1 日時 令和5年2月7日(火)19時00分から21時10分まで
2 場所 三重県熊野庁舎 大会議室
3 概要
前回に引き続き令和7年度に想定される5学級規模における高校の学びと配置について協議し、さまざまな意見があったものの、協議会として「両校を統合し、4学級+1学級の校舎制とする」ことにとりまとめ、県教育委員会へ提言しました。
主な意見は次のとおりです。
≪令和7年度の5学級規模における高校の学びと配置のあり方について≫
〇 大きな集団の中での教育がより理想的であるため、本来なら1校に統合するほうがよいが、地域のこと
や通学のこと、両校のこれまでの教育を継承することの大切さを考えると校舎制はやむをえない。紀南校
舎の1学級の学びを充実させるとともに、今後、生徒数がさらに減少する高校のあり方を早い段階から検
討することを願い、「4学級+1学級の校舎制」に賛成する。
〇 社会性や人間性の育成にはできるだけ大きな学級規模が望ましいが、学校の選択肢の維持、きめ細かな
学びの継承、通学困難となる生徒への配慮等を考えると、1校舎に統合するよりも、「4学級+1学級の
校舎制」で連携していくほうが現実的と考える。
〇 両校のよさの継承、通学への配慮、学校運営などを考えると統廃合はいたしかたなく、「4学級+1学
級の校舎制」がベストではないか。両校舎の総合学科の学びに独自性を持たせ、子どもたちがその学びを
選択できるようになるとよい。
〇 今後の中学生の減を考えると1校舎への統合がよいという意見が同窓会では多かったが、校舎制での先
生や生徒の交流、部活動の工夫によって、今までにない学びをもつ高校としていきたい。
〇 子どもたちの学校生活の充実を一番に考えてほしい。そのためには1校に統合して人数の多い方がよい
と思うが、経済的な事情への配慮や多くの選択肢の提供という点では、校舎制が妥当ではないか。
〇 今後の少子化の進行を考えると本来1校5学級に統合するべきであるが、これまでの協議をふまえると
「4学級+1学級の校舎制」を認めざるを得ない。来年度からの具体的検討の内容については、その経過
を適宜報告してもらい、我々地元の声も取り入れてほしい。
〇 紀南校舎1学級の学びの内容は今後の検討課題とされているが、本当にうまくいくのか疑問が残る。統
合はやむなしだが、4学級と1学級とすることには反対である。
〇 校舎制としても紀南校舎の1学級は、多様な生徒との出会いが少ないという面で現実的でない。木本校
舎は主に大学進学、紀南校舎は主に専門学校進学や就職を希望する生徒が学ぶ学校として3学級と2学級
にしてはどうか。紀南高校は地域と一緒に取り組んできた成果で志願者が多くなっており、それをふまえ
た学級編成を県に期待する。
〇 「4学級+1学級の校舎制」は、これまで協議してきたことやアンケートの結果をふまえた案だとは理
解できるが、賛成も納得もできない。平成27年ごろ、協議会で検討していた「統合して新校舎を建てよ
う」という時のような希望を持った気持ちにはなれない。
〇 地域と一体となって活動している木本高校野球部のようなよい文化と同様に、紀南高校にも地域とつな
がるよい文化がある。紀南校舎が1学級になると地域の人たちとのコミュニケーションが少なくなるだけ
でなく、次はなくなってしまうのではないかという不安がある。
〇 この協議会ではこれまで長い間両校の統合は避けられないとしながらも、結論を先送りしてきた。今後
は、生徒が学びたい学校となるよう、子どもたちの目線でニーズをしっかりとふまえた学びを考え、地域
の子どもたちを地域で育てられる高校をつくってもらいたい。
〇 4学級と1学級の校舎制により、学びを充実させていくことはよいが、次の学級減で紀南校舎の1学級
がなくなることありきであってはならない。
〇 中学生が進路選択する時に、どちらの校舎に行っても成長できると感じられるようにする必要がある。
そのために1学級を少人数学級として2学級にするなど、40人定員にこだわらない柔軟な対応を求めた
い。そうすることで現在想定されている次の学級減の時に、校舎制の取組が充実して魅力ある高校にな
り、学級減を回避できるようになってほしい。
〇 校舎は2つとなっても統合して教員も連携することで、この地域の生徒の学びが保障できる。この地域
には、きめ細かな学びを求めている生徒がたくさんいることから、教員配置には配慮してもらいたい。
〇 統廃合の形の議論だけで終わらず、どのような学校とするかという学びの具体化こそもっと議論をして
いくべきである。学びの選択肢を広げ、木本高校定時制も含めた再編活性化も考えるべきではないか。
〇 木本高校では、地元の部活動や大学進学へのニーズへの対応に加え、地域課題解決型学習やSTEAM教
育にも力を入れている。今後は2校が連携しながら、これらの学びにより、地域の子どもたちの可能性を
広げていきたい。
〇 紀南高校の学びである防災リーダーや看護・福祉に携わる人材の育成については、両校が連携すること
でより広がりを持つことができる。現在あるコミュニティスクールを維持しながら、今後も地域とともに
子どもたちを育んでいきたい。
〇 この地域の子どもたちの思いが反映できるよう、4学級と1学級であっても、学びのあり方や部活動な
ど柔軟に対応できるような検討をしてほしい。
〇 これから入学する子どもたちの夢や希望に応えられる教育環境を作ってもらいたい。
〇 現在の両校の魅力をより高めて欲しい。今後検討していく学びの具体的な内容については協議会でも情
報共有し、一緒に議論できればよい。
〇 子どもたちにとって、よりよい学校となるよう検討を進めてほしい。小中学校の保護者から1学級規模
の校舎では教育の質の低下が心配だという意見もあり、学びのコンセプトをしっかり確立したうえで教員
配置を手厚くしてもらいたい。また、多くの生徒が通学することとなる4学級規模の校舎も同様にしっか
りとした学びを進める必要がある。
〇 協議会では様々な意見があったが、概ね「4学級+1学級の校舎制」を支持する意見が多かった。今後
は子どもたちの豊かな未来を実現していくために、紀南地域が一体となってこれからの子どもたちの学び
を支えてほしい。
4 今後の進め方
「木本高校と紀南高校を統合して校舎制とし、普通科3学級を木本校舎に、総合学科1学級を木本校舎及び紀南校舎にそれぞれ配置する」という協議会での意見集約を受け、両校関係者を中心に木本高校と紀南高校の統合に向けた具体的な検討や準備をはじめるとともに、その内容については来年度の協議会でも協議していきます。