1 日時 令和7年9月30日(火曜日)18時30分から20時30分まで
2 場所 県松阪庁舎 大会議室
3 概要
松阪地域の県立高校の総学級数が、現在の1学年25学級から、15年先には10~13学級程度となることが見込まれる中、「令和4~6年度の松阪地域高等学校活性化推進協議会における協議の小まとめ」をふまえ、令和10~11年度に想定される合わせて5学級程度の学級減への対応の方向性について協議しました。
主な意見は次のとおりです。
(学校規模について)
○ 普通科高校や専門高校など選択肢があっても、小規模校では教員数が少ないことにより学びに制約が生じるのであれば、一定の規模がある高校に普通科と専門学科の両方を設置し、多様な学びができる環境をつくることも考えられるのではないか。また、一定の規模があれば、子どもたちが重視する部活動のニーズに応えることもできる。(川端委員)
○ アンケートで多くの生徒や保護者が高校を選ぶうえで重視することとして回答した「学びたい学科やコースがある」ことを実現するためには、教員数を確保する観点からも、ある程度の学校規模がないと難しい。つらい選択になるが、通学時間も考慮しつつ、学科の枠を超えて学びを集約しながら、子どもたちの希望に応えていく必要がある。(井村委員)
○ 教員数の確保に課題があるものの、1学級の定員を減らし、学級数を確保することで、生徒や保護者の多様なニーズに応えることができるのではないか。そのためにも引き続き、県から国に対して学級編制基準の引き下げの要望を続けるなど、県と国が連携していくことが大切である。(山際委員)
○ 松阪市の中学校卒業者の一定数が市外へ進学している現状があり、当地域の高校の魅力を高める必要がある。学校規模だけでなく、抜本的に松阪地域の学びをどうしていくのかの議論を進めたい。(中田委員)
○ 県立普通科に関しては、当地域の高校は2校だが、今後私立高校への進学者が増えることが懸念される。(尾崎委員)
○ 専門性の高い教員を配置するには、大学進学のニーズに応える普通科系の高校は6学級以上、専門高校においても4~5学級は必要と感じる。中学校における部活動の地域展開や、35人学級の導入が高校においても進められるのかも注視しながら、昴学園高校を含む松阪地域の高校全体のあり方を検討する必要がある。(小林委員)
○ 各市町において小中学校の統合が進んでいるのは少子化の影響だけではなく、津波対策や校舎の老朽化も背景となっている。県立高校についても、伊勢志摩地域との再編も見据え、校舎の老朽化の状況と今後の建て直しの見通しを示してもらえると、議論が進みやすいのではないか。(下村委員)
○ かつて勤務した小規模校では、1学年3学級から2学級へと減少する中で、生徒が充実した高校生活を送り、希望する進路が実現できるよう努力を重ねたが、教員数が減ることで学校運営が厳しくなり、現在は1学級となっている。こうした状況が訪れる前に、早期に方向性を打ち出していくことも必要ではないか。(井ノ口委員)
(学びのあり方について)
○ 既存の学科にとらわれず、普通科で工業や商業について学べたり、機械科に在籍しながら経営について学べたりするような多様性のある学びができる高校があってもよいのではないか。また、授業料無償化が進み高校教育がほぼ義務教育化していく中で、子どもたちが希望する高校で学べるよう、入学者選抜のあり方も検討しつつ、学びの多様化学校のような高校を新たに作っていく必要があるのではないか。(中田委員)
○ 昴学園高校は、地域の方や小中学生と双方の活性化をめざしてともに学びあい、交流を進めており、同校の存続を願うものの、今後の生徒減を考えると簡単ではないことも理解している。各高校の活性化に向けた取り組み状況を共有しながら、15年先を見据えつつ、ある程度イメージが可能なスパンで考えていくことも必要ではないか。(福岡委員)
○ 増加傾向にある不登校生徒や外国籍の生徒は、私立の通信制高校に進学することが多くなっているが、高校卒業後の進路選択に必要な力の育成に関しては、気がかりな部分がある。国籍の多様化や年度途中での転入も課題となる中、県立高校においても外国籍の生徒の学びの場について検討してもらいたい。(尾崎委員)
○ 地元就職や定住につなげる観点から、例えば週に3日は学校で学び、残りの2日は地元企業で実習するような学科があってもよいのではないか。(清水委員)
○ 少人数だからこそ輝く子どもたちは、普遍的にいるのではないか。高校に送り出す側として、そうした高校がこの地域にあってほしい。(山際委員)
○ 高校現場では、将来の学校の存続について不安を抱えつつも、子どもたちに精一杯の学びを提供しようと努力している。今後生徒数が減少したとしても、そのときの子どもたちにとってよりよい学びを実現するという思いを持ち続けたい。(冨安委員)
○ 総合専門高校や、全日制と定時制、通信制の3つの課程を行き来できる愛知県のフレキシブルハイスクールなど、他地域や他府県の先進事例を参考にして検討を進めてはどうか。(井ノ口委員)
○ 小学生の保護者は高校のことには関心を持ちにくいが、高校再編が最も影響を及ぼす年代となることが考えられる。こうした世代の保護者に対する情報提供や、高校のあり方について一緒に考える機会を増やしていくことが大切ではないか。(川端委員)