資源管理とは
1.水産資源の特徴
鉱物資源等とは異なり、水産資源の特徴として以下の3つがあります。これら特徴を踏まえて適正に管理することが必要です。①再生産可能
魚などの水産生物は常に成長し、子供を産んで数を増やします。適正に管理することで、継続して漁業を行うことができます。
②無主物性
水産資源は、通常、海の中を泳いでいる時には誰の所有にも属しておらず、漁獲されることによって初めて人の所有下におかれるという性質(無主物性)をもっています。このため、水産資源の漁獲に当たって何の制限も課されていない状態では、自分が漁獲を控えたとしても他者がそれを漁獲することが懸念され、いわゆる「先取り競争」を生じやすくなります。
※注:漁業権が設定されている水産生物にあっては、漁業権者の許可無く採捕した場合は罰せられることがあります。
③不確実性
自然環境やその他要因によって個体数や種類の組成が変動するため、不確実性も考慮した管理が求められます。
2.資源管理の手法
資源管理の手法は大きく3つに分けられます。
①インプットコントロール(投入量規制)
漁船の隻数や馬力数の制限等によって漁獲圧力を入り口で制限。
例)操業隻数の制限、操業期間の制限、漁船のトン数・馬力数制限など
②テクニカルコントロール(技術的規制)
産卵期を禁漁にしたり、網目の大きさを規制することで、漁獲の効率性を制限し、産卵親魚や小型魚を保護。
例)網目の制限、体長制限、禁漁期・禁漁区の設定など
③アウトプットコントロール(産出量規制)
漁獲可能量(TAC)の設定などにより漁獲量を制限し、漁獲圧力を出口で規制。
例)TAC制度、IQ(個別割当)管理、1日当たりの漁獲量制限など
管理する水産資源の特徴や状況、漁業の特性や関係漁業者の数などを踏まえ、これらの管理手法を使い分け、組み合わせながら管理を行っています。