食中毒について
ボツリヌス食中毒
特徴 土の中にいる猛毒の細菌
ボツリヌス菌は土壌に広く分布していて、海や湖の泥の中にもいます。びん詰、缶詰、真空包装食品など、酸素が含まれない食品中で増殖し、強い毒素をつくります。芽胞は特殊な構造をしているため長時間煮沸しても死なず、致死率の高い恐ろしい細菌として知られています。
- 世界中に分布し、世界各国でこの食中毒が発生しています。
- 芽胞は熱や消毒液にも強い抵抗力をしめします。
- 食品だけでなく、8か月以下の乳児の腸の中でも増殖します。
原因食品 自家製の保存食品など
自家製の海産物や、保存状態の悪いびん詰などから感染します。海外みやげの真空パックされた魚のくん製や、酢漬け、塩漬けなどは特に注意が必要です。また、長期間流通する食品が原因となることもあります。これまでに発生した例では、いずし、自家製の野菜や果物缶詰、輸入したキャビア、自家製の魚のくん製、からしレンコン、ソフトチーズなどがあります。
症状 脱力感から重い神経症へ
感染してからおよそ8~36時間後に、吐き気、嘔吐、便秘などがおこります。特徴的なのは、脱力感、けん怠感、めまいを感じることです。症状が進むと、物が二重に見えたり、まぶたが下がったり、言葉が出にくくなります。ときには、尿が出なくなったり、歩くこともできなくなります。発熱はなく、意識もしっかりしていますが、治療が遅れると呼吸困難などをひきおこして死亡します。
予防法
- 新鮮な材料を使用し、洗浄を十分行う。
- PHを調整したり、食塩、砂糖あるいは亜硝酸ナトリウムなどを添加して菌の増殖を抑える。
- できるかぎり十分な加熱処理をする。
- 製造中、保存中にバター臭がするものは廃棄する。