食中毒について
ブドウ球菌食中毒
特徴 傷口などにいるたくましい細菌
ブドウ球菌は自然界に広く分布しており、健康な人の皮膚やのどなどにもいます。しかし、この細菌が食中毒をおこすのは、汚染された食品の中で毒素をつくるときだけです。ただし、いろいろな食品の中で増殖し、毒素は熱や乾燥にも強いという性質があるので、十分な注意が必要です。
- つくられた毒素は、熱や乾燥にも耐えます。
- 酸性やアルカリ性が強いところでも増殖します。
- 食中毒だけでなく、傷口を化膿させる性質があります。
原因食品 手作りの食品など
ブドウ球菌による食中毒は、おにぎりや弁当、サンドイッチやケーキなど、さまざまな食品が原因となります。ほとんどの場合、菌が調理する人の手から伝わって食品に取り込まれます。特に、調理する人の手や指に傷や湿疹があったり、傷口が化膿しているような場合は、食品を汚染する確率が高くなります。
症状 短時間で激しい吐き気
喫食後、およそ3時間以内に吐き気や激しい嘔吐がおこります。腹痛や下痢も伴いますが、38℃以上の高熱になることはあまりありません。ほとんどが24時間以内に回復しますが、脱水症状になると点滴などが必要になります。
予防法
- 手や指に傷がある人や手の荒れている人は、直接調理にたずさわらない。
- 特に食品製造にかかわる人は、十分に手や指を消毒してから調理する。
- 消毒した後は、前かけなどで手を拭かない。
- マスク、帽子、薄いゴム手袋などを着用して調理をする。
- まな板、包丁、ふきんなどはよく洗い、熱湯や漂白剤で殺菌する。
- 調理後はできるかぎり早めに食べる。
- 食品を室温で長時間放置しない。