1 日時 令和4年1月14日(金)14時30分から17時10分まで
2 場所 三重県勤労者福祉会館 研修室
3 概要
計画進学率や公私比率の方向性など、次期提言に係る検討事項について個別に議論をした後、提言案
「令和9年度までの募集定員の公私比率等について」について協議を行いました。
主な意見は次のとおりです。
(1)県内全日制高校入学見込み人数の算出に用いる計画進学率について
○ 新しい計算方法にすると、現行の計算方法と比較して計画進学率が0.5ポイント程度下がるという
ことだが、この値が適切だという根拠は何か。
→(事務局)平成29年度以降は、計画進学率と実績進学率との差が2ポイント以上となったので、それ
以前と同じくらいの開きになるよう見直しをした。
○ 計画進学率を実績進学率に少しでも近づけていくという新しい計算方法は納得できる。
○ 計画進学率を下げると、中学校卒業者数の減少以上に募集定員を減ずることが必要となり、その結
果、受験生の不安が高まり、実績進学率の低下をまねく恐れがある。公私双方がこれまで以上に募集定
員を減らすことで、将来全日制高校への進学率が他府県と比べて低くなるようなことは避けるべきだ。
○ 計画進学率と実績進学率との乖離が大きくなっていたことで、欠員が出るなど私学が不利になる部分
があった点を是正しようと、検討部会での意見をふまえて考えられた計算式であり、将来的にも望まし
い値であると考える。
○ 令和5年度からの3年間は、受験環境の大きな変化を避けるため、4年分の希望値と1年分の実績値
を使うということなので、この3年間での検証が必要である。
○ 12月希望調査を用いて生徒の思いを重視する観点と、公私で安定して子どもたちの進路を保障し、
発展させていくという観点の両方をふまえた案である。また、実績進学率は、全日制高校を希望してい
たけれども結果的に進路を変更した例も含むので、子どもたちの思いや願いにかなった数式になってい
るのか定期的な検証が必要である。
○ 何人かの委員の発言にもあったとおり、この新しい計算式が子どもたちにとって適切なものとなって
いるかどうか、毎年度の公私協の場で検証しながら進めることとしてはどうか。
(2)各地域の流出入の状況と募集定員について
○ これまでも、各地域の中学校卒業者数の増減や地域間の移動をみて学校別募集定員を策定しており、
今回の案で策定方法が大きく変わるわけではない。
(3)今後の公私比率の方向性について
○ 令和2年度以降は、募集定員の重なり部分の入学者が公私双方へ流れているということは、現在の公
私比率が適正であることを示しているといえるのではないか。
○ 検討部会の直接的なテーマではないかもしれないが、生徒が公私均等に高校を選べるようにという観
点から、就学支援金のさらなる拡充についてもどこかに記述することはできないか。
○ 県立高校と異なり、私学はそれぞれの学校が1つの企業体なので、公私が同じ割合で定員を減らすの
は難しい。「私学の経営に配慮する」という表現を入れてほしい。
○ 令和9年度の公私比率の見込みについては、私学に対する一定の評価が反映されていると感じるが、
「見込まれる」という表現については、偶発的な印象をうけるので「目標とする」や「方向性とする」
という表現にしてほしい。
○ これまでの提言においても、方向性については「今後の公私比率を確定的に定めるものではない」と
しており、今後もさまざまな状況をふまえながら、毎年度丁寧に協議を重ねて策定していくとしている
ことから、「目標」とするのは望ましくない。
○ 「公私が協調して募集定員の減少に対応する」について、公私双方で担うのは当然だが、もう少し柔
らかい表現で「募集定員を設定する」としてはどうか。公私比率の値については、いろいろな要因があ
り、子どもたちのニーズに応えた結果としてそのような比率になるということなので、目標値ではなく
「見込まれる」のままでよい。
○ 公私が協調して、子どもファーストで学びの維持・充実について議論をする中で、経営も大事な観点
だと思うが、前面に出ないほうがよい。
○ 私学側にとっても、子どもたちの高校での教育環境の充実が第一であるが、県立高校とは異なり、私
立高校が教育環境を整備するには、ある程度の生徒数が必要となることから、経営の観点も理解してほ
しい。
(4)提言案について
○ 人口規模が近い都道府県の公私比率が70:30であることについて記載してもらったことは評価し
たい。だから本県でも同じ比率にしてほしいということではないが、70:30をめざすことが突飛な
意見ではないことを理解してほしい。「令和10年度以降の公私比率について」の部分にも、人口規模
が近い都道府県の公私比率を参考にしていくことを記述してもらえるとありがたい。
○ 私学経営という文言を前面に出してほしいのではなく、子どもの学びの環境や選択肢の充実を図るた
めに「私学の経営の安定化」という文言をどこかに入れてほしい。
○ 私学の経営については、生徒数のみに頼るのではなく、行政の支援も必要ではないか。また、県立高
校においても適正な生徒数についての議論が必要である。数合わせの議論ではなく、全国に誇れるよう
な高校教育を公私が競い合って実現していくというような表現を入れ、将来を見据えた提言としてほし
い。
○ 本県の特色である公立と私立が協調して協議を行ってきた経緯をふまえ、「公私が協調して協議し」
としてはどうか。私学の経営に係る記述については、平成25年度の検討部会において、企業経営に詳
しい方にも委員に入ってもらい議論したが、まとめとしては子どもたちの進路保障を前面に出した表現
になった。提言が県民の理解を得るためにも、私学経営については前面に出さない方がよい。
○ 子どもたちが、自分たちの進路は私学の経営状況に左右されていると誤解する表現では残念である。
私学経営が良好であることは大事であるが、「経営の安定も図りながら」という文言も入っており、公
私比率の推移を見ても実際に私学に配慮していると感じる。今後も公私が現状をふまえてしっかりと議
論し、子どもたちに選ばれる高校をつくっていくということを記載してほしい。
○ 公私が互いに協調して協議を進めてきたことが、これまでの結果であり、今後の方向性でもあるの
で、このことについては、何らかの表現で残しておきたい。