1 日時 令和6年11月26日(火)18時30分から20時30分まで
2 場所 三重県松阪庁舎 大会議室
3 概要
15年先の松阪地域の県立高校の学びと配置のあり方についての協議や、松阪地域の中学生と保護者へ
のアンケート結果をふまえながら、令和8年度から令和11年度に想定される県立高校の学級減への具体
的な対応の方向性について、協議しました。
主な意見は次のとおりです。
≪アンケート結果について≫
〇 商工会から、ある高校の探究的な学習のテーマに、地域の祭りの企画運営を提案したところ、多くの
生徒が喜んで取り組んでくれた。一方で、アンケートでは高校選びで重視することとして、地域と連携
した活動を選ぶ中学生の割合が低く、とても残念に感じた。
〇 「地域と連携した活動が充実している」の割合が低かったのは、高校は市町や地域を越えて通学する
生徒も多く、地元地域を探究するというイメージが湧かなかったからではないか。
〇 小中学校においても地域と密着した教育活動に取り組んでおり、「高校選びで重視すること」ではな
く、学校で大切だと思う教育活動は何かと問えば、地域と連携した学びや人権教育はもっと高い割合を
示すはずである。
〇 高校において1学年1学級規模となると、開設できる科目数が限られるなど、多様な学びを提供する
ことが難しくなる。それにもかかわらず、アンケートでは「1学級」を希望する回答が想像以上に多か
ったことに驚いている。
〇 クロス集計の結果から、「高校で希望する学級数」への回答は、高校での学びをイメージした回答と
いうよりは、「在籍する中学校の学級数」が影響したのではないかと推察される。
〇 「将来就きたい仕事」で、多種多様な職業を志している結果をふまえると、中学生が将来を見据えた
高校や学科の選択ができるよう、学力だけでなく、キャリア教育をさらに充実させることが必要であ
る。こうしたことをふまえて、今後の高校の学びと配置のあり方についての議論につなげていく必要が
あると感じた。
≪「令和4~6年度の松阪協議会における協議の小まとめ(案)」について≫
(「これまでの経緯」等について)
〇 「これまでの経緯」に、協議の過程で大切にしてきた「子どもの人権」や「子どもたちの学び」に
関する文言を書き加えてはどうか。
〇 松阪地域における県立高校の学びの選択肢や規模を議論する上で、私立高校の存在は避けて通れな
い。「松阪地域の状況」には、私立高校の状況も含めて記載する必要があるのではないか。
(学校規模について)
〇 アンケート結果から、子どもたちは高校選びで部活動を重視しており、そのニーズをかなえるために
は、一定の学校規模があったほうがよい。
〇 学校規模については、より丁寧な議論が必要であるが、多様な教育課程の編成や、それを可能とする
教員数を確保する観点から、学校によっては8学級や6学級を下回らないといったことを明記したほう
がよいのではないか。
〇 多様な選択科目の開設には、相当数の教員が必要であるとともに、学校行事や部活動などの充実のた
めにも、一定の学校規模があったほうがよい。望ましい学校規模については丁寧に議論し、理由ととも
に「協議のまとめ」に記載していく必要がある。
〇 総学級数の減少が見込まれる中、1校あたりの学級数を確保しようとすると、現在ある学校数の維持
は難しくなる。「一定の統合は避けられない」という声も多くあることから、学級数と学校数のバラン
スに留意して、検討を進める必要がある。
〇 生徒や保護者が期待している社会性や協調性を育むには、ある程度の学校規模が必要ではあるが、通
学のしやすさを重視する回答も多いことから、交通の利便性や通学費用も考慮して、どの場所に統合す
るかなどを慎重に議論する必要がある。
〇 統合についての検討にあたっては、「統合は避けるべき」と「一定の統合は避けられない」を選択し
たどちらの保護者にも共通する「子どもたちの学びの選択肢や特色のある学びの維持」を望む意見を大
切にする必要がある。
(学びの選択肢について)
〇 多様な学びや学習形態を展開する私立の通信制高校への進学者数が増加していることから、県立高校
においても通信制課程や定時制課程を含めた学びの改革についての議論が必要なのではないか。
〇 増加している不登校の子どもたちの進路も考えて、当地域の高校の配置のあり方を考えていきたい。
不登校に特化して子どもたちの学びを支える小規模校が、当地域にあってもよいのではないか。
〇 専門学科の学びの選択肢の維持については、農業・工業・商業などの枠にとらわれず、学科を越えた
連携も視野に入れながら、学びの集約化に関する議論を進めたい。