林業リーダー育成コースでは
林業事業体等で働いている人が、森林づくりや林業に関するさらに深い知識を習得し、起業・地域づくり等に関することを学ぶことで、将来の地域リーダーとして活躍することを目指します。
<第7回> 平成28年11月25日(金)開催
■今回は林業リーダー育成コースの最終回でした。
残念ながら全員揃うことができず、8名の出席となりましたが、講師の岐阜県立森林文化アカデミーの
嵯峨創平教授から、農山村のコミュニティビジネスや地域づくりについての講義を受けました。
講義では農山村地域の様々な取り組み事例が紹介され、ワークショップを交えながら地域資源の把握や
ビジネス的な視点の重要性、仲間づくりの大切さを学びました。
受講の様子 嵯峨教授の講義 ワークショップでの発表
■これまでの受講をきっかけとして、受講生の皆さんが更に仲間を増やし、多様な分野を自ら学び、普段
の業務はもちろん、地域の活性化にも取り組んでいくことを期待しています。
<第6回> 平成28年11月11日(金)開催
■今回は、全国的に有名な伊勢神宮、その宮域林の管理経営について、神宮司庁営林部の山本祥也氏にお話しをいただきました。講義の後、受講生9名は宮域林内の大樹育成試験地等を視察しました。
宮域林は、遷宮の御造営用材(胸高直径60cm以上)を生産するため、計画に基づいた施業が大正
時代から続けられてきた結果、ヒノキ大径木と広葉樹が混交する現在の姿となりました。
これは目指すべき森林の姿(構造の豊かな森林)の一つの例として、受講生たちにも参考になったの
ではないでしょうか。
<第5回> 平成28年10月28日(金)開催
■今回は受講生8名が、木材利用・マーケティングに関して、現場の最前線の取組みについて学びました。講師は、三重県南部の熊野市にある野地木材工業(株)の野地伸卓専務です。
受講生たちは、普段は林業(川上側)の立場で仕事をしていますが、搬出した木材がどう使われていくのか
について見る機会が少ないため、今回の製材の現場(川中・川下側)は新鮮に映ったようです。
また、消費地への距離的なハンディを負いながら、ユーザーの要求品質に応えられる自社製品を開発し、
全国に販売していく野地木材工業の経営戦略とその経営努力に感銘を受けていました。
<第4回> 平成28年9月30日(金)開催
■(株)東京チェンソーズの青木亮輔氏を講師に迎え、山村での起業・情報発信・都市住民との交流等をテーマとした講義を行いました。今回は受講生10名全員がそろって受講することができました。講義の中では、社員のモチベーションの維持・向上に向けた取り組み、フェイスブックを活用した現場管理、メディアやSNSによるターゲット層を明確にした情報発信、自治体に向けた新規事業の提案等、森林・林業・木材を理解してもらい、売っていくための取り組みや地域振興に向けた取り組みが次々と紹介されました。
青木氏の林業に対する誠実な姿勢や新たなチャレンジをしていく姿勢に対し、受講生たちも自分たちの所属する組織でも何らかの改善にとりくみたいとの思いを持ったようです。
<第3回> 平成28年9月9日(金)開催
■受講生8名が、京都大学フィールド科学教育研究センターの長谷川尚史准教授から、林業イノベーション-新たな技術と人材活用-というテーマの講義を受けました。現在の林業を取り巻く状況から見てイノベーションが必要な時期に来ていること、人工林資源の充実・新たな林業機械・精密な情報や先端技術などイノベーションの種が増えてきていること、イノベーションを起こしていくための人材やそれらの人材を育成する組織のあり方などについて学びました。
短時間でしたが、最後に受講生それぞれが組織の目標を決め、SWOT分析による戦略の検討も行いました。
受講生たちは、最新技術を活用した作業システムや森林管理手法、組織戦略にも非常に関心を持ち、組織の改善や地域の体制づくりに向けて取り組む意欲を高めていました。
<第2回> 平成28年8月26日(金)開催
■紀北町の速水林業大田賀山林において、受講生8名が講師の速水亨氏から林業経営についての講義を受けました。日本や世界の森林・林業情勢をはじめ、路網開設や林業機械の自社メンテナンスの必要性、保育経費の削減、光の管理を重視した間伐手法、苗木選抜の重要性等、多岐にわたる内容です。
世界的にみると林業は黒字であるのに比べ、日本だけが赤字であることに触れ、日本の森林が投資の対象となるためには、森林の資産価値を高めるための管理・実行・説明ができる人材が重要であることが受講生に伝えられました。
座学の後は、下層植生が豊かな森林を散策するとともに、中間土場での材の仕分け、コンテナ苗木の生産現場を視察しました。
受講生たちも、徹底した低コスト化の取り組みや新たなことにチャレンジする姿勢などに非常に刺激を受けていました。
<第1回> 平成28年7月26日(火)開催
■林業事業体等で現場経験を積んでいる10名を受講生として迎え、三重県総合文化センター内で林業リーダー育成コースを開講しました。この日は、林業講座「もりびと塾」開講のオープニングイベントとして、藤森隆郎氏を講師に迎えて「持続可能な森林管理とは」と題した記念講演会を開催しており、開講式の後、受講生全員でこの講演を聴講しました。
長年、森林生態系に関する研究を続けてきた藤森氏の話に、受講生たちは、改めて森林・林業の重要性を認識するとともに、森林管理手法等についてさらに勉強し、各地域の森づくりに生かしていこうとの思いを新たにしていました。