平成30年度第2回三重県教育改革推進会議を開催しました。会議の概要は以下のとおりでした。
1 日時 平成30年10月9日 火曜日 13時30分から15時00分まで
2 場所 三重県農協会館 5階 大会議室
3 出席者 三重県教育改革推進会議委員9名(中田委員、森委員、山田委員の3名が欠席)
4 概要
2030年頃の社会の変化を見すえて、本県の教育が目指す方向性について審議を行いました。
5 主な意見
・今の子どもたちのメディアの関わり方は、一方通行型(DVDなど)と双方型(SNS、ユーチューブ等)になっており、欲しい情報を自分で取捨選択できる時代となってきた。従来型の学習方法ではなく、SNSをうまく活用しながら、子どもたち同士が互いに教え合う仕組み等を学校教育に取り入れてはどうか。
・教育改革には、「現状点検」と「将来展望」の2つの視点が必要である。また、国が進めている「Society5.0」と「人生100年時代における人づくり」の方向性は、今後の教育のあり方を考えていく上で避けることはできない。
教育ビジョンを検討していくにあたり、(1)リカレント教育、キャリア教育のリニューアル(企業や行政が再教育の機会をどのように提供できるか)、(2)生涯にわたって学ぶ基盤をどうつけていくか(基礎学力、課題探究・課題解決力などの非認知能力を学校教育でどうつけていくか)、(3)ICT活用能力やデータサイエンス能力、統計教育(AIをどう使うか、どう用いるかを考える教育)を今から考えることが必要である。
・子どもたちの姿は大人の姿の反映である。学校であれば、教師自身がどう変わらなければならないのかが重要である。しかし、学校の現状は、教員の多忙が叫ばれる中、予算がない中で成果を出さなくてはならず、現場の教員が疲弊していることが課題である。
・スマホはものすごいスピードで子どもたちに浸透している。子どもたちがスマホを持つことの是非を問うのではなく、スマホを持っている前提で考える必要がある。AI等の新たな技術と共存するために子どもたちに持たせたい力は、読み解き対話する力や思いやる力であるが、コミュニケーションの方法が電話や対面によるものから、ネットやメールに変わり、親や地域の人がやり取りしている場面を耳にする機会が減ったことから、日本語力が弱い子どもが増えている。これまでは家庭や地域で担っていた部分が学校にゆだねられることが増えたように思う。
・家庭環境が大きく変わってきており、人と向き合う時間がとても少なくなり、コミュニケーション力が弱くなってきている。学校教育の中で家庭、地域を一体に巻き込んだ教育の仕組みを作り込む必要がある。
・教育には不易と流行があり、流行の部分に議論が集中しがちだが、不易の部分も大切なのではないか。また、「新しい時代に合った」心を育む教育に力を入れて議論をしていきたい。
・子どもたちはいろいろな経験をすることで、判断力・人間力が育まれていく。子どもたちが自分がやりたいと思うことを判断する材料を与えてあげるのが教師の仕事である。
・中小企業では融通の利かないスペシャリストより何でもできる人間が重宝される。人材が少ない中でどのようなことでも自分で対処し、判断できる人が求められる。
・乳幼児のいる母親が社会から孤立してしまうことがある。母親自身が社会や地域コミュニティに参画していないと、その子どももコミュニケーションの方法を学ぶことができず、学校に入ってから孤立してしまうことがあるのではないか。人と人とのコミュニケーションができるコミュニティ作りが必要である。
・本県では、外国人児童生徒が今後もっと増加することが予測される。家庭において、十分に日本語が取得できない子どもたちに対してどう向き合っていくのか、という視点も大切である。