1 日時 令和7年7月10日(木曜日)19時00分から21時00分まで
2 場所 三重県鈴鹿庁舎 46会議室
3 概要
15年先までの当地域の中学校卒業者数の減少の状況を見据えたこれまでの協議や、中学生と保護者へのアンケート結果をふまえながら、当地域における高校の学びと配置のあり方の方向性、15年先に想定される高校の学びと配置のイメージについて協議を行いました。
主な意見は次のとおりです。
≪今後の学びと配置のあり方の検討の方向性≫
○ 前回の協議でも意見があったようだが、亀山市と鈴鹿市の間は通学に係り交通の利便性がよくないと感じている。両市間のコミュニティバスの導入が実現すれば、交通の範囲が広がり、高校選択の幅がもっと広がるのではないか。【中根委員】
○ 毎年4割近くの生徒が地域外の高校へ進学しているが、通学時間の状況はどうか。多くの生徒が90分以上要しているのであれば、当地域の子どもたちにとって不利な状況であり、今後の高校の配置計画にも大きく影響するのではないか。【内藤委員】
⇒(事務局)高校ごとに在籍生徒の通学時間を調査しており、どの高校の生徒も概ね90分以内で通学していることから、当地域の子どもたちの通学時間も概ね90分以内であると推測される。
○ 少子化の中、学校を新設することは難しいため、現在当地域にある学びの内容や施設設備を充実さ
せることが現実的な対応になると考えている。遠隔授業や既存の施設の活用など、授業のあり方を柔軟に考えながら、再編の方向性を考えてはどうか。【和田委員】
○ 当地域から地域外の工業科や商業科に進学した生徒は、その高校の所在する地域の事業所に就職することが多く、当地域に就職することが少ないようだ。当地域の事業所における人手不足を解消するためにも、ぜひ、当地域に工業科を設置してもらいたい。【内藤委員】
○ 本県は全国的に見ても職業系専門学科の学びを大切にしている県である。どの学校も地域の産業界と連携した教育活動を行っており、子どもたちは、地元企業や地域のよさを認識した上で、卒業後の進路を選択している。【水谷委員】
○ どの地域も中学校卒業者数が減少している中、新たな学科を設置して地域間で生徒の取り合いをするよりも、今ある学びを大切にして、学科や学校生活の魅力を高めていく方が、成果は出やすいのではないか。【水谷委員】
○ 中学生は高校を選択する際に、自分が望む進路や内容を重視しており、通学時間はそれほど意識していないように感じている。また、四日市市や津市の工業科、商業科へ進学する生徒は、部活動に魅力を感じて進学する生徒も多い。当地域にどんな学びを残していくのかを精査した上で、中学校と高校が連携して、地元の高校の魅力をもっと中学生にPRしていく必要がある。【辻井委員】
○ 工業に限らず何かに特化した学びをつくり、その魅力を発信できれば、当地域の高校の魅力として定着していくのではないか。「当地域で実現したい学びや育みたい力」として示されている「将来、地域産業を支える人材や地域で活躍する人材の育成」を可能にする環境づくりが必要であり、どこかに収束させるのではなく、生徒減の中で新しいものを生み出すという発想で考えるべきである。【谷口委員】
○ 地域外の高校へ進学している子どもの保護者から、通学時間や費用を考えると、鈴鹿市内に商業科や工業科があればよかったという声を聞く。子どもが減っていく中で新しいものをつくることは難しいことは理解しているが、子どもたちが中学校までの人間関係を大切にしながら地域の学校へ進学できる環境があってほしい。【市川(佳)委員】
○ 高校の魅力を知る機会としては、各高校のオープンスクール等があるが、PTAとしても、1つの場所に地域の高校に集まってもらい、中学生や保護者が1日で様々な学校の特色を知ることができるイベントを催したいと考えている。【村田委員】
≪1学年当あたり12~14学級となることが想定される15年先の学びと配置のイメージ≫
○ 中学校卒業者数が減少する中で、いずれは現在の6校が統合していくのはやむを得ないが、15年後に2~3校になるという数字は、当地域の課題となっている流出入の現状を前提とした学級数の予測に基づくものであるため、あえて外に出す必要があるのか。学びの集約を図る中で、工業科を新たに設置するなど、当地域の県立高校の魅力を高めて、少しでも多くの子どもたちが地域に残るようにしていくことが大切である。【廣田委員】
○ 将来の学校数については大切な話であるので、まとめの文面に残した方がよい。ただし、15年先
に鈴鹿市に2校、亀山市に1校という学校数の表記については、数字が独り歩きしないよう丁寧な説明を付け加えるべきである。【山本委員】
○ これまで協議した学びと配置のあり方を実現するうえで、地域の高校を2~3校とするのであれば、総合大学のように1つの高校で多様な学びの選択肢があり、希望する進路や適性に応じてフレキシブルに学べるような、県内のどこにもない夢のある新しい高校を当地域につくることができないか。学びの数だけ学校があるというのではなく、できるだけ大きな規模の高校で地域の子どもたちを全て受け入れ、多様性に対応していくという考え方を大切にしたい。【水谷委員】
○ 実際に統合や新設を決めるのは県なのだから、地域の思いを大切に地域の高校の活性化を図るという当協議会のまとめとしては、具体的な学級数を出すのではなく、現在の高校を維持することは難しいというような表現にしたうえで、子どもたちが入学したくなるような、AI時代に対応した新しい高校をつくるなど、夢のある大胆な発想で考えていくことが大切である。【中原委員】