食品衛生法改正に伴うHACCPに沿った衛生管理の制度化について
平成30年6月13日に食品衛生法の一部を改正する法律が公布され、令和3年6月1日から、原則全ての食品等事業者が「HACCPに沿った衛生管理」を行うこととなりました。
「HACCPに沿った衛生管理」には、以下の2種類があります。
・HACCPに基づいた衛生管理
大規模製造業(従業員50人以上等)などが行うHACCPの7原則に基づいた衛生管理
・HACCPの考え方を取り入れた衛生管理
飲食店や小規模事業者が行う、手引書を活用して衛生管理計画の作成や記録を行う衛生管理
具体的な実施方法等のご相談は、施設を所管する保健所で受け付けています。
参考)厚生労働省ホームページ HACCP(ハサップ)
HACCPに沿った衛生管理の制度化に関するQ&A
HACCPに基づいた衛生管理
大規模事業者、と畜場、食鳥処理場(認定小規模食鳥処理場を除く)は、コーデックスHACCPの7原則に基づき、事業者自らが、使用する原材料や製造方法に応じた計画を作成し、衛生管理を行わなければなりません。
HACCPの7原則
1 | 危害要因の分析 | 食品又は添加物の製造、運搬、貯蔵、販売等の工程ごとに、食品衛生上の危害を発生させうる要因の一覧表を作成し、これらを管理するための措置を定める。 |
2 | 重要管理点の決定 | 1で特定された危害要因につき、その発生を防止又は許容範囲内まで低減させるために管理が不可欠な工程を決定する。 |
3 | 管理基準の設定 | 重要管理点ごとに、管理するための基準を設定する。 |
4 | モニタリング方法の設定 | 重要管理点の管理について、連続的又は相当な頻度で実施状況を把握(モニタリング)するための方法を設定する。 |
5 | 改善措置の設定 | モニタリングの結果、管理基準を逸脱したことが判明した場合の改善措置を設定する。 |
6 | 検証方法の設定 | 1~5までの内容の効果を定期的に検証するための手順を定める。 |
7 | 記録の作成 | 1~6の内容に関する書面とその実施記録を作成し、保管する。 |
HACCPに基づく衛生管理のための手引書等
厚生労働省のホームページに、HACCPプランのモデルや食品等事業者団体が作成した業種別手引書が掲載されていますので参考にしてください。
HACCPの考え方を取り入れた衛生管理
小規模事業場等は、厚生労働省が確認した「食品等事業者団体が作成した業種別手引書」を参考に、取り扱う食品の特性に応じた取組(HACCPの考え方を取り入れた衛生管理) を行うことができます。
<対象となる施設>
・製品の大部分を、製造所に併設又は隣接した店舗で小売販売する施設
・飲食店営業、給食施設
・そうざい製造業
・パンの製造(比較的短期間に消費されるものに限る)
・自動販売機により食品を調理、販売する営業
・包装された食品の貯蔵、運搬、販売のみを行う営業
・食品を分割、小分け包装し、販売する営業
・食品を取り扱う従業員が50人未満の製造業
食品等事業者団体が作成した業種別手引書
厚生労働省のホームページに掲載されています。(業種、品目により100種類以上)
どの手引書を使用したらよいか分からない、衛生管理計画や記録の記載方法が分からない場合は、施設を所管する保健所にご相談ください。
「食品等事業者団体が作成した業種別手引書」(厚生労働省)のページはこちら↓
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000179028_00003.html
※飲食店等一部の業種については、一般社団法人三重県食品衛生協会各支部の窓口で、衛生管理計画と1年分の記録用紙を冊子にしたものを販売しています。
参考資料
公益社団法人日本食品衛生協会が、HACCPに沿った衛生管理について動画で学習できる「e-ラーニング」を作成しています。
「e-ラーニングのご案内」(公益社団法人日本食品衛生協会)のページはこちら↓
https://www.n-shokuei.jp/topics/elearning/index.html