平成３０年度第１回三重県公正入札調査委員会の開催結果

　談合情報により落札決定を保留していた、北勢流域下水道事務所発注の工事について、三重県建設工事等談合対応マニュアルに基づく調査を行い、下記のとおり三重県公正入札調査委員会（委員長　伊藤　仁・三重弁護士会推薦弁護士）を開催し審議したところ、「談合の事実は確認できない」との結論に至りました。
　この審議結果を受け、保留していた入札手続きを進めます。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　記
１　日時　平成３０年１０月２日（火）１６時１５分から１７時まで
２　場所　三重県庁５階　県土整備部ミーティングルーム
　　　　　津市広明町１３番地
３　出席者　委員長　伊藤　仁（三重弁護士会推薦弁護士）
　　　　　　副委員長　荒木　敏之（会計管理者兼出納局長）
　　　　　　委員　小林　ゆかり（株式会社百五総合研究所主任研究員）
　　　　　　委員　堀出　忠夫（元三重県警察本部刑事部長）
　　　　　　委員　岡村　昌和（農林水産部長）
　　　　　　委員　渡辺　克己（県土整備部長）
　　　　　　委員　山神　秀次（企業庁長）
　　　　　　※欠席委員　嶋田　宜浩（総務部長）、廣田　恵子（教育長）
４　議題
　　北勢流域下水道事務所発注の次の工事に係る談合情報について
（１）工事番号及び工事名
　　　平成３０年度　国補北勢南部低率　第１３０２－２分０００５号
　　　北勢沿岸流域下水道（南部処理区）南部浄化センター第２期事業スクリーンポンプ棟（土木）
　　　建設工事
（２）工事場所　四日市市楠町北五味塚　地内
（３）開札日時　平成３０年９月１３日（木）１０時１５分
（４）入札方式　一般競争入札（総合評価方式）
（５）予定価格　２，４４５，９４９，４４０円（消費税及び地方消費税を含む。）
（６）入札参加者数　１０特定建設工事共同企業体
（７）落札候補者　大林・穂積・丸谷特定建設工事共同企業体
（８）入札価格　２，１０９，６６０，０００円（税抜き）
（９）談合情報の概要
　　　平成３０年８月３１日（金）に、県民（実名）から下水道課へ電話があった。
　　　通報概要は、次のとおり。
　　（情報内容）
　　　大林・穂積・丸谷特定建設工事共同企業体が落札する。
　　　８者程度が参加するだろうが、各社、調査基準価格で入札する。
　　（応答概要）
　　　Ｑ．どの様な内容の談合なのか？
　　　Ａ．四日市市が発注した「雨水貯留管工事」において、上記ＪＶは一度落札決定を取り消され、
　　　　指名停止を受けたが、要綱改定により期間が短縮された指名停止の終了後、再入札でも落札
　　　　している。この状況から、●●●（業者名）による調整があったことは間違いない。官製談
　　　　合も疑われる。
　　　　　今回の工事でも、上記ＪＶは全く同じ構成員で参加して、同様の調整を行っている。調整
　　　　を行っているのは県職員ＯＢである。当該ＯＢは、県職員からも情報を集めている。これは
　　　　官製談合でもある。
　　　Ｑ．調整している他の参加者はどのＪＶか知っているか？
　　　Ａ．言わない。●●●（業者名）もいたはずだ。
　　　Ｑ．総合評価の技術提案について、どんな調整ができるのか？
　　　Ａ．当該ＯＢが参加者に協力を求めている。具体的な方法は知らないが、●●●（業者名）には
　　　　誰も逆らえないだろう。当該ＯＢは、県職員に提案書の作り方を尋ねている。
（１０）調査方法
　　入札参加業者全ての工事費内訳書及び技術提案書の審査、並びに入札参加業者、元県職員及び県
　職員に対する事情聴取を実施した。
（１１）調査結果
　　ア　工事費内訳書の審査の結果、工事費内訳書に類似性はなく、それぞれが独自に作成したもの
　　　と判断できる。
　　イ　技術提案に係る書類の審査の結果、技術提案に係る書類に酷似点はなく、また入札参加者が
　　　意図的に評価値を調整しようとした形跡は確認できなかった。
　　ウ　入札参加者、元県職員及び県職員に対する事情聴取の結果、談合の事実を確認できるような
　　　証言は得られなかった。
（１２）審議結果
　　　談合の事実は確認できない。

５　会議の公開、非公開
　会議は非公開で開催しました。

６　非公開の理由
　三重県公正入札調査委員会は、三重県が行う建設工事、測量委託業務、設計委託業務等の入札に係る談合に関する情報に対して的確な対応を行うため、談合情報の信ぴょう性や入札の公正な執行を妨げるおそれがある場合の対応策に関する事項等について調査審議するものであり、その調査審議においては三重県情報公開条例第７条に該当する非開示情報である個人情報、法人の利益に関する情報等が含まれる事項を取り扱うことから、同条例第２７条第１号の規定に基づき、非公開とするものです。

７　今後の予定
　入札参加業者全員から、談合を行っていない旨の誓約書を徴収したうえで、落札候補者を確定し、競争参加資格を確認のうえ落札者を決定します。
　本工事の契約は、議会の議決に付すべき契約のため、落札決定後に落札者と仮契約を締結し、１１月定例月会議に議案を上程する予定です。

８　事務局
　　三重県県土整備部建設業課

＜参考＞
●三重県情報公開条例（関係部分抜粋）
第２７条　実施機関に置く附属機関及びこれに類するものは、その会議（法令又は他の条例の規定により公開することができないとされている会議を除く。）を公開するものとする。ただし、次に掲げる場合であって当該会議で非公開を決定したときは、この限りでない。
（１）非開示情報が含まれる事項について審議、審査、調査等を行う会議を開催する場合