三重の木づかい人
第6回 松阪木材株式会社 平成27年7月28日
「三重の木づかい人」第6回はウッドピア松阪を訪問し、松阪木材株式会社 ウッドピア21事業部 営業企画課長の中野貴文さんにお話を伺いました。
松阪木材株式会社では、「自然の恵みである木材、および関連商品を通じて多くの人々が健康で文化的な生活が過ごせるよう貢献する。」という経営理念のもと、約60年という長きにわたって木材の販売業を営まれています。また、会社創立60周年にあたる平成25年4月には、マツモクプラス(梁・桁用のスギ天然乾燥事業)を開始し、木材の販売のみならず製造にまで取り組まれています。今回は、そのマツモクプラスで製造されるスギの天然乾燥材「エアウッド」について、お話を伺いました。
人工乾燥の木材が主流となる中、あえてなぜ、天然乾燥に取り組まれたのですか?
木材を製品にする上で乾燥は永遠の課題です。乾燥をいかにうまく管理できるかが製品の品質に影響します。天然乾燥には長い時間と多くの手間がかかりますが、その方法でしか得られない美しさと強靭さがあります。三重県は素晴らしい丸太の産地ですが、その良さを最大限に引き出せる乾燥方法として行き着いた答えが天然乾燥でした。「木材本来のもつ色艶・香り、そして繊細さ・力強さを五感で感じられる製品をつくり届けたい」オリジナルブランド「エアウッド」はそんな思いからスタートしました。
エアウッドの魅力や特徴を教えてください。
「エアウッド」の最大の魅力は、先程にも触れた色艶の良さ・香りといったスギ特有の美しさが存分に感じられるところです。さらにマツモクプラスで管理されているエアウッドは、三重県各地の旬の時期に伐り出された丸太を目利きし厳選された材を確保しています。また産地や製材時期、樹齢といった情報をラベルに記して単木管理しているのでトレーサビリティも保証されています。出荷時には含水率・強度を測定しデータ管理することで、品質面でも安心してご購入いただけます。天然乾燥材エアウッドの特徴として、表面に生じる割れがあります。外観上割れているとマイナスのイメージがありますが、強度に問題ないことがヤング係数の測定をする事で証明できます。加えて樹脂分を多く残す事のできる天然乾燥は、粘り強さといった測定外の部分でも高い数値が期待できます。最後にエアウッドの魅力をもう一つ、自然の力のみで乾燥することは環境への負荷を限りなく押さえたエコ製品だということです。エアウッドはたくさんのこだわりから生まれ、これからの時代に見合った製品になってゆくのではないかと思います。
エアウッドをはじめとして、木の魅力をどのように伝えていきたいとお考えですか?
まず見て触れて実際に感じる事で、木材を身近に感じて欲しいと思っています。マツモクプラスでは、実際にたくさんの方に来て頂きエアウッドを体感して頂いています。丸太の迫力や製材された木肌の繊細さ、木材が人に与える安らぎや癒し、そういったものがきっと味わって頂けます。「せっかく使って頂くのであれば、最高の満足をして欲しい。」「良い製品はみんなを幸せにする」そんな思いで私たちは木材と向き合っています。エアウッドが取り持つ縁を大事にして、これからも多くの方と材料を楽しみながら建築してもらえるような関係を築いていきたいです。
松阪木材株式会社の詳細については、下記HPをご覧下さい。