1 日時 令和5年7月25日(火)19時00分から21時25分まで
2 場所 三重県伊賀庁舎 大会議室
3 概要
地域の少子化のさらなる進行により、令和4年度に生まれた子どもたちが高校へ入学する15年先には、
伊賀地域における1学年の総学級数が現在の25学級規模から12~14学級規模となることが見込まれる中、
当協議会の「令和元・2年度の協議のまとめ」や令和3年度と4年度の協議をふまえ、当地域における県立
高校の学びと配置のあり方について協議しました。
主な意見は次のとおりです。
≪県立高校の学びと配置のあり方について≫
○ 多様な選択肢をできるかぎり地元で提供するという意味では、今ある5校を維持することが望ましい。
地域の学校を活性化させて、伊賀地域の子どもたちが、他の地域に出て行かなくても自分の希望に応じて
学べる環境を整えられるようにしたい。
○ これまでも当地域への流入を増やしたり流出を防いだりするために、各学校が魅力ある学校づくりを
行ってきたが、それでも流出しているのが現状だ。15年先には、現在の1学年25学級規模から12~14学
級規模になる中で、5校のままであれば、各学校とも2~3学級ずつ減らさなければならない。そうなる
と、例えば上野高校は6学級から3学級になり、あけぼの学園高校はなくなることになる。この地域の子
どもたちのニーズにより的確に応えるには、どのくらいの学級規模の高校が望ましいのかを議論すべき
だ。
○ 鳥羽高校や志摩高校、南伊勢高校は、令和6年度の入学定員が1学級となるが、1学級でも活性化でき
るのか。
⇒(事務局)伊勢志摩地域では、協議会を令和4年度に6回開催し、専門学科の学びの選択肢や普通科の
一定規模の維持を基本としつつ、地域の小規模校が担ってきた役割やニーズをふまえ、令和6年度の生
徒減については、できるかぎり統合ではなく学級減で対応することが望ましいとする方向性がとりまと
められ、これをふまえて令和6年度の入学定員を策定した。1学級規模でも充実した学びを実現してほ
しいという協議会や地域の要望をふまえ、各校では可能な限りの活性化に取り組んでいる。
○ 学校が小規模化すると、部活動の維持は難しくなる。例えば合同チームで県の大会に出場したとして
も、競技によっては東海大会や全国大会ヘの出場権を得ることはできない。また、教員数も減るため、芸
術や家庭など授業時間数の少ない教科では、専門の教員を常勤で配置できなくなる。
○ 伊賀南部から津方面への多数の流出者をいかに減らすか、あるいは亀山方面から伊賀北部への流入者数
をどう増やすかによって、再編や統合の方向性も影響を受けるのではないか。
○ 他地域への流出は、高校と地元小中学校の連携だけでは解決しない。伊賀地域の高校のあり方について
は、北部と南部に分けるのではなく、地域全体で考えるべきである。
○ 子どもの数の減少と、他地域への流出者数が多いという伊賀地域の大きな2つの課題をふまえると、学
びの選択肢を維持するのは統合なしでは難しい。
○ 外国につながりのある子どもや家庭環境が厳しい子ども、集団の中では授業を受けることが難しい子ど
もが、進学をあきらめてしまうことだけは避けなければならない。
○ 統合しても校舎制にするとか、統合する学校の学びは他の学校で引き継ぐなど、具体的な選択肢を事務
局が複数出したうえで、手遅れになる前に十分議論を尽くすべきである。
≪高校の特色化・魅力化と情報発信等について≫
○ 令和4年度は伊賀地域では入学者数に欠員がなかったが、令和5年度はあけぼの学園高校と名張高校で
欠員が生じた要因について、どのように分析しているか。
⇒(事務局)全日制高校の募集定員総数については、地域ごとに算出する全日制高校への入学見込みを考
慮して募集定員を策定している。伊賀地域の県立高校全体では、これまではその見込み人数に近い入学
者数を保っていたが、英心高校桔梗が丘校をはじめとする通信制高校への進学者の増加などにより、欠
員が生じたと捉えている。
○ 英心高校桔梗が丘校の入学者数が増えているのは、子どもたちのニーズを満たしているからである。志
願者が増えている学校を活性化のヒントにすべきだ。
○ 他地域から伊賀地域への流入者数を増やすための工夫は、地域の高校の魅力化にもつながる。
○ 不登校を経験した生徒にとって、少人数で丁寧なサポートをしてもらえる通信制高校は魅力である。
一方で、全日制高校でこのような指導を実現するためには、地元企業や地域の方の力を活用していく必要
がある。
○ 消極的な方向ではなく、未来から発想するようなアイデアで活性化を考えたい。例えば、地域における
メタバースでの学校連携の枠組みを構築し、名張高校の教室にいながら上野高校の学びが体験できるな
ど、双方向の学びができれば、通学手段や費用、教員数についての課題も解決するのではないか。
○ 伊賀地域の高校がまとまって授業体験や説明会などを行えば、地元の高校の魅力をより感じられるので
はないか。
○ 伊賀地域の高校もそれぞれ特色があるので、部活動も含めて、あの学校に行ってこんなことをやりた
い、こんな学びをしてみたいなどの思いを、小学校段階から抱かせるような仕掛けが大切である。
○ 自治体の通学費の補助制度だけではなく、伊賀鉄道やJRなど公共交通機関の利便性を高める取組につ
いても情報提供してほしい。
○ 協議会で出された意見は、関係する自治体などに伝えてほしい。