1 日時 令和4年8月31日(水)19時00分から21時20分まで
2 場所 熊野市文化交流センター 交流ホール
3 概要
15年先の紀南地域の高等学校の総学級数が3学級規模になることをみすえ、地域の高校がめざすべき教育や役割をふまえながら、前回に引き続いて令和7年度に総学級数が5学級規模になる際に想定される学びと配置のあり方について協議を進めました。また、今後協議を進めていくうえで、地域の中学生や保護者の声を参考とするためアンケート調査を行うこととし、実施時期や対象者、内容等について協議しました。
主な意見は次のとおりです。
≪5学級規模を3学級と2学級にわけて独立した高校として配置する場合について≫
〇 この地域の子どもたちの多くは、小学校から続けている競技を高校でも続けたいと希望しているが、5
学級規模を3学級と2学級にわけて配置すると、地域の高校での部活動は活動しにくくなってしまう。
〇 5学級規模で2校舎を配置する場合は、どちらかの学校をなるべく大きくしたほうが、子どもたちの学
びは活性化すると思う。学校の小規模化が進む中、5学級を3学級と2学級にわけると、今後の中学生の
減少に対応することが難しくなるだけでなく、小規模な2校の高校ができることで、子どもたちの多様な
学びを保証することも難しくなってしまう。
〇 他の地域では高校への通学のしやすさを重視する傾向にあるようだが、通学のしやすさよりも学びの選
択肢を確保するほうが生徒のためには大切である。近くの学校を残すために3学級と2学級にわけること
は反対である。
〇 3学級と2学級の学校で、それぞれが独立して学ぶ教育環境には不安はあるものの、生徒の多様なニー
ズがある中、現在2校がもつそれぞれの校風があり、子どもたちは自分に合う学校選択ができるというメ
リットがある。
〇 3学級と2学級のそれぞれの学校において、独立して学ぶのではなく、校舎制として連携していく方法
も検討してはどうか。紀南地域の高校が統合して1校地での1校となった時、熊野市までの交通費より、
和歌山県への交通費のほうが安くなる地域もあるため、和歌山県の高校が選択肢に入ってくる可能性があ
る。
〇 学級数の減少とともに教員数も減少するため、学びの質の保証という観点では厳しいことではあるが、
高校入学時に学校や校舎を選択できることが大切である。生徒は自分自身で選択することで大きく成長す
るし、また人間関係をリセットすることもできる。
〇 学校を二つに分けると、学校を選ぶ選択肢はできても、双方が小規模校化するため、それぞれの学校内
での学びの選択肢が限られてくるのではないか。
≪この地域の高等学校の学科のあり方について≫
〇 現在普通科2学級である紀南高校の学科を新しく改編して、全国に誇れる魅力ある学科が作れないだろ
うか。普通科にコース制を導入して、生徒の要望に応えられる教育を行っているが、より全国に発信でき
るような学びを考えなければ、生徒数の減に伴って学級数が減ると、生徒の地域外への流出も高まってし
まう。
⇒(事務局)紀南地域の高校がめざすべき教育や役割について、全国に誇れる魅力ある教育活動とは、こ
の地域に住む約250人の子どもたちのニーズにあった学びを充実させることであり、そのような学校を
めざす視点が大切である。
〇 木本高校は全国で最初に設置された総合学科のひとつであり、以前は多くの系列があって、調理実習室
や被服室、プレゼンテーションルームなど施設・設備が残っている。
〇 紀南高校生の進路は専門学校への進学と地元への就職が、木本高校生の進路は大学進学がそれぞれ多い
ため、2校の特色を生かして、木本高校は普通科で進学に特化し、紀南高校は総合学科として就職等に対
応するように、それぞれの校舎で学びを分けるような学科の配置にできないか。
⇒(事務局)紀南高校での総合学科の開設は、施設・設備の面を考えると現状では難しい。ただし、生徒
のニーズにあわせて普通科に選択コースを設置したり、特色ある学校設定科目を開設したりすることが
考えられる。
〇 今後も中学校卒業者の数が増減していく状況において、2つの校舎で学びを分けて行う場合は、子ども
たちの選択肢を十分満たすための望ましい配置のあり方はどのようなものか、慎重に検討することが必要
となる。
≪地域の高校を統合するうえで、今後検討が必要な課題について≫
〇 1つの高校として校舎制とした場合、部活動時の生徒移動については、JRや路線バス等の公共交通機
関では交通費の保護者負担が大きいうえに時間もかかり、現実的ではないため、専用のバスを用意しても
らえるような対策はないのか。
〇 分校化せずに1校地に統合する場合には、通学費用の負担を心配する保護者もいる。通学費用がどのぐ
らいかかっているのかを明らかにしながら議論を進めたい。また、この地域のバスの便数が少ないことも
考慮すべきである。
≪地域の中学生・保護者を対象としたアンケート調査について≫
〇 アンケート調査では、中学生や保護者の切実な思いが託されることも考えられるので、その集計結果に
ついては、協議会としてもしっかりと受け止める必要がある。
〇 アンケートの集計結果は、紀南地域全体だけでなく、市町ごとに集計した結果もわかるようにしてもら
いたい。また、中学生については、高校を選ぶときに重視することや、どのような学習をしたいか等、学
びの選択肢についての意見もきちんと聞きたい。
〇 保護者への説明資料には現在の「県立高等学校活性化計画」についての説明や、当協議会ではどのよう
な協議がなされているのかを、わかりやすく示して保護者の理解を深めたうえで、このアンケートに答え
てもらうようにしてもらいたい。
〇 5学級規模の学校を3学級と2学級の2つの学校とした場合について、それぞれ独立した学校という選
択肢だけでなく、統合したうえで3学級と2学級の校舎で学ぶという選択肢を追加してほしい。