開栓時の使い始めの水は、給水管等から金属が溶け出して水道水に金気臭がつくことがあります。また、水源に地下水を使用している場合は、鉄細菌の存在が水に金気臭をつける原因となることがあります。
- 対策
- 開栓時の水をしばらく捨て水するか、腐食の進んだ給水管等の布設替えが有効です。
<かび臭>
原因
停滞水域の湖沼や貯水池で夏季にアナベナ、フォルミジウム、オシラトリア属等の藍藻類やストレプトミセス属等の放線菌が異常発生し、かび臭障害をもたらすもので、これら藍藻類等が体内で産生するジェオスミン、2-メチルイソボルネオールが臭気物質として広く知られています。 また、大雨による河川の増水で河床の底泥が巻き上げられ、水にかび臭や土臭をつけることもあります。
対策
通常の浄水処理ではかび臭の除去は困難で、活性炭等による除臭処理が有効となります。かび臭は、腐敗菌や病原菌のような不衛生なものではなく、河川や湖ならどこにでもいる微生物が細胞内で産生した物質であることから、安全性に問題はありません。
<油様臭>
- 原因
- 給水管等の新設や布設替え工事で使用する切削油に起因すると考えられます。工事終了後、給水管ににおいが吸着している場合があり、水道水ににおいをつける原因となることがあります。
- 対策
- においが感じられなくなるまでしばらく捨て水してから使用してください。捨て水してもにおいが無くならない場合は、至急現場調査を行う必要があります。
<腐敗臭・下水臭>
原因
水道水から腐敗臭や下水臭を感じるときは、不快であるばかりでなく衛生的な安全性がおびやかされるおそれがあるので、直ちにその使用をやめてください。主な原因としては、受水槽への汚水の混入やクロスコネクションの可能性が考えられます。
対策
このような場合は、安全性の面で問題があることから、直ちに飲用をやめて至急原因の究明が必要です。
<消毒液臭>
原因
フェノール樹脂製のやかん蓋のノブ等と塩素が反応して発生します。他には、お茶を入れるとき鉄分の多い水を使用するとにおいが発生することがあります。
対策
樹脂の部品を取り替えることで、においは治まります。
参考文献:上水試験方法2011年版(日本水道協会)