ISO/HACCPについて
ISOとは
- ISO(International Organization for Standardization)=国際標準化機構
- 物やサービスの国際規格
- 環境マネジメントシステムであるISO14000や、工業規格であるフィルム・ネジが馴染み深い。
ISO9001とは
「顧客満足の向上と品質に関するしくみの継続的改善をめざしたマネジメント」と定義されます。マネジメントとは、一般的には経営・管理と訳されています。ISO9001の規格は、日本において日本工業規格(JIS Q 9001:2000)翻訳され、多くの要求事項が定められています。
ISO9001は個々製品の品質を保証するものではありません。組織全体のシステム(仕組・活動)を保証するものと言ったほうがよいでしょう。製品の品質はその結果として保証されることとなります。基本的な考え方として、設定した目標(品質目標)を達成するためにマネジメントシステムを構築し継続的な改善(PDCA)をおこなうことが求められています。
メリット
- 国際規格を認証したことによる社会的信用度向上
最近では、認証されている企業とのみ取引する場合もあるようです。特に、海外の企業では当然のごとく要求され、公共事業においても同様の場合がみられるようです。
- 社内の効率化・体質改善
一連のマネジメントシステムを構築することで、作業の標準化・効率化はもちろんのこと、責任権限の明確化・従業員の品質に関する意識の向上などが期待できます。
HACCPシステムについて
HACCPシステム(Hazard Analysis and Critical Control Point:危害分析重要管理点)は、もともと、米国で、宇宙飛行士が飛行中に宇宙食により危害が生じないように、宇宙食の開発を始めたことがきっかけだった。
従来は、最終製品の検査結果に依存していたため、最終製品の安全性をほぼ100パーセント保障しようとすれば、その製品は1ロットのうちほんのわずかとなり、無駄が多く非効率であった。
そこで、原材料、工程、製造、環境、従事者、保管、流通に至るまでの過程で、微生物によるものなど危害に結びつく可能性をすべて系統的にコントロールし、これらすべての事項に記録をつけるという予防的なシステムが開発された。この概念が、HACCPシステムのもととなっている。
現在、各国のHACCPシステムに基づく食品の衛生管理方法は、国際的なガイドラインとして、1997年に公表されたコーデックス規格が基本になっている。
日本では、1995年から食品衛生法に盛り込まれた「総合衛生管理製造過程」(通称:マル総)としてシステムが導入されている。
この特徴は、HACCPシステムの前提となる施設設備の衛生管理など一般的な衛生管理を行うことも重要視していること、HACCPシステムの実施を営業者の自主性に任せていること(米国やEUは実施を義務付けている)である。
現在、日本で対象となっている食品は、乳、乳製品、食肉製品、魚肉練り製品、容器包装詰加圧加熱殺菌食品、清涼飲料水があり、524施設757製品が厚生労働省から承認を受けている。(平成26年2月26日現在)
関係リンク : 厚生労働省HACCPのページ
HACCPシステムの特徴とメリット
特徴 | メリット |
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プロセスを重視している。 | 工程ごとに検証ができる。 |
工程の中で、厳重に管理すべきポイント(CCP)が設定されている。 | 効果的・効率的な対策がとれる。 |
CCPのモニタリング結果が記録に残されている。 | 過去にさかのぼって検証ができる。 |
CCPに問題が発生したときの改善措置が記録に残されている。 | 過去にさかのぼって検証ができる。 |