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平成21年02月24日

食品衛生何でも相談

異物混入事例紹介

1 製造中の異物混入

(1)使用器具由来

【事例1-1-1】和菓子の餡に針金状の金属製異物が混入

異物 針金状の金属製異物
食品 和菓子
原因  小豆を煮る釜の洗浄に使用している金属たわしの繊維が釜の洗浄作業中に千切れ、そのまま餡の製造が行われたために、餡の中に混入した。釜の使用前の確認が不十分であったために金属たわしの破片が除去されず残存したために発生した。
防止対策  釜を洗浄後に目視確認を徹底する。金属たわしの使用中止。金属探知器の導入(未導入施設の場合)。

※ 類似した事例で、攪拌機の洗浄に使用するタワシの毛が抜け落ち、最終製品の生和菓子に混入した、というケースもあります。

【事例1-1-2】和菓子に針金が混入

異物 長さ約2cmの針金
食品 和菓子
原因  原料の小麦粉を自動計量する際に金網上で攪拌し篩にかけており、この金網が摩耗により破損して混入した。
防止対策 作業前後の自動計量器の点検徹底。金属探知器の設置。

異物画像

長さ約2cmの針金

【事例1-1-3】スナック菓子に、破れた布の切れ端のような繊維質の破片が混入

異物 繊維質の破片(破れた布の破片)
食品 スナック菓子
原因  製造ライン清掃に使用するクロスが、清掃作業時に破れてライン上に残ったものが製造前に取り除かれず、製品と共に包装されました。清掃用クロスは従事者各人に支給し、交換時期等は各個人で管理していた。
防止対策  作業者に支給しているクロスの交換は担当により巡回チェックを行って判断する。製造開始前のラインのチェックを徹底して行う。

【事例1-1-4】焼洋菓子に半透明の合成樹脂製の糸状異物が混入

異物 半透明、合成樹脂製の糸状異物
食品 焼洋菓子
原因  製造段階で、製品を焼く鉄板には離型油を塗布するが、塗布に使用しているブラシの毛が抜け落ちて鉄板上に残存し、そこへ菓子の生地が入れられてブラシの毛が混入し、そのままの状態で焼き上げられた。
防止対策  生地を鉄板に入れる前及び入れてからの目視検査の強化。抜けにくい構造、材質等、使用するブラシの改善。 

【事例1-1-5】サラダに無色のポリエチレン製手袋が混入

異物 無色のポリエチレン製手袋
食品 惣菜(サラダ)
原因  ポテトベースとカット野菜の混合中に、使用していた使い捨て手袋をボール内に置いた状態で作業を中断した。その後、手袋がボール内に入っていることに気付かないまま混合作業を再開し、盛り付けてしまった。
防止対策  混合時のしゃもじの使用。色付きポリエチレン製手袋への変更。使い捨て手袋の再使用禁止の徹底。

【事例1-1-6】調理パンに針金状の金属異物が混入

異物 長さ1cm、太さ0.3mmの針金状金属異物
食品 ハムかつサンドイッチ
原因 ハムカツを揚げる工程で使用している金網タイプのザルが破損し混入した。
防止対策 金網タイプのザルをパンチタイプのものに変更。

異物画像

針金状金属異物

【事例1-1-7】ケーキのクリーム部分に糸屑状の異物が混入

異物 糸屑がより合わさったような異物(複数がかたまって混入していた)
食品 デコレーションケーキ
原因  クリームをホイップする際に使用するオートミキサーの回転昇降ハンドルノブに巻き付けられていた衛生タオルが千切れて混入したものであった。衛生タオルとは、木綿タオルに次亜塩素酸ナトリウム200ppm溶液を湿したもので、ハンドルノブへはサニタリー目的で巻き付けていた。
防止対策  ハンドルノブをアルコール消毒に変更(衛生タオルの使用中止)。衛生タオル使用時にはほつれ等の有無を確認。

異物画像

糸屑がより合わさったような異物

(2)昆虫類の混入

【事例1-2-1】豆腐にゴキブリが混入

異物 ゴキブリ
食品 豆腐
原因  製造ラインのうち、凝固剤を添加する分配製造器の混合攪拌用バケットが一部開放しており、そこからゴキブリが凝固前の豆乳内に混入した。
防止対策  施設の防虫対策の見直し。施設の防虫対策強化及び製造ラインへの昆虫侵入防止対策。

【事例1-2-2】洋菓子の底の部分に、生地に埋まるようにして虫が混入

異物 虫(ホソヒラタムシ科の成虫)
食品 洋菓子
原因  施設内では、原料保管場所と製造場所の区分がされておらず、生地加熱場所と隣接していた。そのため、原料保管場所から製造場所へ虫が侵入し、加熱工程で生地に付着したまま製造された。なお、当該施設では、原料保管場所で幼虫が採取されている。
防止対策 防虫対策の徹底。定期的な害虫駆除の実施。

【事例1-2-3】ハエ類の混入について

異物 ハエ、小バエ
食品 惣菜(サラダ、煮物等)、弁当、調理ご飯(丼物)等
原因  施設内に侵入したハエ、小バエ類が、惣菜や弁当等食品の製造過程で混入、或いは盛り付け後容器に蓋をするまでの間に混入。
防止対策 施設内の防虫対策。作業中の目視確認。

(3)従業員由来

【事例1-3-1】毛髪の混入について

異物 毛髪
食品 惣菜類、寿司(持ち帰り)、生洋菓子、豆腐、魚肉練り製品等
原因 1.従業員から、或いは、従業員の服に付着していた毛髪が落ちて食品に直接混入。
2.製造時に食品を入れる器具や容器に毛髪が入り、食品内へ混入。
防止対策 1.帽子着用による毛髪落下防止。作業時の衛生的な服装の徹底。入室時のローラー掛けの徹底。包装時の目視確認の徹底、原料や製品の保管容器のカバー設置及び管理の徹底。
2.作業前の器具及び容器類の目視確認の徹底。

【事例1-3-2】飲食店で食べていたスパゲティに絆創膏が混入

異物 使用済み絆創膏
食品 スパゲティ
原因 従業員の指に巻いていたものが外れた。
防止対策 調理作業時の手袋の着用。

(4)製造ライン由来

【事例1-4-1】スナック菓子に白色毛糸状繊維が混入

異物 白色毛糸状繊維
食品 スナック菓子
原因  菓子のフライ工程後にある搬送コンベアが蛇行したため、ガイド板へ接触したベルト部分がほつれて切れて混入した。使用されているベルトコンベアのベルト部分は、繊維製(布製)である。
防止対策 搬送コンベアの点検強化、点検間隔・頻度の向上。検品精度の向上。

【事例1-4-2】ゆでうどんの表面に焦げ茶色の異物が付着

異物 そばの麺の生地
食品 ゆでうどん
原因  麺を延ばす機械(麺帯機)をそばとうどんの麺の製造で同一のものを使っていた。そのため、清掃不完全により麺帯機に残っていたそばの麺が、うどん麺製造時に付着した。
防止対策 機械類の洗浄の徹底。

【事例1-4-3】氷菓に白色プラスチック片が混入

異物 大きさ約8mm×3mm×2mmぐらいの白色プラスチック片
食品 氷菓(カップ入りかき氷)
原因  貯氷庫からクラッシャーへ氷を運搬するコンベアのチェーン樹脂部分(チェーン部分のプラローラ)が、回転する際に、無理な力が1ヶ所にかかったために破損し、破片が氷に混入した。
防止対策 機械器具類の点検の確実な実施。各機械類の部品交換時期の明確化。

異物画像

白色プラスチック片

2 原材料由来の異物混入

【事例2-1】海藻の酢の物に合成樹脂製の糸状異物が混入

異物 合成樹脂製糸状異物
食品 惣菜(酢の物等)
原因  原料の海草に混入している養殖用海苔網の一部が、機械及び目視による選別工程で除去しきれずに最終製品まで残存した。
防止対策  複数体制による選別チェック。選別台、照度の工夫による目視選別精度の向上。作業員の教育訓練、勤務態勢の見直し。原材料に混入する異物をできるだけ少なくする対策(原料納入業者の衛生管理強化による異物混入防止対策等)。

異物画像

合成樹脂製糸状異物

【事例2-2】豆菓子に石が混入

異物 灰白色の石
食品 豆菓子
原因  原材料に混入していた石が、大きさ、比重、色等原料豆とほぼ同等であったために、機械による選別工程で除去されずに残存し、最終製品に混入した。
防止対策 選別工程の改善。

【事例2-3】中華まんじゅうに竹のような異物が混入

異物 竹のような物質
食品 中華まんじゅう
原因  原料のタマネギの保護葉等茶色に変色し固くなった表面部分が、取り除かれずに使用されて混入した。
防止対策  タマネギの保護葉、首部、短縮茎等固くなっている部分の完全除去及び使用前の除去状態の確認。

【事例2-4】たこ焼きに白色半透明なプラスチック様又は魚の骨様の尖った異物が混入

異物 長さ約1cmの白色半透明なプラスチック様又は魚の骨様の尖った異物
食品 たこ焼き(冷凍)
原因  たこが餌の魚を捕る際に、たこの足に棘(骨)が刺さり、棘に返しが付いているためそのまま残り、除去工程で見逃されて加工された。たこは海外で採取され、足を1本ずつ手でしごいて異物確認し、カット作業を行っている。日本に冷凍で輸入し、解凍後に目視検査を実施しており、過去にも類似した異物が発見されている。
防止対策 骨の除去の強化と徹底。(餌である魚の鰓又は目の周囲の骨の破片の除去。)

異物画像

長さ約1cmの白色半透明な尖った異物

3 容器・包装資材由来の異物混入

【事例3-1】瓶入り牛乳に黒色の細長い樹脂製異物が混入

異物 黒色の細長い樹脂製物質
食品 牛乳(瓶入り)
原因  回収瓶の洗浄・殺菌工程で使用されている、瓶の内側を洗浄する内洗ブラシの毛が切断、脱落しガラス瓶内部に残存。牛乳充填までの検査で見逃され、製品内に混入した。
調査により、異物の付着位置によっては、自動空瓶検査機で検知されず、瓶外側のデザイン塗装のため目視検査でも見逃す可能性があることが判明している。
防止対策  洗浄ブラシの全数チェック。ブラシの強度測定による管理。各ブラシの定期的交換及び交換履歴の記録。目視検査の手順見直し及び作業員の養成。

【事例3-2】中華まんじゅうに三角形の厚手ビニールでできた異物が混入

異物 三角形厚手のビニールフィルム片
食品 中華まんじゅう
原因  使用原料の一つが入れられている合成樹脂製の袋を開封する際にハサミで二度切りし、生じた袋の切れ端が原料に混入し、そのまま製品が製造されたために発生した。
防止対策 開封方法のマニュアル化(開封時のハサミで二度切り禁止等)。原料を篩にかける。

【事例3-3】印刷された紙片と思われる異物がお好み焼き上部に混入

異物 大きさ約2cm×3cmぐらいの紙片(段ボール片様)と思われる異物
食品 お好み焼き
原因  お好み焼きソースを外箱のまま調理場へ持ち込み、開封していたため。ソースを入れるボールの上で開封した際、うまく開封できずに破れた破片がボール内へ混入しソースと共に盛り付けられた。調理工程では、ソースを入れたボールをお玉でお好み焼き表面にかけ、合成樹脂製手袋をした手で満遍なく延ばす。
防止対策 外箱は原料置き場で外し、調理場内へは持ち込まない。異物の目視確認徹底。

異物画像

段ボール紙片と思われる異物1 段ボール紙片と思われる異物2

本ページに関する問い合わせ先

三重県 医療保健部 食品安全課 食品衛生班 〒514-8570 
津市広明町13番地(本庁4階)
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