「鯨船行事」は、陸上で行う模擬捕鯨行事で、全国でも三重県の北勢地方にのみ伝えられています。
四日市市富田地区の鯨船行事は、鳥出神社を中心に、毎年8月14日と15日に行われます。14日は朝の鎮火祭に始まり各町内で町練りが行われ、15日には本練りで神社の境内に入り、例祭への奉納の演技が行われます。夕方には、太鼓をたたき唄い廻るなどして宮入りし、行事の無事終了のお礼をします。
東富田町の北島組、中島組、南島組と古川町の4つの組が、それぞれに豪華な鯨船山車を所有しています。
この行事は、鯨を大漁や豊穣の象徴として見立てた祭りで、ハダシが沖の鯨を見つけることに始まり、太鼓の拍子にあわせて追いかけます。鯨を見つけることに始まり、太鼓の拍子にあわせて追いかけます。鯨の起こす大波で山車は大きく左右に揺られたり、勢いよく回転したり、また逃げる鯨の逆襲を受け、山車は後退しますが、やがて攻勢に転じ鯨を追いかけ、最後には見事に鯨を仕留めます。この勇壮なやりとりが最大の見所です。