1 日時 令和6年2月19日(月)18時30分から20時40分まで
2 場所 県松阪庁舎 大会議室
3 概要
令和4年度に生まれた子どもたちが中学校を卒業する15年先までの中学校卒業者の減少の状況等をふまえ、松阪地域で令和11年度までに想定される学級減への対応の方向性を協議していくにあたり、今後の当地域における高校の学びと配置のあり方について協議しました。また、地域の中学生とその保護者を対象としたアンケート調査の内容や実施方法等について検討しました。
主な意見は次のとおりです。
<主な意見>
(松阪地域の中学生の進路状況について)
○ 松阪地域には多様な学科がバランスよく配置されているにもかかわらず、中学校卒業者の約3分の1が
他地域の全日制高校へ進学している。その要因を分析し、各高校・学科の魅力を高め、それを発信するこ
とができれば、地元の高校へ進学する生徒の割合も増えるのではないか。
○ 多様な選択肢があったとしても、現実的な合格可能性、交通の利便性や通学費用などを考えて、隣接地
域の高校を選択する生徒も多い。
○ 学校以外の習い事でできた友人と同じ学校に行きたいという理由で、他地域の高校へ進学する生徒も一
定数いるようだ。保護者としても、子どもが希望するなら高校段階では地域を越えて交流させてやりたい
という思いがあるのではないか。
○ 松阪地域の高校卒業者の約6割が大学、短大、専門学校等へ進学していることや、自分が純粋に行きた
い高校を記入していると思われる中学校3年生の7月段階の進路希望状況を勘案すると、松阪地域では普
通科の定員が不足しており、その結果として私立高校や他地域の高校へ進学しているのではないか。
○ 大学等に進学するなら普通科でなければというのではなく、専門学科から大学等へ進学する生徒も多い
ことを、中学生にしっかりと周知していく必要がある。
(今後の松阪地域の県立高校における学びと配置のあり方について)
○ 他地域の高校や県外の大学へ進学したとしても、将来この地域を愛し、この地域に戻ってきたいと思っ
てもらえるよう、小中高をとおし地域に根差した学びを大切にしたい。
○ 求人を出してもなかなか応募がないという現状があり、地域における人材育成の視点に加え、労働条件
を含めた魅力ある職場づくりも必要であると感じている。
○ 中学生に、なぜ大学へ進学するのかを考えさせたり、地元の高校から地域の企業に就職することのよさ
を伝えたりしていく必要がある。小中高が連携して、こうした人生設計につながるキャリア教育に取り組
むことが大切である。
○ 中学生向けの進路説明会では、大学合格実績や就職先だけではなく、小規模校で独自に行っている特色
ある教育や、どのような学びができるのかをもっとアピールするべきである。
○ 目標に向かって粘り強く取り組む力や、他者と協働する力などの非認知能力を育成することが大切にな
っており、そういった学びの実現には一定の学校規模があるほうが望ましい。
○ 一般に小規模校に存在するとされているメリットは、「体験的な学習や校外学習を機動的に行うことが
できる」といったものを除いて、概ね大規模校にも存在している。一方で、学級減による教員数の減少は
、教科指導や部活動など学校運営全体に大きな影響を与えることとなる。
○ 専門学科の学びの選択肢を維持するために、近年は主に普通科の定員を減じてきたが、これ以上松阪地
域の県立高校の普通科の定員を減らすべきではない。普通科と専門学科・総合学科のバランス、公立と私
立のバランスをしっかりとりながら、慎重に議論を進めてもらいたい。
○ いつ頃までに、当協議会としての方向性をとりまとめる必要があるのか。
⇒(事務局)松阪地域では、令和11年度に大きな中学校卒業者数の減少が見込まれているので、統合を
含めた再編を検討するのであれば、中学生の進路選択への影響等を勘案すると、遅くともその3年前の
令和8年度までに方向性を取りまとめる必要がある。
(アンケートの質問内容や実施方法について)
○ 地域間比較ができるよう共通設問を設けるとともに、地域の実情に応じて各協議会独自の設問を設ける
という方針には賛成である。集計結果から、当地域における学びと配置のあり方の方向性をどのように導
くのかを想定しながら、アンケートを作成してもらいたい。
○ アンケートの設問は過去や県外の調査を参考に作成したとのことだが、現行の学習指導要領がめざす学
びの姿をふまえた表現に見直すべきではないか。
○ 伊勢志摩地域で実施したアンケートの「将来、どこで生活したり働いたりしたいか(させたいか)」
の設問は、ぜひ当地域でも入れてほしい。
○ まだ高校のことを十分に知らない中学校2年生を対象とすると、漠然とした回答しかできないのではな
いか。また、中学生の保護者からは、通学費や授業料以外にかかる費用など経済的負担に関する質問が多
いので、こうした悩みに関する設問があってもよいのではないか。
○ 中学生とその保護者に加え、高校生も調査対象とし、実際に高校で学んで感じた意見も参考としてはど
うか。
○ 保護者対象の調査形態について、他地域では紙媒体で実施したとのことだが、中学校によっては、保護
者の要望もふまえて電子メール等の活用が進んでいるので、オンラインによる実施も検討してはどうか。