1 日時 令和2年9月17日(木)19時00分から21時00分まで
2 場所 三重県伊勢庁舎401会議室(伊勢市勢田町628-2)
3 概要
これまでの協議会での協議、高校生の現状や国の教育改革の動き等を共有し、今後の中学校卒業者数の減少等、当地域を取り巻く県立高校の現状や課題をふまえ、これからの高校生に育みたい力や地域の県立高校のあり方について協議しました。
主な意見は次のとおりです。
≪これからの高校生に育みたい力について≫
○ 三重県の県立高校においては、新学習指導要領にある「生きる力」、及び三重県教育ビジョンにある「生き抜く力」が各校に共通する育みたい力であると言える。加えて職業高校においては「社会の一員として働ける力」や「一生学び続ける向上心」を養うことが大切である。
○ 生徒がより興味を持ち、主体的に学べる教育内容や方法を工夫してほしい。魅力ある授業こそが魅力ある学校につながり、ひいては生徒も多く集まる学校となるのではないか。
〇 地域への愛着心を育ててもらいたい。高校生が地域について学習して愛着心をもつことで、卒業後に進学や就職で一度地元を離れても、いつか地元に帰ってきたいという思いを育てることが大切である。 ○ 今後AIが人間の知能を追い越していくと言われている中で、現在の教育も変わる必要がある。「高校生自身が自分は何を、なぜ学ぶのかを自発的に考えられる力」を、小中学校で育て、生徒一人ひとりが自ら高校を選びとる力をつけることが大切である。それが一生学び続ける力をつけることにつながる。
〇 小中学生だけでなく、高校生も学校の授業の中で社会での実体験を積むことによって学びが広がり、将来職業を主体的に選択できる意識を育むことができる。
≪地域の県立高校のあり方について≫
○ これからの地域の県立高校のあり方を考える場合には、今までの枠や考え方にとらわれずに新しい発想が必要である。大幅な大学入試の改革、1学級40人以下の少人数教育、オンラインを活用した小規模校での学び等の様々な知恵を出していけば、子どもたち一人ひとりに充実した学びを保障できる夢のある将来像も見えてくるのではないか。
○ 地域の高校は活性化に取り組んで魅力ある学校づくりを進めており、それぞれの高校には多様な個性や幅広い学力に対応するなど、それぞれが果たす役割や存在価値がある。今後更に少子化が進んでいくなかで、子どもたち一人ひとりはより貴重な人材となるのだから、小中学校において進んでいる少人数教育を高校においても積極的に推進すべきである。
○ 鳥羽・志摩・度会地域の小規模校での活性化の取組により、その高校でしか体験できない少人数による教育内容が充実しつつあるが、教員数の減少もあり高校への負担も大きく、今後の少子化の中では、さらなる人員や予算の支援がない限り学校現場の努力だけでは限界がある。現実的には伊勢志摩地域の高校の現状は限界に近く、さらなる大幅な予算拡充策等が不可能な場合は、学校現場に任せるのではなく県教育委員会が主導して学校の再編も含めた判断や決断を早期に行うべきである。
〇 伊勢市内の専門学科設置校の3校は、来年度にはすべて1学年4学級規模となるが、これ以上の小規模化は教員数をはじめとする専門性や多種類の部活動の維持などに影響を及ぼし、学校全体の活力がなくなると危機感を感じている。専門学科設置校の再編・統合を視野に入れるなど、伊勢市内の高校のあり方も検討するべきと考える。
〇 急激な人口減少の中で、小規模校において地域の子どもたちを少人数で育てていくことは大切であるが、その維持にはオンラインを活用するなど、様々な知恵やアイデアが必要である。例えば、当地域で進めてきた地域課題解決型の学習を伊勢市内の高校でも実施していくことで、伊勢志摩地域全体で連携し、将来当地域で活躍できる人材を地域全体で育てていく教育システムを構築することができる。
○ 伊勢志摩地域には、大学進学を主な目的とする普通科、職業人の教育を主な目的とする専門学科の学校がある。加えて、総合学科の位置づけがもっとはっきりすれば、生徒が集まりやすくなる。
※ 地域の県立高校の魅力を伝えるための「伊勢志摩地域高等学校進学フェスタ」については、新型コロナウイルス感染拡大の現況に鑑みて、令和2年度は地域でのイベント開催を中止し、各県立高校Webページを紹介するチラシを地域の中学生・保護者に配付するという原案が承認されました。
※ 次回は、地域の小規模校と伊勢市内の高校のあり方について、引き続き協議を進めます。