1 日時 令和4年11月8日(火)19時00分から21時00分まで
2 場所 三重県熊野庁舎 大会議室A
3 概要
令和7年度に紀南地域で1学年の総学級数が5学級規模になる際に想定される学びと配置のあり方について協議を進めていくにあたり、紀南地域の中学生や保護者を対象に実施したアンケート調査の結果を、どのように捉え、どのように生かして行くべきか等について協議しました。
主な意見は次のとおりです。
≪アンケート結果から考えられる学びへの期待や学級数・学級配置等について≫
〇 中学生は多様な進路に応じた学習や多くの人々との出会いを求めているのに、高校で学びたい学級数は
1学級・2学級・3学級として小さい規模を選んでいる。このねじれた結果をしっかりと読み解く必要が
ある。
〇 高校では学級数が少なくても、複数の中学校から生徒が集まってくることで新しい出会いもあるという
ことを期待しているのではないか。
〇 この地域の中学校は人数の少ない学校が多いため、在籍する中学校を越える大きな規模の学校をイメー
ジしにくかったのではないだろうか。アンケート結果からは、現在在籍している中学校の学年の人数よ
り、少し大きめの学級規模を選んでいることが読み取れる。
○ アンケート結果は一見ちぐはぐに思えるところもあるが、中学生は回答にあたり、網羅してではなく、
1つ1つの問いに率直に答えたのではないか。
〇 保護者は令和7年度の5学級の配置として、1校5学級を最も多くの人が選んでおり、その理由として
は学校のなかで選択肢が増える、部活動が充実するという積極的賛成の意見と、生徒減を考えるとやむを
得ないと言う消極的賛成の意見があるため、結果を丁寧に分析する必要がある。
〇 独立か分校化かにかかわらず、2校舎の存続を望む意見をあわせるとほぼ半数となり、1校舎にするこ
とに慎重な意見もあると感じた。
〇 校舎を1つにするか、2つ残すかは別として、5学級の学びを1校として統合することを望む意見が6
割となるため、これからの協議に際し、柔軟な視点から検討していく必要がある。
○ 学校現場から考えると、友人関係に悩む中学生にとっては、学ぶ場所の選択肢があるほうがよい場合も
ある。
○ 高校での学習については、半数近くの中学生が明確な目標を持てていないことから、高校受検時だけで
なく入学後にも柔軟に進路選択ができるようにしてもらいたい。
○ 自分の人生の選択肢がきちんとある方が望ましいことを考えると、入学した学校に多様な選択肢がある
ことがより大切ではないか。中学生や保護者のアンケート結果からも、「選択する力を育てる教育」を期
待する割合が高く、就職や進学等の多様な進路に応じた学習を選択できることが強く求められている。
≪アンケートの活用と今後の協議の進め方について≫
○ 今回のアンケートは協議会で議論して決めた方法で適切に実施されたもので、その結果については大事
に取り扱うべきである。
○ アンケートは地域の声として重く受け止めなければならないが、この結果は令和7年度の高校のあり方
をどのように考えるかという当事者の意見である。協議会としては令和7年度だけでなく、15年先をみ
すえた視点を大事にしながらアンケート結果を読み取り、議論を進めなければならない。
〇 当協議会では「県立高等学校活性化計画」に基づいて、紀南地域の高校でどのような学びと配置が必要
であるのかを常に意識しながら議論を進めるべきである。
○ アンケート全体をみると、中学生も保護者も、高校には「多様な進路に応じた学習」を求めるなど学習
の選択肢を重視するとともに、「将来を選択する力」、「社会性や協調性・コミュニケーション能力」の
育成を期待している。また、中学生は高校で多くの出会いを期待していることが読み取れ、このような中
学生や保護者の思いを今後の協議において参考にすべきである。
○ アンケート結果からは、地域の中学生も保護者も「進路選択の力」や「主体的に学び続ける力」を育む
教育を期待していることが分かる。この地域の子どもたちに対して、どのような学びと配置によってそれ
らを保障することが可能なのか、具体的な提示をもとに議論を進めてはどうか。
⇒(事務局)次回以降の協議会において、アンケート結果をふまえた具体的な学びと配置のあり方を提
示しながら、さらに丁寧に議論を積み重ね、今年度中には令和7年度の5学級規模の学びについて、当
協議会としての方向性をまとめていきたい。
≪その他≫
〇 当地域は遠くても行きたい学校を選べる地域と違い、通学費用の問題は大きいことを理解してほしい。
高校を選ぶときに重視することに「通学しやすさ」を選んでいる中学生や保護者は、1校に統合すること
で、今まで必要でなかった交通費がかかることを心配している。