1 日時 令和3年8月20日(金)19時00分から21時00分まで
2 場所 オンライン実施
3 概要
次期「県立高等学校活性化計画」の策定に向けた動きや紀南高校の活性化取組の総括的な検証、木本高校
の取組等を共有し、今後の中学校卒業者数の減少や当地域を取り巻く高校の現状や課題をふまえ、これからの紀南地域の子どもたちの学びや県立高校のあり方について協議しました。
主な意見は次のとおりです。
≪紀南地域の高校のあり方について≫
〇 紀南PTA連合会では、当地域の過疎化を防ぐには地域の産業構造の改革に取り組む必要があると考え
ており、そのためには、ICT 教育の充実や、地元での安定した就業の確保、大学進学者が帰郷を望むよう
な地域の活性化に取り組む必要がある。なお、今年度は、保護者約2000人を対象に、紀南地域の高等学校
のあり方等についてアンケートを実施する予定である。
〇 紀南高校は、時代のニーズをふまえ地域に根差した取組を進めているが、地域の中学生や保護者は伝統校の木本高校を目指す傾向がどうしても強い。木本高校の令和2年度の四年制大学への進学実績は65人で、大学進学のニーズとしては2学級規模に相当する人数となっている。進路を検討するにあたって、木本高校の普通科に対する進学校のイメージと多様な進学実績等の現状にギャップを感じる中学生や保護者もいる。
〇 小規模になることで、これまでの地域に根差した学習活動や部活動を行うことがさらに難しくなることが予想される。
〇 木本高校は、大学への進学希望を実現できる地域の高校として、普通科3学級・総合学科1学級で教育活動に取り組んでいるが、学級減に伴う教員減により、教育活動をこれまでと同様に行うことが難しく なっている。今後、部活動の顧問が確保できないだけでなく、科目数の多い地理歴史・公民科や理科の教員の配置が難しくなり、その結果、生徒の選択の幅が狭くなっていく。
〇 約50名の地域外への流出に歯止めがかかれば、2校存続も考えられるのではないか。コロナ禍の影響で地域に魅力を感じ、地方の学校を積極的に目指す傾向が強まることも考えられる。紀南高校の県外生徒を受け入れる定員を拡げてはどうか。
⇒(事務局)現在の入学者選抜では、県内すべての小規模校で定員の5%を上限に県外生徒を受け入れる制度を実施しているが、実際には一部の学校を除いて入学者はほとんどいないのが現状である。加えて希望者を募るにあたっては、学びの充実や受け入れのための環境整備と併せて考える必要がある。
〇 紀南高校は、コミュニティスクールとして教職員も一生懸命に取り組んでいる。教職員の話から、多様な学力の生徒や、特別な支援を必要とする生徒も在籍している中、教員数が減少し学校も無理していることがうかがえる。同窓会としても、ほとんどの者が何が何でも学校を存続させてほしいとは思ってはいない。2校存続させることによりできるだけ幅広く学力保障、進路実現ができる体制を目指してきたが、仮に紀南高校が1学級になったときに、子どもたちにとって本当にそれでいいのか真剣に考えている。一 方、もし木本高校に統合された場合には、紀宝町の子どもたちは通学に困ることになり、子どもたちのために地域としてどうすればいいのか悩ましい。ただ、紀南高校が地域からなくなると、紀宝町の中学校卒業者が、和歌山県に流れてしまうのは間違いない。
〇 子どものことを第一に考えると、統合が必要だと考える。地元の者が話すとどうしても木本高校寄り・紀南高校寄りの考えになってしまうので、県主導で統合の方向性を出したうえで、その後ハード面、ソフト面をどうするか考えるべきではないか。地域全体の中学校卒業者数が、3、4学級規模になる前に先に統合をすべきだと思う。