生食用食肉の規格基準について
生食用食肉(牛肉)の規格基準
平成23年4月に富山県等で発生した腸管出血性大腸菌による食中毒事件において、飲食店で食肉を生食した4名が死亡し、多くの重症者が確認されたことを受け、厚生労働省により、生食用食肉(牛肉)について、これまでの衛生基準通知(平成10年9月11日付け生衛発第1358号)に代わり、新たな規格基準が設定されました。
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対象となる食品
生食用食肉として販売される牛の食肉(内臓を除く。)
例:ユッケ、タルタルステーキ、牛刺し、牛タタキなど
生食用食肉の規格基準の主な内容
1.成分規格
- 腸内細菌科菌群が陰性であること。
2.加工基準、調理基準
- 専用の設備を有した衛生的な場所で、専用の器具で行うこと。
- 加工に使用する肉塊は、容器包装に密封し、肉塊表面から1cm以上の深さまでを60度で2分間以上加熱する方法又は同等以上の方法で加熱殺菌すること。
- 加工は、生食用食肉取扱者(調理のみであれば食品衛生責任者で可)が行うか、その者の監督の下で行うこと。
3.保存基準
- 4度以下(凍結させたものにあってはマイナス15度以下)で保存すること。
4.表示基準
- 飲食店等で容器包装に入れずに提供・販売する場合
(1) 一般的に食肉の生食は食中毒のリスクがある旨
(2) 子供、高齢者その他食中毒に対する抵抗力の弱い者は食肉の生食を控えるべき旨 - 容器包装に入れて販売する場合
上記(1)、(2)に加えて
(3) 生食用である旨
(4) と畜場名とその都道府県名(輸入品は原産国名)
(5) 加工施設名とその都道府県名(輸入品は原産国名)
5.施行・適用期日
平成23年10月1日から施行とする。このため、施行日より前に加工された生食用食肉であっても、施行日以降は、本規格基準を満たさないものの販売等を行うことはできないこと。
届出制度について
生食用食肉を、加工又は調理を行う場合、施設ごとに届出が必要です。
1.対象施設
生食用食肉取扱施設(対象業種:飲食店営業、食肉販売業、食肉処理業、複合型そうざい製造業、複合型
冷凍食品製造業)
2.届出様式
1 営業許可申請書・営業届出書(新規開業の場合)※三重県電子申請・届出システムで「食品」と検索。変更届出書(既存許可施設の場合)※三重県電子申請・届出システムで「食品」と検索。
2 施設の平面図 PDF
3 県規則第23条第4号、第6号、第7号を示す書類 Word
※四日市市内の施設については四日市市保健所にご確認ください。
3.届出先
営業施設を所管する保健所に提出してください。
4.生食用食肉取扱営業施設の確認
保健所長は届出書を受理後、営業施設、記録等を確認し、規格基準に適合していることが認められた場合には、生食用食肉取扱施設届出済証を交付します。
【参考】施設基準(三重県食品衛生法施行条例)
1.共通基準 2.業種別基準 3.生食用食肉・ふぐ取扱施設基準
※1、2及び3の対象となる内容を満たす必要があります。
5.監視指導
保健所は、届出済施設について、衛生管理状況について年1回以上監視を行います。
消費者の皆様へ
腸管出血性大腸菌やサルモネラ属菌等の一部の食中毒菌は、家畜の腸内に存在することから、食肉の加工・調理において、これらの微生物を完全に除去することは困難です。
このため、規格基準に適合した生食用食肉(牛肉)であっても、子供や高齢者などの抵抗力の弱い方は、生食を食べないよう、また、食べさせないよう十分な注意が必要です。