水道水は、水道法に定められた基準項目について検査され、 飲料水として適合しているかの判定が行われています。
水質管理情報センターでは毎日測定する項目、生物による常時監視(バイオアッセイ)、 人間の五感による監視(官能試験)、 自動化された機器での測定、定期的に測定する項目を有機的に組み合わせ、 安全の確保に努めています。
1. 検査項目の単位について
(1) 水質基準値に表記される単位について代表的なものを説明します。
単位 | 読み方 | 意味 | |
---|---|---|---|
重さ | mg | ミリグラム | 千分の1グラム |
重さ | μg | マイクログラム | 百万分の1グラム |
容積 | mLまたはml | ミリリットル | 千分の1リットル |
濃度 | mg/L | ミリグラムパーリットル | 水1L中に1mgの物質を含む |
濃度 | μg/L | マイクログラムパーリットル | 水1L中に1μgの物質を含む |
割合 | % | パーセント | 百分率 |
割合 | ppm | ピーピーエム | 百万分の1分率 |
割合 | ppb | ピーピービー | 十億分の1分率 |
※ g(グラム)、L(リットル)はそれぞれ重さ、体積の単位です。m(ミリ)やμ(マイクロ)はそれぞれ千分の1、百万分の1を表す接頭語です。接頭語は他にc(センチ)、h(ヘクト)、k(キロ)など様々なものがあります。
※ 割合は正確には単位ではありません。上記の表に挙げた濃度の単位と割合には以下のような関係があります。
単位mg/Lと割合ppmはほぼ等しい 、 単位μg/Lと割合ppbはほぼ等しい
(2) 以上、以下、未満について
1以上 | 1を含み、それより大きい値を指します |
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1以下 | 1を含み、それより小さい値を指します |
1未満 | 1を含まず、それより小さい値を指します |
従って、0.5mg/L未満は、 「1L中において、0.5mgを含まず測定値はそれより小さい値」であることを示します。
2. 基準項目物質とその性状
厚生労働省令で定められた水質基準項目は、平成26年4月から51項目になりました。 それぞれの基準項目物質がどんな影響を及ぼす物質であるかを簡単に以下に示します。
1 | 消化器系疾患原因生物の有無 | 一般細菌、大腸菌、残留塩素 |
2 | 消毒効果の持続 | 残留塩素 |
3 | 水の基礎的性状 | pH値、味、臭気、色度、濁度 |
4 | 着色及び異臭味 | 鉄、亜鉛、銅、硬度、蒸発残留物、アルミニウム、マンガン、ジェオスミン、2-MIB、フェノール類、有機物 |
5 | ミネラル分 | マグネシウム、カルシウム、硬度、蒸発残留物 |
6 | 有毒物の有無 | シアン、ひ素、カドミウム、鉛、水銀、セレン、六価クロム |
7 | 下水、汚水混入の有無 | 塩化物イオン、陰イオン界面活性剤、硝酸・亜硝酸態窒素、非イオン界面活性剤 |
8 | 多量に摂取すると中枢神経障害や発がんの可能性が指摘されている物質 | 揮発性有機化合物(VOC) |
9 | 消毒剤と水中の有機化合物が反応してできる物質で、多量摂取すると発がん性の疑いを否定できない物質 | トリハロメタン(THM)、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、ホルムアルデヒド |
3. 水道水質基準値の根拠
水道水には人の健康を守るために水質基準値が定められており、 その基準値以下で給水することとされています。
水質基準値は、1日2Lの水を生涯飲み続けても健康に影響を生じない水準が定められており、この基準値が守られている水道水は非常に安全な水といえます。
その他不明な点などございましたら、水質管理情報センターまでご連絡ください。