三重の教育の改革に関する重要な事項を調査審議するため、第3回三重県教育改革推進会議(全体会)を下記のとおり開催しました。
1 日時 平成26年10月2日(木) 9時30分~12時05分
2 場所 プラザ洞津 「高砂の間」(津市新町1丁目6-28)
3 議題 (1)次期三重県教育ビジョン(仮称)の基本理念について
(2)次期三重県教育ビジョン(仮称)の重点取組方針(仮称)、施策体系について
(3)その他
4 出席者 三重県教育改革推進会議委員17人(3人欠席)
※会議は公開で実施しました。
5 概要
(1)次期三重県教育ビジョン(仮称)の基本理念について
基本理念(三重の教育宣言(仮称))について審議しました。主な意見は次のとおりです。
・学力や心を「育てます」という表現よりも「育みます」と表現する方が適切ではないか。
・宣言する主体である「私たち」を県民全体と定義しているが、大人だけを指すのか、それとも子どもも含めた全ての県民を指すのか、「県民」の定義を明確にする必要がある。それによって教育宣言の文の結びを「育てます」にするか「育みます」にするかも決まってくる。
・「三重の教育宣言」の内容を支持したい。子どもたちも読めるように難しい漢字を使わないような配慮も必要ではないか。
・「健やかな体」という表現については、障がいのある方もいるので、誤解を与えないよう十分配慮する必要がある。
・「健やかな体」という表現について、個々に応じた健やかさがあり、障がいがあってもその人なりに努力していくことを「健やか」と捉えればよいのではないか。
・教育宣言の中に「教職員がやりがいを持って子どもたちと向き合える環境を創ります」とあるのは違和感がある。
・教職員が元気でなければ、子どもも元気にならないため、教職員への支援を宣言することは、必要なことである。
(2)次期三重県教育ビジョン(仮称)の重点取組方針(仮称)、施策体系について
耳塚委員から「学力格差を考える」と題し、文部科学省の委託調査で行った平成25年度全国学力・学習状況調査の分析結果等について、話題提供がありました。概要は次のとおりです。
・家庭の所得や保護者の学歴が高い家庭の児童生徒の方が、そうでない家庭の児童生徒よりも各教科の平均正答率が高い。
・親子で行う文化的活動は学力にプラスの影響力があり、特に読書活動は強い影響力がある。
・学力は主に家庭の所得・保護者の学歴と、児童生徒の学習時間により決定されるが、もっとも大きな要因は、家庭の所得・保護者の学歴である。
・しかしながら、教育施策や学校での取組も大切である。厳しい条件の下でも高い成果をあげている学校もあり、それらの学校では、自主学習の指導や教科を超えた授業研究など共通した取組が行われ、効果をあげている。
耳塚委員の話題提供を踏まえて、重点取組方針(仮称)、施策体系について審議しました。主な意見は次のとおりです。
・子どもの学力と家庭の所得が相関するなかで、三重県の経済力は全国的に高いにもかかわらず、学力が低いことについて、皆が危機感を持つべきである。
・三重県は全国と比べかなり通塾率が高いにもかかわらず、学力が低いことについては、塾等にまかせきりにしている保護者にも責任があるのではないか。
・学力向上について、企業も含めた県民総参加の機運をさらに盛り上げるべきはないか。また、学力の向上につながる明確な目標を設定して取り組むべきである。
・これまでの取組が学力の向上につながっていないことについて、学校現場はしっかりと見つめ直す必要がある。
・重点取組方針(仮称)に「グローカル人材の育成」とあるが、「グローカル」という言葉は、認知度が低いため、ビジョンの中で使うのは慎重であるべきではないか。
・重点取組方針(仮称)の項目名については、何に注力するのかを考えたうえで名称を検討してはどうか。