鎮守の森の住人 パート2(エナガとキジバト(野鳥))
(森林・林業百景 第21弾)
森林・林業百景の第21弾は、熊野古道一石峠、平方峠の散策の帰りに立ち寄った紀北町内の鏡神社の鎮守の森近辺で見つけたエナガ(野鳥)とキジバト(野鳥)を紹介します。なお、エナガは森林・林業百景の第2弾に引き続いての紹介となります。
こちらが、鎮守の森で見つけたエナガの写真です。
エナガは、綿を丸めたような小さな体に、黒くて小さいくちばしと長い尾羽が特徴的なかわいらしい小鳥です。体は白色と黒色、薄紫色の三色で、尾羽は両側が白い黒色をしています。
【目】スズメ目 【科】エナガ科 【和名】エナガ(柄長)
【学名】Aegithalos caudatus 【全長】14cmほど
この学名は、長い尾を持つカラ類(シジュウカラやヒガラ、コガラ等の仲間)という意味だそうです。エナガは、非繁殖期にはシジュウカラなどのカラ類と混群となっていることも多いので、このような学名になったのだと思われます。
また、和名のエナガは、体に比べて、極端に
長い尾羽を柄の長い柄杓(ひしゃく)に例えた
ことが由来とされ、江戸時代には「柄長柄杓
(えながひしゃく)」、「柄柄杓(えびしゃ
く)」、「尾長柄杓(おながひしゃく)」、
「柄長鳥(えながどり)」等とも呼ばれていた
そうです。
エナガは、非繁殖期は群れをつくって生活し
ているため、秋から冬にかけては、運が良けれ
ば、数十羽のエナガの大群に出会うことがあり
ます。この日は、シジュウカラやコゲラなどの
違う種類の小鳥と混じり、混群となって、エナ
ガが真っ先に鎮守の森に現れました。
チーチーチーというか細い高い鳴き声ととも
に鎮守の森に現れたので、この子たちに気づく
ことができました。
こちらが、鎮守の森で見つけたキジバトの写真です。
【目】ハト目 【科】ハト科 【和名】キジバト(雉鳩)
【学名】 Streptopelia orientalis 【全長】 33cmほど
キジバトは、ぶどう色の体に、背中にウロコのような模様の羽根を持ち、首に青白黒のマフラーを巻いたようなおしゃれな模様を持つ鳥です。別名、ヤマバトとも呼ばれ、尾鷲管内の熊野古道沿い等の里山周辺でしばしば見ることができます。
なお、都市部等の神社仏閣や公園、駅前の広場等でたくさん群れている市街地等でよく見かけるドバト(カワラバト)とは違う種類のハトです。
このキジバトは、鳥類では珍しく、ピジョン・ミルク(pigeon milk:鳩乳)と呼ばれる素嚢乳(そのうにゅう)により、ほ乳類のように子育て(育雛)を行う鳥として知られています。
素嚢乳(そのうにゅう)は、素嚢(そのう)の内壁から分泌され、子育て(育雛)の際に、親鳥が吐き戻しによって、雛(ひな)に与える液体の餌(えさ)で、主にハト目の鳥類において見られるとされています。
熊野古道一石峠、平方峠は、高低差もあま
りなくとても歩きやすい道ですので、気軽に
ウォーキング等が楽しめ、自然観察やバード
ウォッチング等には最適な古道です。
少し足を伸ばせば、今回紹介した鎮守の森
でバードウォッチング等も楽しめます。
エナガやキジバト以外にも様々な種類の野
鳥等を観察することができますので、自然観
察やバードウォッチング等を目的に、皆さん
も是非、紀北町にお越しください。