尾鷲市賀田町北山の「トチの森」でトチノキの花が満開になりました!!
(森林・林業百景第14弾)
5月中旬から下旬にかけて、尾鷲市賀田町北山の賀田区有林でトチノキの花が見頃を迎えましたので、今回は森林・林業百景の第14弾として、「トチの森(トチノキの花)」を紹介します。
尾鷲市賀田区が所有する北山の「トチの森」は、国内でも有数のトチノキの群生地として知られており、樹齢200年を越す大木が60本以上も自生しています。
なお、賀田区有林全体では、トチノキの大木(大トチ)が180本強もあるそうです。
こちらが満開となった尾鷲市賀田町北山のトチノキの花です。
トチノキは、縄文時代から有用樹(役に立つ樹)とされ、実を多く付ける樹であることから、十千(トチ)=万が名前の由来となったともいわれています。
林内の歩道を歩いていると、新緑のまぶしい木々の間に、樹高20m以上のトチノキの巨木が姿を現します。
毎年5月には、こちらの写真のような黄白色のトチノキの花をたくさん咲かせます。
トチノキは、円錐状の黄白色の大型の花を咲かせ、ミツバチが蜂蜜を集めるために重要な蜜源植物でもあります。
【目】ムクロジ目 【科】トチノキ科 【属】トチノキ属
【和名】トチノキ(栃、橡、栃の木) 【学名】 Aesculus turbinata
なお、別名ではウマグリとも呼ばれ、英名(英語):Horse chestnutの直訳となっています。
また、仏名(フランス語)ではマロニエと呼ばれています。
「トチの森」は、国道42号線矢ノ川峠「賀田口」そばの林道弓山線を少し上がったところにあります。皆さんも東紀州にお越しの際には、是非一度「トチの森」にもお立ち寄りください。
トチノキの根本から大トチを見上げると、想像以上の大きさに皆さんも驚くことでしょう。
コケがびっちりと生えた大トチの樹の表面に触れ、皆さんも一度自然と対話してみてください。皆さんも大自然のパワー(英気)を養っていただけることでしょう。
ちなみに、賀田区では、江戸時代の大飢饉
(だいききん)の際、「トチの森」のトチの実
でとち餅を作り、飢え(うえ)をしのいだと伝
えられており、「切らずの森」として、長年地
元の方々に守られてきました。
そのおかげで、秋には収穫されたトチの実か
ら伝統のとち餅を作るなど、今でも「トチノキ
の文化」が代々と後生に受け継がれています。
毎年、尾鷲市賀田小学校の児童が、地域の歴
史を学ぶ総合学習の一環として、この「トチの
森」で現地学習を行っています。
今年の秋にも「トチの森」で、地元住民の方
とともに賀田小学校の児童がトチの実拾いを実
施し、餅つき大会ととち餅作りを兼ねた総合学
習を行います。
「トチの森」は誰でも自由に見学ができます
ので、是非「トチの森」にお立ち寄りいただき、
この大トチとふれあってみてください。
なお、大トチは賀田区の共有財産ですので、「トチの森」を訪れた際には、大トチ等の自然を大切に扱っていただき、トチの実は絶対に持ち帰らないようご協力よろしくお願いします。