ポジティブリスト制とは
近年の輸入食品の増加に伴って、輸入食品の安全性に対する国民の関心が高まってます。食品中に残留する農薬、動物用医薬品、飼料添加物については、食品衛生法に基づいて、その量の限度(残留基準)が定められていますが、現行制度では、残留基準が定められていない農薬などを含む食品の流通に対する規制は困難です。このため、今回、残留基準が設定されていない農薬、動物用医薬品、飼料添加物が残留する食品の流通を原則として禁止する措置(ポジティブリスト制)が導入されることになります。
一方、国内で食用農作物に使用できる農薬については、農薬取締法に基づき、約350の農薬について登録がありますが、食品衛生法で残留基準が定められている農薬はその約半分に留まっています。また、国際的に食用農作物に使用が認められている農薬は約700あるとされていますが、食品の残留基準が定められている農薬は229です。ポジティブリスト制への移行に当たって、このような基準が設定されていない状況を改善するため、国際的な動向等を参考にしつつ、必要な残留基準が早急に整備される必要があります。こうした準備も踏まえ、施行される時期は、平成15年5月30日から3年以内の政令で定める日とされています。