異物混入の状況
ここでは、過去に保健所へ届出のあった異物混入事例のうち、異物の混入経路がある程度まで特定できた事例(製造施設内での混入の可能性が高い事例)についてお話しします。
最も多かったのは、製造ライン上で起きる製造途中の混入で、半数以上を占めていました。その中でも多く発生していたのが、製造に使用している器具や器具類の清掃用具に由来するものでした。これは、使用器具の破損による脱落に伴うものが多く、製造前及び製造中の確認不十分による混入や、不注意によると思われるものの混入が見られました。
また、昆虫類の混入も多く発生しており、食品製造施設での害虫駆除や防虫対策に多くの課題が残されている状況が明らかです。
従業員の持ち込みに由来する混入では、毛髪の混入が業種を問わず発生しています。また、惣菜や飲食店での提供など手作業で行う工程の多い食品では、絆創膏の混入も見受けられました。
原材料由来の混入事例は、全体の3割程度発生しており、海草類を使っている場合に比較的多いようです。その他には、原料の洗浄不足による昆虫類の混入や、原材料の野菜や果物の非可食部分の混入によるものも見受けられました。
容器や包装資材由来の異物混入事例は、原材料の入れられていた容器包装の断片や、或いは、充填前等の容器内に異物が入っていたもので、全体の約1割を占めています。