1 日時 令和5年2月14日(火)19時00分から21時00分まで
2 場所 県伊賀庁舎 大会議室
3 概要
少子化により、伊賀地域の県立高校の総学級数が令和5年度の25学級から令和13年度には19~20学級規模となり、その先もさらなる学級数の減少が見込まれる中、「令和元・2年度の協議のまとめ」や「県立高等学校活性化計画」をふまえ、これからの当地域の県立高校における学びと配置のあり方について協議しました。
主な意見は次のとおりです。
≪当地域の県立高校における学びと配置のあり方について≫
○ 子どもたちの学びのためには小中学校と同様に高校も統合して、一定の学級数を確保する必要がある。
その際は、志願者が増加している英心高校桔梗が丘校や他地域の高校の活性化の事例も参考にしながら、
今後の地域の県立高校の特色化・魅力化を考えていく必要がある。
○ 不登校の子どもたちが増加傾向にあることから、個別最適な学びや少人数指導へのニーズが高まってい
る。また、通信制課程へのイメージも前向きに変化してきており、学びの多様化を感じている。
○ 現場の教員としての立場から今後の地域の高校のあり方を考えると、生徒一人ひとりの様々なニーズに
応えられるよう、特色ある学びを残すことが大切であると考えている。
○ 伊賀地域の専門学科や総合学科の高校では、多様な関係者の協力を得て、地域と協働した学びを推進し
ているが、それが高校を選ぶ直接的な理由になっているのかは再考しなければならない。就学支援金によ
り公立と私立との間の経済的負担の差が少なくなることが、生徒の動向にも影響を与えている。
○ 伊賀地域の普通科高校では、探究的な学びを進めるうえで地域から様々な教材や調べ学習の場を提供い
ただいたり、地域の小中学校や施設への出前授業、企業との協働、市政への政策提言などを行ったりして
いる。大学卒業後に地元に戻るなど、将来の伊賀地域を支える人材として期待されていると感じている。
○ 小学校6年生の子どもたちが高校生と交流する人権学習の機会を通じて、高校に強い憧れを抱く児童も
多かった。キャリア教育の一環として、小中学生が高校生と交流し、地域の各高校の魅力を知る取組も大
切ではないか。
○ 当協議会の役割は、高校の魅力化についての協議と、その協議を積み重ねた協議会のまとめへの承認で
はないか。伊賀地域から人が離れていくのを防ぐためには、他地域にはない行政の施策が必要であり、学
校活性化と地域活性化が両輪となることが大切である。
○ 隣県でも少子化の進行により高校の統廃合や志願者の増加をめざした取組が進められている。学校の魅
力化には独自性が大切であり、他地域へ流出している中学校卒業者の半数でも取り戻せれば、高校の小規
模化に歯止めをかけられる。
○ 県境に接する伊賀地域においては、県外の生徒や高校との関係も影響するが、県外志願者の受け入れに
関する状況は現在どうなっているのか。また、10~15年先を見据えた場合には、その条件を緩和して
県外からも志願者を集める方向性は考えられないか。
⇒(事務局)公立高校にはその自治体に居住する生徒が進学することになるが、交通不便地においては、
県同士が協定を締結して県境を越えて志願できる場合もある。県外からの生徒募集については、公立高
校の全国募集を推進する「地域みらい留学」などの取組もあるが、県内中学生の進路保障の観点が重要
となるため、県外からの生徒募集については慎重に議論する必要がある。
≪今後の当協議会での協議について≫
○ 以前から伊賀地域の県立高校のよさが中学生や保護者にうまく伝わっていないと言われている。将来を
見通した議論に加え、各学校のPRをしっかりすべきだ。
○ 先を見据えた議論は大切であるが、時間はすぐに過ぎてしまう。次年度の協議では、事務局から何らか
の方向性を具体的に示してもらいたい。
○ 次年度は、各高校のより詳細な情報をまとめた資料を共有し協議したうえで、それらをふまえた具体案
を事務局が提示してはどうか。また、その際、より協議が深まるよう複数の案を提示してほしい。
○ 今後、松阪地域や津地域など他地域でも協議会で協議が始まっていくと聞いている。伊賀地域は高校進
学時に地域を越えた生徒の移動が多い地域であるため、協議の資料として地域間の移動に関する情報を提
供してもらいたい。
○ 人口減少の中、学校と地域には共通の課題があるように思う。協議にあたっては、地域の自治体やまち
づくり協議会からのアイデアや意見ももらえるとよいのではないか。
○ 現中学3年生の12月進路希望状況調査において、伊賀地域の県立高校を希望する地元の中学生の割合
が7割を下回っていることは衝撃的であり、伊賀市と名張市で10ポイント以上の差がある。次年度の協
議では、この資料についても伊賀北部と南部という区分で提供してもらいたい。
○ 今後の高校のあり方を考えていくためには、実際に高校に入学する子どもたちのニーズを把握すること
が大切であり、令和5年度から6年度にかけてアンケート調査を行ってはどうか。