第3章 三重の森林・林業の現状
Ⅰ 森林
1 森林資源(平成20年度末現在)
(1)所有者別森林面積
森林面積は、373千haと県土面積578千haの65%を占めています。内訳は、国有林24千ha(6%)、民有林349千ha(94%)であり、民有林では、私有林が307千ha(88%)を占めています。
(森林・林業経営室)
(2)林種別森林面積(民有林)
林種別森林面積は、スギとヒノキを中心とする人工林218千ha、天然林123千ha、その他8千haであり、人工林率は62%と全国平均(平成17年度末)の46%を大きく上回っています。
(森林・林業経営室)(農林業センサス)
(3)齢級別森林面積(民有林)
人工林では10齢級(46年生~50年生)が、天然林では11齢級(51年生~55年生)の林分が最も多く、また、人工林では、8齢級以上(36年生以上)の林分が183千ha(84%)を占めています。
2 森林整備
(1)人工造林面積(民有林)の推移
平成20年度の造林面積は124haで、その内訳は、拡大造林80ha、再造林44haで、平成19年に比べ55ha減少しました。
(2)間伐面積(民有林)の推移
平成20年度の間伐面積は、平成19年度に比べ93ha増の9,167haとなっています。
(森林保全室)
Ⅱ 林業
1 林業経営
(1)林業産出額の推移
平成19年の林業産出額は、6,840百万円と、平成2年の30,645百万円に比べ26%に減少しています。
(生産林業所得統計報告書)
(2)森林所有規模別所有者数及び森林面積
平成20年度末現在、森林所有者は121,516人で、うち5ha未満の所有者が全体の92%(森林面積26%)を占め、100ha以上の所有者は、0.3%(森林面積32%)となっています。
(森林・林業経営室)
(3)林道
平成20年度末現在、民有林の林道路密度は、4.7m/ha、舗装密度は45.9%で全国平均の41.4%を上回っています。
区分 |
延長(km) |
密度(m/ha) |
舗装延長(km) |
舗・風ヲ(%) |
三重県 |
1,645 |
4.7 |
757 |
46.9 |
全国 |
87,551 |
5.1 |
36,316 |
41.5 |
※林道延長は、林道のうち自動車道を記載 (森林保全室、民有林森林整備施策のあらまし)
(4)高性能林業機械等
平成18年度末現在、県内の高性能林業機械は、フォワーダが10台、スイングヤーダが9台と平成18年度に比べ4台増え、合計43台となっています。
2 木材生産
(1)素材生産量の推移
平成20年の素材生産量は、298千m3で、平成19年に比べ5千m3増加しています。
(農林水産省統計部「木材需給報告書」)
(2)木材価格の推移
平成20年の全国の平均原木価格は、スギ11,800円/m3、ヒノキ23,400円/m3で、最も高かった昭和55年に比べ、スギは30%、ヒノキは33%となっています。また、平均製品価格は、スギ42,100円/m3、ヒノキ 68,000円/m3と、昭和55年に比べ、スギは60%、ヒノキは48%となっています。
(森林・林業白書、農林水産省統計部「木材需給報告書」)
3 林業労働力
(1)林業従事者数の推移
林業従事者数は、昭和35年の9,888人から平成17年は1,047人と11%に減少しています。また、60歳以上の割合は、昭和35年の12%から平成17年には50%に増加しています。
(国勢調査)
4 特用林産物
(1)主要特用林産物生産量推移
平成20年の生シイタケの生産量は、875トンで、平成19年に比べ30トン減少しています。また、エリンギは598トンで平成19年に比べ29トン減少しました。
(森林・林業経営室)
Ⅲ 木材産業
1 木材加工・流通
(1)木材需要量の推移
平成20年の木材需要量は、438千m3で、平成19年に比べ49千m3減少しました。また、製材用材が420千m3と全体の96%を占めています。
(2)製材工場数の推移
平成20年の製材工場は、369工場で、平成19年に比べ20工場減少しています。
農林水産省統計部「木材需給報告書」)
2 住宅着工戸数
(1)新設住宅着工数の推移
平成20年の新設住宅着工戸数は、18,016戸で、うち木造住宅が、10,199戸となっています。木造率では、57.3%と平成18年に比べ7.9ポイント増加しています。
(国土交通省「住宅着工統計」)
Ⅳ 県土の保全
(1)保安林
平成20年度末現在、保安林面積(国有林含む。)は、116,313ha(うち兼種10,527ha)で、指定率は32%となっています。その内訳は、水源かん養保安林58%、土砂流出防備保安林31%と、この2種が全体の90%を占めています。
(森林保全室)
(2)山地災害危険地区
平成20年度末現在、山地災害危険地区は、3,856箇所あり、治山事業による安全対策工事着手率は、50%となっています。
(単位:箇所)
区分 |
山腹崩壊 |
崩壊土砂流出 |
地すべり |
合計 |
既着手 |
889 |
1,061 |
10 |
1,960 |
未着手 |
1,023 |
826 |
2 |
1,851 |
合計 |
1,912 |
1,887 |
12 |
3,811 |
治山着手率 |
46% |
56% |
83% |
51% |
(森林保全室)
Ⅴ 森林づくりへの参加
(1)緑の少年隊数の推移
緑の少年隊の隊数は、平成20年度は15団体で、最も多かった昭和60年度の53団体に比べ38団体減少しています。
※H20.7現在 (自然環境室)
(2)里地里山保全活動計画等の認定状況
平成20年度は、新たに7団体の里地里山保全活動計画を認定し、里地里山保全活動計画認定団体数は28団体、みんなで自然を守る認証団体数は4団体となっています。
(自然環境室)
Ⅵ 森林の公益的機能の評価
(1)三重県の評価額
三重県の森林が果たしている公益的機能の年間評価額は、地表面の浸食防止や水資源貯留、水質浄化など約1兆2千億円になります。これは、県民一人当たり約66万円、一世帯では約178万円に相当します。
資料
日本学術会議が平成13年に農林水産省に答申した試算方法を参考に試算(平成17年7月)